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冬の景色。

本の箱の中にこんなカードがまぎれていました。
ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバートが随分前のクリスマスに発売していた小さなカードです。
今年は雪がほとんど降らない関東ですが、冬の美しい景色ですね。

原画は1923年とはあるのですが、画家不明。

ニジンスキーの最初の画集(出資者はココ・シャネル)をコクトーと共に出したGeorges Lapape (1887-1971) ともAndré Édouard Marty (1882-1974) ともタッチが似ているように見えますが、別の人かもしれません。
どう思われますか?

原画掲載の雑誌あるいは原画をお持ちの方だともしかしたら断ち切った部分に記載があるのかもしれないなと思ったり。
ご存知の方がいらしたら是非お教え下さいませ!

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いかにも1920年代らしい、アール・デコ調のすっきりとした線と色彩。
そしてマフ(大好きなアイテムですが、不思議とポピュラーになりませんね)で手を温める女性の背景には抱き合うカップル。
手前の犬にも別の動物にも見える生き物はちょっとローランサンの描く動物を思い出させます。

さらに言えば、同時代の日本の画家、小林かいちや竹久夢二のイメージも重なってきますね。

現在に比べたら情報伝達には障害があった時代にも関わらず、意外といっていいほどつながりのある芸術界だといつも思います。それはパリが中心!であった時代だからとも言えますが、日本人が今よりもパリだけではなく、世界の芸術を知りたいという想いがあったことも背景にありそうです。

一般紙にバレエ・スエドワの初日のニュースが載っていた時代ですから。
今ではちょっと考えられない事で、世界は近くなったのか遠くなったのか、このCOVID19の分断された世界で思いを巡らせてしまいますね。


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