「サピエンス全史」読みました(2)

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「サピエンス全史」は、第1部「認知革命」では、ホモ・サピエンスという種だけが他の種が滅びる中で唯一生き残り、現在の人類へとつながる、という話から、「想像する能力」によって協力を可能にし、集団生活ができるようになったことや、狩猟採取時代の豊さについて書いてありました。

そして第2部「農業革命」では、農耕がもたらした繁栄と悲劇や、「神話」という想像上の秩序による国家の成立、書記体制(楔型文字などの文字や数字)による記録革命、ヒエラルキーと差別(特にカースト制や黒人・アメリカ先住民、女性など)、と続きました。

それぞれとても興味深い話で、「なるほど」と大変勉強になりましたが、第3部「人類の統一」では、経済的な秩序である「貨幣」やグローバル化、そして政治的な秩序である「帝国」について書いてあります。

帝国とは、いくつもの民族を支配し、変更可能な境界と無尽の欲を持つもので、次から次へと異民族や異国を飲み込んで消化していくものです。

帝国主義は、かつて世界の大半を手中に収めたイギリスなどもそうでしたが、現在ではファシズムと並んで最悪なものといわれています。

なぜかというと、帝国は破壊と搾取を原動力とし、そしてどの民族も自決権を持ち、決して他の民族の支配下におかれるべきではないと考えるからです。

しかし中国は、秦の始皇帝の昔から現在も、帝国主義が根底にあります。むしろ「帝国主義は秩序と正義」とみなされています。

だから現在も、チベットもウィグルも香港も台湾も尖閣諸島も、飲み込もうとするのでしょう。第二次世界大戦終結とともに、ヨーロッパの帝国主義の国は終焉を迎えましたが、中国は「遅れてきた帝国主義」ではなく、そもそも帝国主義だった。…この考えを改めてくれる日は来るのでしょうか?

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