その夢をタップしてあなたに会いたい 長い夢から醒めて あなたがこぼれていますように その花をタップしてあなたに添えたい 産まれたあの夏を慈しむように ひまわりが咲いてあなたの傘になる ちいさな苺があなたの色に染まる あの星にタップしてあなたに会いたい この夢が幕を閉じて あなたがこぼれていますように 思い出は 一滴ずつ 優しく #詩
それは 八月の坂道だった あの引っ掻き傷は かさぶたになって 弱い心をえぐってゆく きらいな色を好きになった それでも雨は苦手だった うまくいかない日 慣れない空気 それでもあなたを頼りに 生きてこれた 哀しいくらいまっ青な 空の下 遠い日の歌が 聴こえてくる 眩しい真昼の線路沿い 陽だまりのなかの水たまり 癒えない傷 戻らない心 また明日になれば 綺麗な空が広がっているのに 込み上げるように 哀しみにかわってしまう あの夏のピアノが 今年もまた鳴り響いている #詩