「お前は今日から村の掟に従わなければならない。」
村長は厳しい目で俺を見つめた。俺は昨日、この田舎の村に引っ越してきたばかりだ。親の仕事の都合で、都会から離れたこの場所に来ることになったのだ。

「掟？どんな掟ですか？」
俺は不安になって尋ねた。村長は顔をしかめた。

「それは村の因習だ。お前は毎晩、村の神社に行って、神様にお祈りしなければならない。それが掟だ。」
村長は言った。

「神社に行ってお祈りするだけですか？それなら簡単ですね。」
俺は安心した。神社に行ってお祈りするくらいなら、大したことないと思った。

「そう思うな。神社に行くのは簡単だが、帰ってくるのは難しい。お前は神社に行くときには、一本のろうそくを持っていかなければならない。そして、神社に着いたら、ろうそくを灯して、神様にお祈りする。その後、ろうそくを持って帰ってくるのだ。」
村長は言った。

「それも簡単ですよ。ろうそくを持って帰ってくるだけでしょう。」
俺は言った。

「そう思うな。神社には恐ろしいものが住んでいる。お前はろうそくの明かりだけを頼りに、神社から村まで帰ってくるのだ。途中でろうそくが消えたら、お前は死ぬ。それが掟だ。」
村長は言った。

「えっ？そんなのありえないでしょう。神社に何が住んでいるんですか？」

俺は驚いて叫んだ。村長は笑った。

「それはお前が自分で見てみなさい。今日からお前は掟に従わなければならない。さあ、行きなさい。神社はあそこだ。」
村長は指さした。俺は目を凝らした。遠くに小さな神社が見えた。その神社には何が住んでいるのだろうか。俺は恐怖に震えながら、ろうそくを手に取り、神社に向かって歩き出した。