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室田尚子のレビュー/Opera編Vol.3(2022)

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2022年に舞台で鑑賞したオペラのレビューです。
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記事一覧

オペラを「聴く」ということ〜【Opera】東京交響楽団『サロメ』(演奏会形式)

 東京交響楽団が音楽監督のジョナサン・ノットとリヒャルト・シュトラウスのオペラを演奏する…

室田尚子
1年前
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歌、そして言葉の力〜落語とオペラの融合『蝶々夫人』

 ヨーロッパを中心に世界9カ国で『蝶々夫人』を歌ってきたソプラノの百々あずさがプロデュー…

室田尚子
1年前
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今年一番の傑作か〜【Opera】新国立劇場『ジュリオ・チェーザレ』

 2020年に上演される予定だったがコロナ禍のために直前で中止に追い込まれたロラン・ペリー演…

室田尚子
1年前
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世界を救うのはだれ?〜【Opera】東京文化会館オペラBOX『子供と魔法』

 オペラ『子供と魔法』は、元々はパリ・オペラ座の監督ジャック・ルーシェが童話バレエの企画…

室田尚子
1年前
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ドビュッシーが目指した「オペラ」との齟齬〜【Opera】新国立劇場『ペレアスとメリザ…

 西洋音楽史に革新的な1ページを記したドビュッシーのオペラ『ペレアスとメリザンド』。日本…

室田尚子
1年前
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脂の乗った歌手たちの競演〜【Opera】樋口達哉のオペラ『道化師』

 日本を代表するテノール歌手・樋口達哉がプロデュースするオペラ『道化師』。2019年にプレ・…

室田尚子
1年前
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美の求道者がつくり上げた世界〜【Opera】新国立劇場『オルフェオとエウリディーチェ』

 グルックはいわゆる「オペラ改革」を行った作曲家として音楽史にその名を残す。バロック時代を通して、オペラ・セリア(正歌劇。古典的な題材をもとしたシリアスな内容を持ったオペラ)は歌手の声の技巧を重視するあまり、派手な装飾が多用された長大なダ・カーポ・アリアによって、「劇」の緊張がおざなりにされてきた。グルックはそれに異を唱えた。彼は「音楽は詩、すなわちドラマと人物の心の表現に奉仕するべき」という考えのもと、ダ・カーポ・アリアをやめ、ドラマと関係のない技巧的な装飾を廃した。グルッ

声の饗宴を堪能〜【Opera】ベルカントオペラ・フェスティバル・ジャパン『ジュリエッ…

 「ベルカントオペラフェスティバル・イン・ジャパン(BOF)」は2019年に藤原歌劇団とイタリ…

室田尚子
2年前
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名手たちでモーツァルトの真髄を味わう〜【Opera】モーツァルト・シンガーズ・ジャパ…

 2018年のモーツァルトの誕生日にバリトンの宮本益光を中心に設立されたモーツァルト・シンガ…

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室田尚子
2年前
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50年、ひとつの到達点〜【Opera】オペラシアターこんにゃく座『あん』

 日本語による自然な発声をベースにした独自のオペラを作り続けてきたオペラシアターこんにゃ…

室田尚子
2年前
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人は「愛」から自由になれない〜【Opera】東京芸術劇場コンサート・オペラvol.8 『人…

 東京芸術劇場のコンサート・オペラシリーズは、いつも鋭い選曲と実力派の演奏家を揃えている…

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室田尚子
2年前
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