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「アトピーが教えてくれたこと」が教えてくれたこと。

「アトピーが教えてくれたこと」(著者:青山ぱふこ)

先日読み返した、著者自身のコミックエッセイです。

私自身の体験や、選んできた治療法と重なるところがとても多く、
繰り返しのリバウンドの体験に、同じように経験した人がいるのだ、同じように泣いた日々を過ごした人がいるのだ、と励みになります。
著者ご自身も、エッセイを書籍化されたことでたくさんの反響があり、
アトピー患者がたくさんいることを再認識したと描かれています。

アレルギーの中でもアナフィラキシーは別と思いますが、
アトピー自体は生死に関わる疾患ではないし、
痒みの辛さ・痛さが周りに理解されにくい事も
モヤモヤ悩ましい要因だと感じていたので、
このエッセイをひたすら頷きながら、ときには泣きながら読みました。

エッセイの中で出てくる、
友人からの「薬塗ればいーのに」、父親からの「そんなに辛いなら薬使えばいいんじゃないか…? 」
ということばが印象的で、理解されないと感じていたのは私の場合は父親でした。

父にはアレルギーがあり、時々炎症が出るもののアトピーではないので、しばらく薬を塗ればすっかりおさまる程度。そのため脱ステへの理解は全くされませんでした。
度々、両親に説明していたにも関わらず、毎日のように「薬塗ればいーのに」と言われる事はやはりストレスでした。
一方で母は不安そうではありましたが、特に言わず、私の選択に任せて見守ってくれていたように思います。

そして、強く共感したのは、
減ステ、脱ステ中に、「もし今大地震や災害が起こったら…」と怖くて不安だったこと。
こんな包帯だらけ、真っ赤な炎症だらけの姿で、汁(組織液)も止まらない状況で…と想像しただけで怖かったです。
災害の多いこの頃、つらい思いをしている方々がいらっしゃるのではと思うと、胸が苦しくなります。
(ただ、データを確認したわけではないのでわからないのですが、
皮膚科医の標準治療が出されて、大変な脱ステに否を唱えられることが多くなってからは、ひどいリバウンドをされる方も減っているのかもしれません。)

在学中に脱ステを体験された著者さん。
私は短大を卒業してからだったので、毎日の通学はしんどかっただろうなぁと思います。そして部活で一生懸命になれたことは、ストレスになりながらも、きっととても励みになったのだろうと思います。
学生時代の、同年代があれだけ集うあの独特な学校という空間は、その年齢のその時にしか体験できないと思っています。勉強自体は後からでもできるけれど、それ以上に共に楽しむ体験は貴重です。
なので私は短大生活をステロイドを使って過ごしました。その選択をして良かったと今でも思っているし、
それゆえに、著者の日々の思いや、周りに説明する姿、周りと比べてしまう自分等々を鑑みると、著者が脱ステを中断した事にも、とても共感します。

「こんなの私じゃない」「アトピーさえなければ…」と自己否定をしてきた日々。思い返し、涙がでます。
でも、このエッセイが教えてくれるのは、支えてくれた家族や友人たちのおかげで、今を炎症がずいぶん減った状態で過ごせていること、そのことを改めて思い出して過ごすこと。あの頃を否定するのではなく、大事なことはその後の生活。

mixiのコミュニティでのたくさん情報や、マイミクさんたちとの交流。
炎症がひどく塞ぎ込んでいたクリスマスに、ポインセチアを届けてくれた友人。
炎症が少し良くなってきたときに、家でも楽しめるからと、バルーンアートを見せに来てくれた友人。
たくさんの優しさに触れて、嬉しくて泣きました。

そして、脱ステからずいぶん経ってからですが、同じくアトピーである友人にもらったことばを今でも度々思い出します。

「俺らは日々ファイターなんだから。」

生活する日々につきまとうアトピー。
すぐそばに、いつもいる痒み。
日々常々、その痒みと戦いながら過ごすファイターなのだ、と。
辛い痒いと愚痴を言い合う同じ境遇の友人…なのではなく、
戦友なのです。

先にも書いたように、大病ではないのかもしれませんが、
それでもやはり「日々ファイター」を合言葉に、
これからを過ごしていけたらいいなと思います。

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