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手ぬぐいのすすめ

5年ほど前から、手ぬぐいで体を洗っている。体を洗い終えた手ぬぐいを手洗いしては干して、たまに洗濯機で洗ってと、お気に入りの1枚を使い回していたのだが、先日ついに破れて大きな穴があいてしまった。

使えば使うほど柔らかくなり、肌に馴染んでいく過程は、手ぬぐいを育てているようで楽しかった。新しい1枚をまた育てていこうと思う。

体を洗う以外に普段の生活でも、手ぬぐいを使う場面は多いのだが、そう話すと驚かれることもある。あまり一般的ではないのかもしれない。

しかし、本当に便利なのだ。

この記事では、手ぬぐいユーザーの一例である私が、手ぬぐいの使い方やおすすめポイントなどを書いてみた。読んでくれた方が、手ぬぐいに興味を持つきっかけになれば嬉しい。

使い途は無限大

目的が決まっていない遠出をする時に、些細な「何か」に備えて必ず1枚持って行く。

例えば、日除けや寒さ対策として首に巻く。冷えたペットボトルの外側につく水滴を吸わせる。逆にホットコーヒーなどの熱い飲み物を持つ時に紙コップを覆ったり。小雨を避けるために頭に被ったこともあった。

手ぬぐいがあるからと、足湯に立ち寄ったこともある。手ぬぐい1枚が行動範囲を広げることもあるのだと知った。

また、ティッシュの箱を手ぬぐいで包んで結ぶだけでティッシュケースにもなるので、自分好みの手ぬぐいティッシュケースを車に置いている。結んで色々な形にできるのは、手ぬぐいの薄さがあってこそだ。

包帯や三角巾がわりにもなると聞き、防災リュックにも1枚入れている。これについては使う機会がないことを祈りながら。

手ぬぐいを半分もしくは3分の1の大きさに切って、外出先でも家でもハンカチのように使っている。

汗や手や口元を拭いたり、面を変えて机にちょっとこぼしたお茶を拭いたり。ティッシュを使う頻度が減り、少しエコな生活に近づいた。

好きなサイズに切った後に端を縫ったりせず、切りっぱなしのまま使えるのも、面倒くさがりの私にとっては嬉しいことだ。

思いつくままに書いたけれど、まだまだ使い方はある。手ぬぐいの使い途は無限大だ。使う人が自分の生活に合わせて、使いたいように使える。

コンパクト

「同じような使い方ができるタオルでもいいのでは」と思われるかもしれないが、手ぬぐいの利点は同じような大きさのタオルに比べて随分とコンパクトなことだ。

シンプルな暮らしを目指していて、極力荷物の数や量を減らしたい私は、持ち歩くのなら手ぬぐいのようにかさばらないものがいい。

すぐ乾く

薄くてすぐに乾くから、衛生的に使えるのもいい。

父方の祖母は昔から、手ぬぐいを台拭きや食器拭きとして使っていた。使う都度、干してすぐに乾かし、その日の朝から晩まで使っていた。

厚い生地の生乾きの台拭きや食器拭きを使い回すよりも衛生的だと気付いたのは、自分で手ぬぐいを使い始めてからだ。

(家族の意向もあり、残念ながら私の家では台拭きも食器拭きも、手ぬぐいではないものを使っているが)

丈夫

冒頭でも書いたが、5年以上に渡り随分と長い間、同じ手ぬぐいで体を洗っていた。

捨てる目安がわからずに、何度か「もう捨てどきを過ぎているのではないだろうか」と思ったこともあったが、違う。とても丈夫で長持ちするだけだ。

使い方にもよるが、私の経験からするとほぼ毎日使ったとしても、5年は使えるということになる。

私は雑巾やタオル、手ぬぐいなどの水気を切るときに、ぎゅーっと固く絞ってしまう癖がある。どうせすぐに乾くのだから、もう少し優しく絞っていたら、まだ破れずに使えていたのかもしれない。

デザインが豊富

色々なデザインや柄があり、どれを買おうかと迷うのも楽しい。

自分の好きなデザインを選ぶと、使うたびに気分が上がるので、比例するように生活の質も上がる気がする。生活の質を数値化したことはないけれど。

特にハンカチのように1日に何度も目にするような使い方がおすすめだ。私はやったことがないけれど、タペストリーみたいにして部屋に飾る人もいるという。

体を洗うのにちょうどいい

手ぬぐいは私にとって、お風呂で体を洗うのにちょうどいい生地と大きさをしている。

体を手で洗うというのは洗った気がしなくて物足りないし、背中を洗えない。だからといってボディタオルは力加減が分からず、つい強く擦りすぎて摩擦で肌を傷つけてしまう。

そんな私にちょうどいいのが手ぬぐいだった。

濡らした手ぬぐいに固形石鹸をつけて泡立てると、手ぬぐいの表面に細かい泡がつく。それで撫でるように体を洗うのだ。

肌に負担のかからない、程よい洗い上がりになる。

余談だが、手ぬぐいはタオルに比べて生地が薄いので、その分1枚に溜めておける水の量も少ない。

なので、温泉で浴場から脱衣所に上がる前に体についた水滴を拭く時は、手ぬぐいを2、3回絞りながら拭いている。

それでも困ったことはないので、温泉でもぜひ気軽に手ぬぐいを活用してほしい。

育てる感覚

使い始めは手ぬぐいの端からほつれてくる糸が気になるかもしれない。でも、「ほつれては切る」を繰り返すうちに、いつの間にかほつれなくなるのだ。

ほつれた糸が気にならなくなる頃が、手ぬぐいが使いやすくなり、自分の生活に馴染んできた頃だと思っている。

同様に、最初は手ぬぐいの生地が少し硬く感じるかもしれないが、使えば使うほどにとろっと溶けるように柔らかくなり、肌に馴染んでくる。

それはなんだか植物を育てているような感覚に似ていて、手ぬぐいに愛着が湧く。

最後に

以上が思いつくがままに書いた私なりの使い方やおすすめポイントだ。

手ぬぐい、どうでしょう。この記事を読んで興味を持った方がいたら、試しに使ってみてもらえると嬉しい。

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