素良 -sora-

読んだ本とかテレビ番組の忘備録です。どうぞよろしくおねがいします。

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最近の記事

『中華人民共和国史』(岩波新書).1

色々と不思議な国、中国。 先日もweb広告で、使いやすそうな収納ロッカーをみつけ、それを購入するにはtemuというECアプリをインストールしなければならないというのでインストールしたら、どの品物も異常に安い。一桁違うだろ、というくらい安い。 あわててネットでtemuを検索すると、「中国のヤバいアプリ」「注文しても届かない」「個人情報を盗まれる」等々の注意喚起の文言が。ホントかウソかわからなけど、あわててアプリを削除した。 そんなこともあって、ちょっとでも中国を理解できたら

    • 人国記

      NHKの「100分で名著」で、司馬遼太郎『覇王の家』を、作家の阿部龍之介さんが解説していた。 『覇王の家』とは、徳川家康のことを書いた小説だが、その中で阿部さんは、「司馬さんは三河人の家康のキャラクターを描く部分で、『人国記』を引用しているんですね」と言っていた。 そんなおもしろそうな本があったのか! と思い、早速検索。 『人国記』とは、室町時代から江戸時代の初め頃に書かれたという作家不明の書物で、各地の人々のお国柄(人々の性格・気質)をまとめたもの。 一応、鎌倉幕府5

      • 映画『パラサイト』を観て

        年末に地上波で放送していた映画『パラサイト』、録画していたのを観ました。 凄い衝撃を受けました。 そもそも原題は『寄生虫』なんだとか。身も蓋もないえげつないタイトルです。 韓国社会を風刺するブラックコメディといえると思いますが、その背景に潜む現実は、実に絶望的。様々な要素が端的に込められていて、一瞬の無駄もない、秀逸な映画だと思いました。 まず冒頭に紹介されるのは、半地下の劣悪な環境で生活する4人家族。全員無職。父は台湾カステラの事業に失敗、母は元ハンマー投げのオリンピ

        • 伽藍配置(飛鳥寺・法隆寺・薬師寺・東大寺など)

          日本最古の寺は、飛鳥大仏で有名な明日香村の飛鳥寺です。創建は7世紀前半で、蘇我馬子が建てた蘇我氏の氏寺でした。 次に建てられたのは、大阪市の四天王寺です。 南門・中門・塔・金堂・講堂が一直線に並んでおり、これを四天王寺式伽藍配置といいます。飛鳥寺も、四天王寺式になります。 7世紀末に建てられた法隆寺は、南門から中門にはいると、左に塔、右に金銅があり、これを法隆寺式伽藍配置といいます。 法隆寺の近くにある法輪寺や発起寺も同じく、中門にはいると左に塔、右に金銅があります。

        『中華人民共和国史』(岩波新書).1

          ウクライナ危機についてのメモ2022.2.22〜3.8

          Twitterより、色々勉強になります。  2022.2.22 今のウクライナ・ロシア危機は2008年のジョージア・ロシア危機に極似していることに誰もが気づいていると思いますが、露大統領による承認法令の本文までコピペーされているみたいです。一致する文章に青下線、異なる部分に黄色下線を施したら、地名や日付以外は殆ど一緒です。 2022.2.23 一番大事なところ ❌ウクライナ東部は歴史的にロシア寄り⭕1932-3年にスターリンが東部で人為的大飢饉(ホロドモール)を起こし60

          ウクライナ危機についてのメモ2022.2.22〜3.8

          イスラム教について(2)

          イスラム教の創始者は預言者のムハンマドですが、ムハンマドは幼い頃に両親を亡くした孤児で、祖父や叔父に育てられたそうです。子供の頃から苦労を重ね、文字も読めなかったとも言われているそうですが、なのでイスラム教は弱者に優しい宗教だと言われています。 年に一度の強制的な喜捨(寄付)や、随時寄付を奨励しているのも、恵まれない人への慈しみの表れなのだとか。年に一度、約1ヶ月行われる断食(日の出から日の入りまで食べてはいけない、夜はok、病人などはしなくてもいい)も、貧しさで食べられな

          イスラム教について(2)

          イスラム教について(1)

          イスラム教について、まったく知らなかったんですが、色々と調べてみました。 まず、ユダヤ教やキリスト教ととても近い宗教なんだな、ということ。ユダヤ教やキリスト教の預言者、例えばモーゼやイエスもイスラム教の預言者の一人なんだそうです。 イスラム教の預言者といえばムハンマドですが、西暦でいうと700年頃の人物で、日本でいうと聖徳太子と同じ頃です。このムハンマドが最新最後の完璧な預言者で、なのでイスラム教がユダヤ教やキリスト教より完璧な宗教、ということになるそうです。 確かに、

          イスラム教について(1)

          「東京2020パラリンピック開会式」の、スタッフ・出演者一覧

          東京2020パラリンピック開会式が素晴らしかったので、どんなアーティストやクリエイターの方々が参加していたのだろう? と思い、自分なりに調べてみました。 2時間32分辺りから、「片翼の小さな飛行機」のクライマックス、布袋寅泰さんのパフォーマンスです。↓ https://sports.nhk.or.jp/paralympic/highlights/content/1f86d407-9a6a-49d0-a1be-b3f8cf9df03a/ パラリンピック開会式のコンセプトは

          「東京2020パラリンピック開会式」の、スタッフ・出演者一覧

          東京闇市興亡史 東京焼け跡ヤミ市を記録する会 猪野健治編(1973年)

