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「アトピーの夫と暮らしています」を読んで。

「アトピーの夫と暮らしています」(著者:陽菜ひよ子)

前記事の「アトピーが教えてくれたこと」同様、こちらもコミックエッセイ。ご自身ではなく、旦那さんがアトピーであるというかたの著書です。

再読し、改めてアトピー患者とそうでない人との認識の違いや、理解してもらうことの難しさを感じました。

エッセイの中に、
旦那さんの皮膚がブツブツと厚く固くなり、象やサイのようにシワがよっていき、「これが人間の肌なの!?」と奥さんが驚くシーンがありますが、
やはり、アトピーでない人がそんな肌の状況を見たら驚くでしょう。
ですが、著者さんは旦那さんに寄り添い、都度相談しながら過ごされています。
仕事やストレスとの向き合い方、夫婦間のコミュニケーションの仕方など、とてもリアルに感じました。

アトピーが仕事選びに影響することには、私自身もとても悩みました。
アトピーだから難しいだろうと、まず職業で選択肢が狭まることも多かったし、
エディトリアルデザインを仕事にしていた頃、徹夜をすればやはり炎症は悪化しました。特に炎症がひどいときには会社を休んで迷惑もかけたし、ストレスにもなり悪循環でした。

著者さんの旦那さんが、「しんどいから寝るね」と言って寝込んでしまう時、
皮膚に炎症が出て「しんどい」とはどういうこと?と著者さんは疑問を持ちますが、
確かに伝わりづらい。
炎症自体の痛さもありますが、体が熱を持ってだるくなる感じ。全身の倦怠感はステロイドホルモン不足もあるようです。

私の場合も、炎症がひどくなるとよく寝ていました。
自分の状況から目を伏せたい思いも大きかったし、
薬をつけてから寝ると、起きた時に多少は炎症が引いたからです。
でもそれはひと時で、すぐまた悪化。寝て治るアトピーではありません。

父にはそれでよく怒られました。
怠惰に見えても仕方ありません。たしかに今思えば、寝るのではなく体に良いと思うことを1つでもしていら…とも思いますが、
炎症がひどいと気持ちが落ち込んで塞いで、やる気になれませんでした。
当時父に理解を得られなかったように、どんな疾患も、あるいは体験なども、体験する人のものなので他人が同じように感じることは難しいわけで。
それでも伝えたい、理解してほしいと思うし、周りの人や夫婦として共に生活をするならばなおさら、お互いに歩み寄ることで心地よく過ごせるのかなと実感しています。

私自身、旦那さんの理解を得たいと感じ、「アトピーが教えてくれたこと」、「アトピーの夫と暮らしています」を読んでもらいました。
もちろん、私とは違う箇所も多々あるけれど、コミックであることがとても読みやすかったようです。
読んで良かったと言ってもらえて嬉しかったし、再度2人で一緒に読み返しながら話し、良い時間が過ごせました。

炎症がふいにひどく出たときや、アトピーに気持ちが縛られてしんどいとき、旦那さんに寄り添ってもらえることはとても心強いです。

これからも続くであろうアトピーとの暮らし。その都度、旦那さんと一緒に向き合えたらいいなと改めて思います。

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