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2023年末に2022年を振り返る


タイトルの通り、自分の2022年がどんな年だったかを振り返っての覚書だ。どうして2023年の振り返りではないのかというと、この年末に2022年の手帳を捨てるから。その前に覚えておきたいことをnoteに残しておこうと思い、パラパラと読み返してみた。

2022年、ロシアのウクライナ侵攻の開始や安倍元首相の銃撃事件、梨泰院の雑踏事故などがあった年、私はキャベツの代わりにざっくりと切った手の出血が止まらずに救急外来に駆け込んだり、当時の上司への苛立ちを手帳に書き殴ったり、共に暮らす老犬の手術成功に喜んだりしていた。

そんな中、自分の中でやってみてよかったことや、今に至るまでいい影響を及ぼしていることについて3つピックアップしてみた。

①ヘアドネーション

病気や事故などで髪を失った子どもたちにウィッグを無償で作っている団体があり、その団体に髪の毛を寄付した。必要な長さである31㎝を切った後も結べる長さにしたかったので、2年以上かけて胸の下あたりまで伸ばしていたのだが、私は毛量も多いため頭が重く、洗髪やドライヤーなどが大変だった。

実は一度挫折し、二度目の挑戦でようやく伸ばせたのだ。誰かの役に立てたという喜びもあるが、それ以上に一度失敗や挫折を経験したことは自分には不向きなことだと諦めてしまう自分が、もう一度挑戦し、やり遂げたという達成感が大きい。

また、ヘアドネーションで切ってもらった際、頭の下の方でギリギリ結べるほどの長さで、できる限り梳くようお願いしたのだが、過去最長とも言える長く重い髪の後では感動するほどの軽さだった。洗髪やドライヤーなどもすぐに終わり、とても扱いやすい。

前にも同じような髪型にしたことがあったのに、定着せず、髪を切ろうとするたびに長時間ヘアカタログを眺めては悩んでいたのが嘘みたいだ。ヘアドネーション以降は現在に至るまで、このありふれたとも言える髪型でお願いしている。

うまく言葉にできないながらも、この達成感や感動は覚えておきたいことだ。

②バジル栽培


収穫直前のバジル


2022年5月末、友人からもらったバジルの種をまいた。

バジルは初心者向きだとは言われてるが、同じく初心者向きだと言われているサボテンすら枯らしたことのある私は、うまく育てられるかとても不安だった。

まいた直後から予想より気温が低い日が続いたり、まだ芽は出ないのか、水のやりすぎではないか、摘心の方法は合っていたのか、などとハラハラしっぱなしだったが、なんとか収穫まで辿り着いた。収穫したバジルはチーズと一緒にクラッカーに乗せて食べた。

継続や習慣化が苦手な私だけど、毎日の状態確認と水やりを欠かさずにできたのは、バジルが数ヶ月で育ち、食べられる植物だからだ。種まきから収穫までが数ヶ月という短期間なので変化が見えやすく、育っているという実感を得やすいこと、収穫して食べるというゴールが明確であり、行動を伴うことが、私でも育てられた理由だと思う。

「何か育ててみたいけど……」と思っている方には、バジルや青じそなど、短期間で育てやすく、収穫して食べられる植物がいいかもしれない。

植物栽培への長年の苦手意識が少し薄れ、楽しいとすら思える日々だった。今年2023年にもバジルの種を蒔き、育てて収穫し、トマトとバジルの冷製パスタを作った。毎年続けられたらいいなと思える夏の楽しみができた。

③祖母との交換日記

祖母との交換日記は、始めておいて良かったこと2022年ベストオブザイヤーだ。本当に何があるか分からない。

元々は、高齢で耳が聞こえにくく、自室に閉じこもりがちな祖母とのコミュニケーションのために始めたものだ。祖母は、補聴器をつけてもあまり聞こえない耳で何度も聞き直し、最終的によく分からないまま適当な相槌を打って話を終えてしまったり、聞き取れた単語だけを頼りに、こちらが思いもよらない話の繋げ方をしたりしていた。

それならば文字を読んだ方が分かりやすいだろうし、こちらも同じ言葉や内容を繰り返し叫ばずに済むと思い、適当な理由をつけて交換ノートを持ちかけたのだ。朝、私が書いたノートを祖母に渡し、日中に祖母が書き、夜に私がノートを受け取るというのが日課になった。

内容は大したことではない。こちらからはその日の家族の予定など必要事項の伝達や、祖母の体調の確認、前日の何気ない出来事、話題がなければネットニュースや「今日はなんの日」という記念日に関する雑学サイトから話題を拾ったりする。祖母からは私への返信や日課の散歩中の出来事など様々だ。

小学生が使う国語ノートに線を引き、上段に私、下段に祖母が書く。


そんな祖母は今年2023年脳梗塞で倒れ、その影響で軽度ではあるが言語障害が残った。会話の中で言葉がパッと出てこないから、もどかしい思いをしている。もちろん文を書くのだって以前ほどスムーズにはいかないのだが、焦ることなく自分のペースで言葉を出せるはずだ。

以前よりさらに難聴が進んだのもあり、こちらもノートでのやり取りには随分助けられている。大声を出すのだって、ちゃんと理解したかを見極めるのだって骨が折れる。

前々からやっていたからこそ、今も交換日記を続けてくれているのであり、きっと今交換日記を始めようと提案しても、首を縦には振ってくれないと思う。倒れる前とは違う自分に戸惑っていて、新しいことをするのには随分と抵抗があるようだから。

とはいえ、体調についての質問に答えが返ってこないことも多いし、言語障害の残る祖母の伝えたいことが分からなかったりもする。何より、祖母の文字での理解力も少しずつ低下していることが分かってしまうので悲しくなるなど、決してハッピーなことばかりではない。

それでもこのノートが今一番、お互いが穏やかに意思疎通のできるツールだと思う。始めておいてくれてありがとう、2022年の私。

最後に

2022年、今から1〜2年前のことだからこそ、単なる思い出ではなくて、長期的に自分にいい影響をもたらしているものや、短期では分からないやっておいてよかったこと、忘れかけているからこそ覚えておきたいことがよく分かって、新しい自分を発見したような気分になった。

周りとは1年遅れの2022年振り返りとなったが、たまには時間を置いて振り返ってみるのもいいと思う。

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