          実は私の父は昭和7(1932)年生まれで、昭和20(1945)年の敗戦の時は13歳だったのですが、戦後の混乱期に父親とヤミ市で働いていた、という話を聞いたことがあります。 父の父親、つまり私の祖父は大学を出て日本光学(ニコン)に勤めており、戦争中は会社からほど近い品川区の戸越の社宅に住んでいました。父がいうには戦艦のレンズを作っていたそうなのですが、祖父が残した文章には、大正時代の終わり頃に満州の奉天にあったニコンの工場、満州光学の工場長をしたこともあったとありました。

          東京闇市興亡史 東京焼け跡ヤミ市を記録する会 猪野健治編(1973年)

          サピエンス全史を読んで(3)

          宗教は、貨幣や帝国と同じように、人類を統一する要素のひとつ。「宗教とは、超人間的な秩序の信奉に基づく、人間の規範と価値観の制度。」 多神教と一神教、そして二神教「アミニズムと多神教、そして一神教。多神教は寛容性があり、異端者や異教徒を迫害したりしない。一方キリスト教のカトリックとプロテスタントの争いは大虐殺を行う。やがてゾロアスター(ツァラトゥストラ)教という二元論の宗教が生まれ、キリスト教にも”天使と悪魔”という二元論が生まれるた。」 中世ヨーロッパでは「魔女狩り」とい

          サピエンス全史を読んで(3)

          「サピエンス全史」読みました(2)

          「サピエンス全史」は、第1部「認知革命」では、ホモ・サピエンスという種だけが他の種が滅びる中で唯一生き残り、現在の人類へとつながる、という話から、「想像する能力」によって協力を可能にし、集団生活ができるようになったことや、狩猟採取時代の豊さについて書いてありました。 そして第2部「農業革命」では、農耕がもたらした繁栄と悲劇や、「神話」という想像上の秩序による国家の成立、書記体制(楔型文字などの文字や数字)による記録革命、ヒエラルキーと差別(特にカースト制や黒人・アメリカ

          「サピエンス全史」読みました(2)

          「サピエンス全史」を読みました。(1)

          前から話題になっていた本ですが、やっと読みました。 これ、知っているのと知らないのとでは、随分違うと思いました。知っている人は得をするし、知らないと損をします。今の日本を良い方向にもっていくためにも、多くの日本人に読んで欲しいな、と思いました。 まず、135億年前にビッグバンによって物質・エネルギー・時間・空間が誕生した。これら、宇宙の根本を成すこれらの要素の物語を「物理学」という。 30万年前に物質とエネルギーが融合しはじめ、原子ができて分子ができた相互作用を「化学」

          「サピエンス全史」を読みました。(1)

          BS世界のドキュメンタリー「見えざる病原体」(Nnseen enemy・アメリカ /ドイツ2017年)の感想

          とても衝撃的な番組でした。エボラ出血熱の患者や、ジカ熱の影響を受けた赤ちゃん、SARSの感染源となった食用の猿、今回の新型コロナウイルスが発生したとされる中国の食肉加工市場の実態などが映像で現れ、この番組が発した注意喚起に、なぜもっと真剣に取り組まなかったのか、と思います。その役目をはたすのがWHO(世界保険機構)だったと思うのですが、機能していなかったといわざるを得ないのではないかと思います。 実は4〜5年前から疫学者の間では、近いうちに世界的パンデミックが起きることが予

          BS世界のドキュメンタリー「見えざる病原体」(Nnseen enemy・アメリカ /ドイツ2017年)の感想

          仏教について 「改善か 信仰か~激動チベット3年の記録~」の感想(その2)

          唐から日本に仏教が伝来したのは、飛鳥時代の西暦750年頃だといわれています。 当時、聖徳太子が残した文書の中にも「唐の皇帝は仏教による政治を行なっていて素晴らしい」というような内容のことが書かれてあるそうです。(NHK「英雄たちの選択」より) 中国が大帝国として最も繁栄したのは唐の時代だと思いますが、その唐の時代では仏教による政治が行われていました。 しかし現在の中国は、宗教を否定しています。宗教の自由は認めているそうですが、中国共産党員になるには、無宗教でなければなら

          仏教について 「改善か 信仰か~激動チベット3年の記録~」の感想(その2)

          「改善か 信仰か~激動チベット3年の記録~」の感想(その1)

          チベットの方々の顔をみていると、日本人とよく似ているな、と思うし、チベット仏教についての話を聞いていると、日本でもお馴染みの言葉や教えが随所にあって、とても親しみを感じました。 なのでチベットの方々が大切にしている宗教を中国が否定し、弾圧している光景は、とても心が痛みました。 貧困から脱却させ、豊かさを提供しているといいますが、これは高慢な考えだと思います。 私は特定の宗教を信じていませんが、神社にお参りし、お盆にはお墓参りに行き、寺で法要や法事を行い、お彼岸には法要を

          「改善か 信仰か~激動チベット3年の記録~」の感想(その1)

          海外ドキュメンタリー BS1スペシャル「改善か 信仰か~激動チベット3年の記録~(後編)」を観て

          まずは後編の要約です。 ***** 2017年4月、再びチベットを訪れると、高速道路が建設中だった。チベットの「改善」が急速に行われていたのだった。「改善」から半年が経過したラルンガル・ゴンパ(五明佛学院)はどうなっているのだろうか。 大地の至る所に、共産党のスローガンが書かれてある。「党の恩に感謝 祖国を愛し 豊かな社会へ」「各民族は一緒に呼吸し 運命を共に 心を一つに」 ラルンガルの正門にはいると検問所が作られていた。入口には警察が常駐し、人の出入りを監視していた

          海外ドキュメンタリー BS1スペシャル「改善か 信仰か~激動チベット3年の記録~(後編)」を観て