河野直 | つみき設計施工社

つみき設計施工社代表。参加型リノベーション・DIYワークショップを2010年から行なっ…

河野直 | つみき設計施工社

つみき設計施工社代表。参加型リノベーション・DIYワークショップを2010年から行なっています。現場実践から得られたノウハウをここに公開します。著書に「ともにつくるDIYワークショップ」等。

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2023年にやること(1月31日抱負)

もう1月末ですが、あけましておめでとうございます。本年も、昨年に引き続き、3つのお仕事に励んでいきたいと思います。つみき設計施工社、東京大学研究員、The Red Dot Shoolです。今年の一番大きな動きは、建築の学校を立ち上げること。1年の終わりにまた振り返ることができる様に、学校の立ち上げ含め、今年やることをまとめておきたいと思います。 つみき設計施工社 2010年7月に創業してから丸12年が経ちました。「ともにつくる」を合言葉に始めた参加型リノベーションを、変わ

    • Vol.3 第二DIYブーム期(2011→2016)を深掘りする

      前記事「Vol.2 第一DIYブーム期(1996→2001)を深掘りする」では、バブル崩壊後に消費行動が変革する中で、主に男性の間で盛り上がった【1996年→2001年】第一期ブームについて考えました。当記事では、東日本大震災後に起こった【2011年→2016年】第二DIYブームに着目し、考察を深めていきたいと思います。前半で統計データを見て、後半で社会背景を考察します。 第二期DIYブームを統計データから眺める まずは、おなじみのグラフ「男女別・日曜大工の行動者率の変化

      • Vol.2 第一期DIYブーム(1996→2001)を深掘りする

        前記事「Vol.1 DIYはいつだれに流行したのか?社会生活基本調査データから読み解く」では、DIYを行う男性が段々と減り、DIYを行う女性が緩やかに増加した直近35年の変遷の中で、【1996年→2001年】第一期DIYブームと【2011年→2016年】第二期DIYブームの2つの時期においては、男女すべての世代で行動率が上昇したことを明らかにしました。本記事では、【1996年→2001年】第一期DIYブームの統計データを前半で深掘りして、後半でその背景にある社会的動向を考察し

        • Vol.1 DIYはいつ誰に流行ったのか?社会基本調査データから読み解く。

          自己紹介 こんにちは。つみき設計施工社の河野直です。普段はつみき設計施工社で参加型リノベーションやDIYワークショップをやったり、最近は東京大学研究員としてレクチャーや研究の仕事をしています。詳しい自己紹介はこちらをご覧ください。 なぜ調べようと思ったか DIYはホントに流行った?と疑問を持ち始めたことが、この調査を始めたきっかけです。DIYワークショップのことについて講演などでお話することがあります。その中で「つみき設計施工社を始めた2010年ころはDIYが浸透して

        2023年にやること(1月31日抱負)

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        • ともにつくるを巡る 論考
          0本
        • ともにつくる、世界へ
          0本
        • DIYワークショップのつくりかた
          10本

        記事

          河野直 プロフィール

          はじめに こんにちは。河野直と申します。つみき設計施工社という変わった建築の会社と、The Red Dot Schoolという変わった建築デザインの学校をやっています。2つの組織での活動は、こちらのリンクからご覧ください。 ▷ つみき設計施工社 活動ポートフォリオ(2MB) 住む人と作る人が「ともにつくる」参加型リノベーションを専門とする工務店です。2010年7月の創業から400回以上のDIYワークショップを実践。下記ポートフォリオで、つみきの立ち上げ期から現在までの活動

          河野直 プロフィール

          建築現場で起こる問題のドリルダウン

          建築現場で起こる問題のドリルダウンをしてみました。備忘録としてこちらに残しておきます。ドリルダウンとは、表面的に起こる問題の原因を追求して行くと、優先的に取り組むべき問題根幹を捉えることができるというワークです。 現場で起こりやすい問題 -concrete problemをAからDの4つで設定して、14の原因 - route causeを定義しました。それらを4つのカテゴリーに分けたものが、下のダイアグラムです。 小さな取り組みで、大きなインパクトが期待されるのが、Lac

          建築現場で起こる問題のドリルダウン

          3チームビルディング-DIYワークショップを海外でプロデュースする

          「ともにつくる、世界へ」 - 2019年12月3-6日の4日間、韓国・群山(ソウルより車で3hの地方都市)にてワークショップは開催された。日本でひたすら積み上げてきた「ともにつくる」という「空間のつくり方」を世界へ持ち込む。日本を飛び立つ前は、未知への期待感と不安の両方があった。熱量と未来へ繋がる手応えを感じた、韓国群山での4日間を記録する。 前回の記事では韓国初のDIYワークショップ(DIT FESTA)が開催されるまでの発端について書いた。 『2.コトの発端-DIY

          3チームビルディング-DIYワークショップを海外でプロデュースする

          2.コトの発端-DIYワークショップを海外でプロデュースする

          「ともにつくる、世界へ」 - 2019年12月3-6日の4日間、韓国・群山(ソウルより車で3hの地方都市)にてワークショップは開催された。日本でひたすら積み上げてきた「ともにつくる」という「空間のつくり方」を世界へ持ち込む。日本を飛び立つ前は、未知への期待感と不安の両方があった。熱量と未来へ繋がる手応えを感じた、韓国群山での4日間を記録する。 振り返ると自分自身でも不思議に思うほど、偶然に偶然が重なった結果、韓国初のDIYワークショップ;DIT FESTAという場は生まれ

