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ツール導入が目的になっていませんか?

マーケティング施策を実行する際によく起きること。

「ツールを導入したけど、誰も使い倒せず、6か月後に誰も使わなくなり、これって導入する意味あったんだっけ?とか、ただただコストばかり発生してしまっている状況。。」


新しいチャレンジ&新しいものを導入する場合に欠かせないのが、次の手順。

①「マインドセット」・・目的と手段の企業内関係者間での合意形成

②「スキルセット」・・知識をつける&小さな施策からトライし経験を積む

③「ツールセット」・・最良のパートナーやツールベンダーとのお付き合い


なぜなら、

行動経済学的にも、「プロスペクト理論」で説明されている・・・不確実性の高い状況(=新しいチャレンジ&新しいものを導入する状況)で、人はなかなか行動を変えることができず、どうしても直近でやってきたことを維持しようとする。と。

なので、3つのSTEPに分けて、しっかり時間をかける必要がある。


たとえば、

企業のマーケティング活動として、SNS運用を行おうとする場合、大事な手順がある。(決して、運用ツール導入や運用パートナー選定が目的になってしまってはいけない。)

①「マインドセット」・・

STEP 1:その企業のSNSの存在を知ってもらうために“認知=フォロワー=量の拡大”を図るフェーズ。

STEP 2:そのフォロワーがどんな人たちなのかを知るための“可視化=フォロワー把握=質の向上”を図るフェーズ。

STEP 3:フォロワーとのコミュニケーションによる、より企業を知ってもらい&より企業のことを広めてもらう“フォロワー育成・活用”を図るフェーズ

この 3 STEPの手順がある!ということをまずは関係者間で共有しないと、中長期的なSNS運用はうまく行かない。。短期的にもSNS運用はうまく行かないだろう。。

②「スキルセット」・・

STEP 1:戦略立案(運用ルール/KGI・KPI/リスク/目的明確化 の深堀)

STEP 2:運用(投稿/アクティブサポート/コンテンツ/PDCAへ の深堀)

STEP 3:集客・刈り取り(認知/キャンペーン参加/クーポン配布/店舗来店へ の深堀)

STEP 4:効果検証(フォロワー数/いいね数/リツイート数/エンゲージメント率 の深堀)

共有されたマインドを持ったまま、マインドセットSTEP 1~STEP 3それぞれのフェーズで、この 4 STEP × 4項目にこだわって、深堀りしていくと、運用スキルは一気に飛躍する。

③「ツールセット」・・

マインドセットのための手順を理解し、スキルセットのための手順と項目を理解し、それらを実行するための“最良のパートナーとツールベンダー”とお付き合いをすべきである。


もしも、

上記の①②③の手順を企業内でまったく考えず、SNS運用をエージェンシーに丸投げしてしまっていたら、非常に危険である。エージェンシーは、②「スキルセット」領域にこだわって、“作業屋”に徹することだろう。

なぜなら、①「マインドセット」はまったく儲からない領域であると考えているし、③「ツールセット」には気づいてくれるな!触れてくれるな!とすら思っているはずだからである。。。


だから、

「ツール導入が目的になっていませんか?」

この言葉は、①②③の手順の重要性を説明するのに、とても説明しやすい言葉である。ツール導入の前には、ツールを使い倒すためにしなければならないことが山ほどある。マーケティング施策を実行する際には、すごく重要な考え方なので、SNS運用を事例に簡単に書いてみた。


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(SNS運用について、ちょっと補足)

SNS運用領域で起きている変化

「インプレッションバイイングから、インフルエンサーリレーションズへ」

上記の図をみていただいたら分かる通り、「Shared」の力が非常に強くなってきた最近である(この流れには、私も同意。)。つまり、“SNSを活用して、人々がシェアすることで情報が届くようになった一連の流れ”の拡大である。この「Shared」の拡大に対応するためには、不確実性の高い状況(=新しいチャレンジ&新しいものを導入する状況)に取り組む必要がある。

ここで、再度、『②「スキルセット」→ STEP 1:戦略立案』に立ち戻りたい。この“SNS運用領域で起きている変化”をこの戦略立案に入れ込むことができるか?によって、SNS運用の方向性や成果はまったく変わってくる。ここを本当にエージェンシー任せにしてしまってよいのだろうか?(もちろん、パートナーとしてはエージェンシーをどんどん活用すべきである。)

この状況で実施すべきことは、「エージェンシーに任せる」ではなく、このSNS運用領域で起きている変化に合わせるために、再度、「①マインドセット→②スキルセット→③ツールセットを実行する」ことなのだろう。そのための仕切りは、エージェンシーではなく、マーケティング施策を実行する企業自身が行うべきである。