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[WS TIPS for PRO ] A. 施工範囲の線引き: どこまでをプロが行ない、どこまでをDIYワークショップで行うのか。


(*今回は少しプロ向けの内容です)
以前の記事 、[WS TIPS for PRO ] DIYワークショップでの施工範囲と、プロの施工範囲の線引きでは、プロとDIYの線引きの必要性について書いた。


DIYワークショップを、実際に住宅や店舗がリノベーションされる工事現場を舞台に開催する際には、プロとDIYの間に「線引き」をすることが大切です。
A. 施工範囲の線引き
どこまでをプロが行ない、どこまでをDIYワークショップで行うのか。
B. スペースと時間の線引き
DIYワークショップを、現場のどこで、いつ行うのか。

本記事では、A. 施工範囲の線引き について詳しく書いていこうと思う。

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例えば、住宅のリノベーションをするとして、一部をDIYで施工してみたい場合。
どこからはDIYやワークショップで施工することができて、どこまでをプロの職人による施工とするべきか。これは、多くの人が悩むポイントだと思う。

例えば、住宅の「床」をつくる工程にフォーカスを当てて、そのポイントを見ていこう。床貼りの大雑把な流れは、以下の通りだ。

1. 基礎の穴掘り

2. 床下地(大、根太、合板)

3. フローリング床貼り

4. 仕上げの塗装など

この工程の、どの部分をDIYワークショップで行うことができるか?

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「DIYのスキルや興味、かけられる時間などによって、柔軟に決めることができる」がその答えだ。この部分をDIYワークショップで行なってはならない、という決まりはない。

実際につみき設計施工社のワークショップでは、3. フローリング床貼りから始めることが多いが、1. 基礎の穴掘りからワークショップを行うこともあるし、2.床下地(大、根太、合板)からワークショップで行うこともある。

共通して言えるのは、早い工程(床で言えば、基礎や床下地)の方が、高度な技術を要するということだ。例えば、1. 基礎をやるには、建物の水平垂直を把握して正確な位置を決める必要があるし、2、床下地をやるには床の水平を都度確認する必要があるなど。プロ向けの工具を要する繊細な作業も多く、人数もかけにくいという点で、大人数でのグループワークには向かない、とも言える。

床はりの、どこからはDIYやワークショップで施工することができて、どこまでをプロの職人による施工とするべきか?

この結論としては、

3. フローリング床貼りからが始めやすい。少人数かつ適切な技術指導があれば、1.基礎からでも2.下地からでもワークショップで行うことはできる。

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以上、床はりを一例に、プロとDIYワークショップの施工範囲の線引きのポイントについて述べた。ここでも線引きと同じくらい大切だと伝えたいことは、線引きについて事前に話し合いを行うことだ。

線引きを行うには、まずは、工程を正確に把握するところから始める。(作業を工程に分解する方法については、「DIY作業にかかる時間を事前に予測するためのポイント」でも触れているので、参考に。)

工程を自ら把握することが難しければ、工程をしっかり把握している人と相談すること。例えばそれは、設計者や現場監督、職人かもしれない。かけられる時間などを考慮して、双方に無理がない範囲で、DIYワークショップでの施工の範囲を決めよう。

施工範囲の線引きが決まったら、関係者全員としっかりと共有する。共有する方法は、口頭だけでなく、設計図に色分けして書き込んだり、工程表にその旨を明記すると良い。

しっかりと事前の線引きを行い共有することで、DIYワークショップが、関わる全ての人にとって、有意義なものになることを願っている。

(おわり)

**この記事は、SNSでのシェア歓迎です。必要な人に届けることができたら幸甚です。無断転載はお断りします。

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