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彼女のいない部屋 serre-moi fort

マチュー・アマルリック監督の「彼女のいない部屋」を観た。
今回は"à mon avis "を手書きしてみたよ。
本人に渡せると思ったんだよ。人生そんなに上手くいくわけない!
「彼女のいない部屋」を観るために、台風の前日、風と小雨が吹き荒ぶ中レンタサイクルをかっ飛ばして映画館へ。
開始から5分ほど経って着いた。
…映画好きなのに、馬鹿なの?
分かってる。途中から入るとか失礼極まりないって分かってる。でも1日1回朝イチにしか上映していなくて、台風も来ていて、今回を逃すといつ来れるか分からない状況だった。
皆に石を投げられることを覚悟してチケットとパンフレットを購入して中へそっと入った。
(パンフレットのデザインが美しすぎて買ってしまった。)
暗い。
暗すぎて、指定した席が分からない。
5分ほど立ち見をして、もうこのまま最後まで立ち見でいくかな…という考えも過ぎった。
余談だけど、マチュー・アマルリック主演の「トラララ」を観るために東京へ行った時、立ち見をする羽目になった。でもそれはまた別のお話。
さすがに映画に集中できないので、目が慣れてきたところで適当な席に座った。後から来た人がこの席を指定することがありませんように…って割と強めに願った。
でも座った瞬間からあれよあれよという間に、映画の世界に入り込んでしまった。
舞い落ちる枯れ葉を眺めるように、映画の1シーン1シーンを傍観した。断片的に降り注ぐような映像はいつしか繋がっていく作りになっていたみたいだけど、わたしの中では繋がらなくて、それぞれがそれぞれで永遠だって分かっただけだった。
観終わった後にパンフレットの表紙をもう一度眺めたら、素敵な家族写真で、「あーそうだよな、ここは彼女だけの写真じゃないよな」って納得がいった。
映画館の外に出たら、台風が来てるのに空は晴れ上がっていて、不思議と元気が出た。
ちなみに誰にも石を投げられなかったし、「そこ私の席ですけど…」みたいな事を言われることもなかった!

■原題:Serre-moi fort(わたしを強く抱きしめて)
■邦題:彼女のいない部屋
■監督:Mathieu Amalric
■覚えた言葉:quand on part faire un voyage, ça prend du temps.

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