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紫陽花とカタツムリ

子どもの頃はよく走り回っていた。幅が微妙に違う石段や、傾斜15度の坂道をピョンピョンどれだけ早く走れるか。昨日の自分をいかに超えるか、みたいな。

今では、グルグルグルグルグルコサミンをいくら飲んでも膝の関節がもたない自信があるけれど。


雨上がり、例のごとく走り回っていたらパリッパリッと足元から音がする。ふと見て「 ギャー! 」悲鳴をあげてしまう。

地面には無残にも打ち砕かれたカタツムリの残骸があちこちに転がっていた。ごめん、ごめんよ。

災難を逃れた大小のカタツムリは、道向こうの茂みの中にゆっくり向かっていく。

茂みの先は紫陽花の楽園だ。青に紫、赤紫の花が風にそよぐ。花びらに雨の滴がキラキラひかる。

ようやくたどり着いたんだね。葉っぱに佇むカタツムリは紫陽花によく似合う。


夏の日は道の上で干からびたミミズをよく見た。ジリジリ太陽が照りつけるアスファルトを甘く見たのか。自分なら道の向こうに行けると思ったのか?

無謀なんだよ、そう思っていたけれど、いやもしかして、見てないだけで成功したミミズはいたのかもしれない。


夢見る場所にたどり着くまでには様々な困難があって、みんなが渡り切れるかわからない。踏まれたカタツムリや、干からびたミミズを哀れだと思うもの。

でも、やってみただけ凄いかもって思うんだ。あんな小さな生き物さえ自分の楽園を探しに命がけでチャレンジしている事実。


もう、子どもの頃のようにピョンピョン走り回る事はできないけれど、カタツムリの歩みで良いから紫陽花を探しに行こう。


今日も手探りでnoteを書いている。書きたい気持ちが枯れるまでチャレンジしていこう。



昨日の自分をいかに超えるか、みたいな。












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