室田尚子

音楽ライター。NHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」パーソナリティ。 オペラ、コンサートなどのレビューを中心に掲載していきます。

【Concert】「樋口達哉のオペラ」第1弾 オペラ「道化師」プレ・コンサート

テノールの樋口達哉さんプロデュースの「樋口達哉のオペラ」。来年10月に行われるオペラ『道化師』に向けてのプレ・コンサートが晴海の第一生命ホールで開催された。今回は、第1部が出演者によるガラ・コンサート、そして第2部が『道化師』ハイライトという贅沢な構成。メンバーは樋口さんの他、ソプラノ佐藤美枝子さん、バリトン豊嶋祐壹さん、成田博之さん、テノール高田正人さん。

第1部はまず出演者全員による「乾杯の

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【Opera】新国立劇場『ウェルテル』

2016年の初演時に感じたのは、これは「ドイツの物語」なのだということ。第1幕で背景いっぱいに広がる緑の森が印象深かった。今回、同じプロダクションを再び観て、その印象はますます強くなった。オペラとしては、「内面的なフランス・オペラ」もしくは「流麗なドイツ・オペラ」という趣で、今回は特に藤村実穂子さんはじめ主要キャストにドイツもの巧者が配されていたので余計にそう感じられたのかもしれない。それは、「ゲ

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【Opera】東京春祭 for Kids 子どものためのワーグナー『さまよえるオランダ人』

小学生の息子と息子の友だちを連れて、東京・春・音楽祭の子どものためのワーグナー『さまよえるオランダ人』を観に行った。場所は劇場ではない。大手町の三井住友銀行東館1階につくられた、特設の舞台。客席は小劇場の階段のようなものが設置されていて、そこにぎゅうぎゅう詰めて座る。1時間という(オペラにしては)短い時間だったが、「ちょっとお尻が痛くなっちゃった」と子どもらは言っていた(親は腰にきた)。

 舞台

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【Concert】山田和樹アンセム・プロジェクトRoad to 2020

「山田和樹アンセム・プロジェクトRoad to 2020」は、指揮者・山田和樹が音楽監督兼理事長を務める東京混声合唱団(以下、東混)と正指揮者を務める日本フィルハーモニー交響楽団(以下、日本フィル)と共に、2017年にスタートさせた壮大なプロジェクトである。200を超える世界の国と地域の国歌や愛唱歌を録音・演奏するというもので、2017年11月には2枚組のCDをリリース。2018年2月には東京オペ

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【Opera】日本オペラ協会『静と義経』

日本オペラ協会が創立60周年記念公演として、なかにし礼作・台本、三木稔作曲のオペラ《静と義経》を上演。この作品は、1993年に鎌倉芸術館の開館記念委嘱作品として作られ、なかにし礼の演出で初演されたもので、実に26年ぶりの再演となった。

 源義経と静御前の悲劇的な最後を描いた物語は、歌舞伎や文楽などに親しんでいる人であれば「おなじみ」なのだろうが、ごくフツウの若い人たちにとっては「ヨシツネ…教科書

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【Opra】オペラ宅配便シリーズ17 ぎゅぎゅっとオペラDigitalyrica『こうもり』

横須賀芸術文化財団が主催・制作しているオペラ宅配便シリーズ。「ぎゅぎゅっとオペラDigitalyrica」は、名作オペラのハイライトをエレクトーンの伴奏で上演する、まさにオペラの美味しいところを「ぎゅぎゅっと」体験できる企画である。企画・演出はカウンターテナーの彌勒忠史。今回は初のオペレッタであるヨハン・シュトラウスの『こうもり』が上演された。

 上演時間は20分の休憩を入れてトータルで1時間半

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