連日の投稿になったのは、noteにハマったのではなく、自分のストレス解消と1万円の元を少しでもとろうとしたため。

今日は日課の早朝ジムに行ったときのお話。

筋トレが終わってウォーキングしようと思ったら、汗拭きタオルが無い。
車かな？と思って外へ出ると、おじさんに、もう少し若いおじさんが喋りかけてきた。

ヘッドホンを外して話を聞くと、
とある高速道路のサービスエリアに送って欲しいと。
そこは、一般道から徒歩でサービスエリアに入れると聞いたので、そこからまたヒッチハイクしたいと。（確かに入れる）

でもね、そのサービスエリア、片道20kmあるのよ。
「スミマセン私、忘れ物取りに来ただけで、まだ用事が済んでないんです」
とお断りして去ろうとしたんだけど、もうおじさんの目は、福本先生の「カイジ」の、あの不安そうな目。

心の中で「アーッモウッ」と舌打ちしながら、乗せましたよ、見知らぬおじさんを。コロナ禍に。

んで、聞いた話をまとめるとこんな感じ。
・地元（富山県高岡市）へ帰る途中
・仕事はホテルの清掃員でコロナの影響でリストラ
・住んでるところを引き払って関西旅行をしてから富山へ帰ろうとした
・奈良県で酔っ払って、荷物を置引きされる
・携帯、現金、身元証明の一切をなくす
・5日間かけて北陸のここまでたどり着いた
・歩きすぎて、股ずれ、玉ずれが酷くて、まともに歩けない

てな感じ。
そこで、ちと確認したのは、
「警察って金貸してくれるでしょう」
「行政も何とかしてくれるでしょう」
なんだけど、それらの回答は

・警察は3千円まで貸してくれる
・以前は行政区間までの移動費用を当該自治体が貸してくれて、行政リレーをすれば目的地に行けたが、返却されないことが多くて、そのサービスがなくってしまった
・身元を証明する「物」「者」がなければ警察も自治体も何もしてくれない

確かに、気の毒ではある。ここまでと、これから（高岡市まで100km以上）のことも。

私も福島県で酔っ払って、10万円入った財布、岩手までの切符、そこから北陸へ帰るための切符をなくしたことがある。
帰りのJR、私の指定席に座ってる方がいらしたので、丁寧に切符の入手先をお聞きすると、「金券ショップ」。
「そこまでするのか」としばらく落ち込んだ。（もちろん私が悪いのだが）

逆に3千円しか入っていない恥ずかしい財布をとても大きな会社社長に拾われて「忙しくて警察に届ける時間がないから会社に取りに来て、東京出張帰りの3日後に」と直接手渡ししてもらったこともある。3千円の菓子折りを持って。

コロナ禍に関西圏へ旅行していたおじさんと片路20km、車中一緒もリスクが大きい。

もう貸すことにしましたよ。1万円。JRならすぐそこだし。1万円あれば食事や薬も買えるでしょうよ。
私より少し若いおじさんも「大変ありがたい。コロナ禍でヒッチハイクの相手方にも申し訳なく言いづらい」、そりゃそうでしょうよ。

この話、家族や友人には言えませんね。
多分「余計なことするな」「警察にまかせとけ」「返ってこない」とかなんとか言いますよ、私は。
でも幸い、このやり取りは誰も見てない。

私も帰ってくる確率は半分位かな、とも思っている。
「不安症もどき」「顔面神経麻痺治療中」の身とすると、「人助けせず知らない顔するのもストレス」「貸したあとの返却でヤキモキするのもストレス」と、どちらも体に悪い。
もう、出会ってしまったことだ。そこからは最善の対処をすることが重要なのだ。

だったら、差し上げたと思いましょう。今年は、24時間テレビの募金を見かけても現金がなくスルーしたことが少し罪悪感だったし。

だから、相手のことは何も聞かず、私の名前と携帯電話の番号と現金を渡しました。駅前の派出所で紙とペンを借りて。

ここで、警察立会の元、彼の名前、実家住所（あるのかどうか知らないが）、なくなった携帯電話番号、等々ヒアリングしても、返却する意志が無ければ意味がないし、嘘でも無視されても今後のストレスになると思ったから。　

だいたい、奈良から無一文の絶望で始まり、この北陸の地までなんとかたどり着き、更に100km先を目指す漢（オトコ）と、寝ぼけて、鼻くそなんかつけてそうな間抜けな小人（コトナ）では、そもそもが違いすぎた。
同じおじさんでも、圧倒的な実力差で、私は最初からこの漢（オトコ）に狩られることは必至だったのだ。

この漢（オトコ）は「私は吉田といいます」と最後に言い残した。
そこは、「必ずお返しします」だろうが、とも頭を過ぎったが、これもnoteのネタになるか、と。
今年は地球を救えなかったが、少なくとも吉田は救った、と思いたい。

もし「無事帰れました」や「振込先を教えて下さい」の連絡があれば、ハートフルな話になり、家族や友人にもネタの披露ができる。そうなったら儲けもんだ。

漢（オトコ）は股ずれ、玉擦れの影響で、超ガニ股歩きで、超スローリーに私のもとを去っていった。
吉田さんに幸あれ。

ちなみに、タオルは車中でなく家に忘れてた。