          2.コトの発端-DIYワークショップを海外でプロデュースする

          1はじめに-DIYワークショップを海外でプロデュースする

          ともにつくる、世界へ 2019年12月、つみき設計施工社としては初となる海外でのワークショッププロデュースを行った。この10年間、国内各地計400回のワークショップで積み重ねたノウハウを、海外にインストールする初めての試みだった。 韓国国内で初となるワークショップ 韓国で初となるDIYワークショップ(イベント名:DIT FESTA)のプロデュースを行った。国立の建築都市研究所auriの主催で、つみき設計施工社はプログラムデザインと現地での指揮を行った。 私たちの役割は

          1はじめに-DIYワークショップを海外でプロデュースする

          屋根上で作業を行う際の最低限の注意点

          台風15号により被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます 。強風により多くの家屋の屋根が損傷を受け、ブルーシートなどによる早急な応急処置を必要としています。屋根の上での作業は大きな危険を伴うため、専門家による作業が望ましいものの、住人やボランティアなどの一般の方が応急処置作業を行うケースが多く見られます。プロの瓦職人へのヒアリングに基づき、屋根で作業を行う上での注意点を以下に挙げています。特に一般の方が作業を行う場合は、以下のことを十分に注意し安全の確保を行ってください。

          屋根上で作業を行う際の最低限の注意点

          [WS TIPS for PRO ] A. 施工範囲の線引き: どこまでをプロが行ない、どこまでをDIYワークショップで行うのか。

          (*今回は少しプロ向けの内容です) 以前の記事 、[WS TIPS for PRO ] DIYワークショップでの施工範囲と、プロの施工範囲の線引きでは、プロとDIYの線引きの必要性について書いた。 DIYワークショップを、実際に住宅や店舗がリノベーションされる工事現場を舞台に開催する際には、プロとDIYの間に「線引き」をすることが大切です。 A. 施工範囲の線引き どこまでをプロが行ない、どこまでをDIYワークショップで行うのか。 B. スペースと時間の線引き DIYワー

          [WS TIPS for PRO ] A. 施工範囲の線引き: どこまでをプロが行ない、どこまでをDIYワークショップで行うのか。

          [WS TIPS for PRO ] B. スペースと時間の線引き:DIYワークショップとプロ現場は混在できるのか?

          以前の記事 、[WS TIPS for PRO ] DIYワークショップでの施工範囲と、プロの施工範囲の線引きでは、プロとDIYの線引きの必要性について書いた。 DIYワークショップを、実際に住宅や店舗がリノベーションされる工事現場を舞台に開催する際には、プロとDIYの間に「線引き」をすることが大切です。 A. 施工範囲の線引き どこまでをプロが行ない、どこまでをDIYワークショップで行うのか。 B. スペースと時間の線引き DIYワークショップを、現場のどこで、いつ行う

          [WS TIPS for PRO ] B. スペースと時間の線引き:DIYワークショップとプロ現場は混在できるのか?

          [WS TIPS for PRO]DIY作業にかかる時間を事前に予測するためのポイント

          ワークショップを計画する上で、スケジュールを立てるのは、最も悩ましいタスクの一つだ。というのも、どのくらいの時間のDIY作業で、どのくらい作業が進むのか、予測が立てづらい。ましてや、参加者の人数も経験値も、始まるギリギリまでわからないことの方が多い。 難しい理由を挙げればきりがないが、主催者としてスケジュールを立てる必要はある。 経験上、スケジュールを事前に考え尽くした実感がある時ほど、ワークショップは充実したものになる。本記事では、DIYワークショップのスケジュールを立

          [WS TIPS for PRO]DIY作業にかかる時間を事前に予測するためのポイント

          [WS TIPS for PRO ] DIYワークショップでの施工範囲と、プロの施工範囲の線引き

          *今回は少しプロ向きの内容です* DIYワークショップとは、今までプロにだけに閉じられてきた現場を、学びの場として一般に開くことです。同時にそれは、今までプロだけが手がけてきた領域に、DIYという新たな要素、そして人が入り込んでくることでもあります。 DIYワークショップを、実際に住宅や店舗がリノベーションされる工事現場を舞台に開催する際には、プロとDIYの間に「線引き」をすることが大切です。 A. 施工範囲の線引き どこまでをプロが行ない、どこまでをDIYワーク

          [WS TIPS for PRO ] DIYワークショップでの施工範囲と、プロの施工範囲の線引き

          [WS TIPS]DIYワークショップに参加したキッカケって?

          「今日参加したキッカケは何ですか?」 これまでのワークショップのほとんどで、この質問を投げかけてきた。 週末の大切な時間を使って、どんな人が、どんな思いを持ってきてくれたのか、参加者ひとりひとりの具体的な参加動機を、ワークショップのはじめに、知ることができるからだ。 これまでの9年間、私たちが作ってきたワークショップに参加してきてくださった方の人数は、数千人に上ることになる。これまでお聞きすることができたワークショップへの参加動機は、大きく分けて、3つの要素があったと思う

          [WS TIPS]DIYワークショップに参加したキッカケって?

          [WS TIPS] ワークショップの安全と効率を産むために。道具の安全講習について。

          DIYワークショップの中で、必ず道具の安全講習を行う。時間が限られていても、道具を使ったことがある参加者が大半でも、必ず行う様にしている。それには、二つの理由がある。 一つ目の理由は、DIYワークショップの参加動機にある。ワークショップのはじめに参加のきっかけを質問すると、参加者の多くが「技術の習得」を挙げる。参加者に、正しい技術を伝え、持ち帰ってもらうことが、「ワークショップに求められていること」でもある。 二つ目の理由は、主催者側にある。正しい技術の習得が、参加者の怪

          [WS TIPS] ワークショップの安全と効率を産むために。道具の安全講習について。