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🇳🇱オランダ現地校での先生日記🏫

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現地小学校で講師として英語の授業に従事させてもらっている中で感じていることをまとめています。
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記事一覧

保護者の一存で決める習い事の裏側で子どもが本当に感じていること

こんにちは!前に、娘のクラスの友だちが保護者の一存で一緒に通っていたダンスを辞めることになった時、娘が私に発した言葉について記事を書きました。 他にも、ママ友から「子どもの意見を尊重する」というエピソードを教えてもらった話。 今回は、別の子どもに起きたエピソードです。 継承言語の教室に通う子の話その子は保護者の片方がスペイン語を話す家庭に育ち、楽しそうにスペイン語教室に通っていました。「今後、レッスンでピニャータ(メキシコのお祝い)をやるんだ!」とか「レッスンでは友だち

ユーモアがあって溶け込んでいける

こんにちは!先日、Voicyで私が勝手に考察するオランダ人の性質についてお話ししました。 これは決して、"全てのオランダ人"を総括するものではありません。これは、私がオランダで暮らし、学校の先生や、保護者、一緒に働くフードバンクのスタッフとのやり取りや、観察の中で見えてきたものです。 きっと君は関西人〜 by.嘉門達夫↑ ご存知ない方は"1:00"からご覧ください。 私の勝手な考察として、オランダの人々は関西人に見えます。その理由として、 ・思ったことは口から出ちゃう

「小学校はコミュニケーションを学ぶところ」

こんにちは!先日、オランダにある日本人学校に勤務されている先生方と一緒に食事をする機会があり、ホームパーティーに招待していただきました。その時に、オランダで移民として生きる、いわゆる「2世」の方とお話しをしました。 彼の名前は"Thais(仮名)"、オランダで生まれ、オランダの現地校に通い、今では人工甘味料の研究者として企業に勤めています。彼自身はいわゆる"移民二世"で、保護者はトルコ出身です。そんな彼の生い立ちに耳を傾けながら、彼がオランダの教育を受けてきて感じることなど

留年した生徒を迎え入れた教室で

こんにちは!先日「オランダには留年や飛び級制度があって良いですね」というコメントをいただきました。私自身、子どものペースに合わせた学びの制度があること自体に異論はありません。ただ、そのコメントをいただいた後に、自分が勤務する学校でいわゆる留年した生徒が発生しました。 その生徒の表情の暗いこと。 前のクラスにいた時の様子を知っている私としては、心が痛みました。もちろん、新しいクラスになってからまだそこまで日数も経っていないからこそそう見えるのかもしれないのですが、目の前の生

オランダで子どもを留年させる?

こんにちは!雪もちらほらと降り始めたこの頃。気温がとても低い日も目立つようになってきました。とはいっても、マイナス10度なんかにはならず、寒くてもマイナス3度くらいです。 アメリカでアイオワに留学していた私ですが、冬場はマイナス25度なんてこともありました。笑 ジムの帰りに髪の毛が凍ったことを思えば、オランダの寒さは…まぁまだ耐えられる寒さです…(と思おうとして生きているw) オランダへの移住の相談の中でオランダへ子連れで移住したいという考えをお持ちのご家族からの連絡が絶

色んな家庭の事情を乗せて、教室は回る

こんにちは!あともう少しで2023年も終わりを迎えます。11月や12月はオランダにとってお祭り続きの月です。11月からはシンタクラースのお迎えに賑わい、12月にクリスマスパーティーが行われる学校も少なくありません。 私が勤務している小学校は他の公立の小学校と少し異なり、国際的なカリキュラムを採用していることもあって、他の小学校と同様に、そして時に一般的な学校よりも国際色が豊かです。 シンタクラースを祝わない子どもたちオランダにはシンタクラースと呼ばれるオランダとベルギー版

一問一答で逃げられないオランダ語レッスン

こんにちは!毎日暗がりが続くこの頃ですが、実は先月からオランダ語レッスンに通っています。オランダの市民化テストに合格するためと、単純にオランダ語レベルを上げていきたいな〜という思いから、週に1日、午前中3時間使ってレッスンを受けています。 国際色豊かなレッスンメンバーこれまでもオランダ語のグループレッスンを受けたことはあったのですが、私の場合、毎回レッスンメンバーは国際色豊かです。もちろんオランダ語を流暢に話せるオランダ人はいませんが(笑)、イギリスやペルー、トルコやフラン

「やられてもやり返さない」を子どもに伝えること

こんにちは!どんどん寒くなる12月…朝目覚めても外は真っ暗な季節がやってきました。今日は子どもたちの間に起きる「もめ事」について。「やられたらやり返す」は果たして"学び"なのか?ということについて書いてみたいと思います。 「やられたらやり返す」は正義なのか?学校で教育に携わっていると、いろんなことが起きます。「⚪︎⚪︎が先にやってきた」だの「私はそんなつもりでやってない」だの、本当にたくさんのもめ事が起こります。 個人的には「もめごと」は悪いものではなく、異なる誰かと生き

もめ事が起きた時「どっちが悪い」にこだわってしまうこと

こんにちは!毎日どんよりと暗い日が続いています…先日、現地校での授業の日、私が単独で行う授業が終わった後、別の学年の授業サポートとして入っていた時のことです。 "He is crawling."(彼はハイハイをしています)という例文に基づいて、生徒たちがその真似をした時、一部の生徒2名の間でいざこざが起きて、1人の生徒が大声で泣き出しました。 その時に「ちょっとそとに連れてって対処してあげて〜」と言われ、教室の外へ連れ出したのですが、その時の自分の指導のあり方に関して反省

「休みの日に仕事の連絡してこんといて」と同僚

こんにちは!毎日雨続きの日…この2週間雨が降らなかった日なんてなかったのでは?!というくらい雨が続いています。この時期の気候にはいつまで経っても慣れない私…あぁ、長い時間、太陽が見たい。 さて先日、長期休暇をとっていた同僚の事務員のJanne(仮名)から教職員全員に一斉送信メールが届きました。その内容は「長期休暇を取ってる時に連絡してこないで」というものでした。笑 「オランダらしい文化だぜ〜」と思いながら、彼女の意見にも強く頷いた私。今日はそれについて書きたいと思います。

オランダ語が話せなくても英語を教えるMarianの資質と、彼女の人間性の中に見えるもの

こんにちは!土曜日から秋休みに入り、ちょっとここらで一休み…のオランダです。他の外国諸国と同様、オランダの新学期は9月に始まります。むしろ、日本のように新学期始まりが4月の国はとても稀です。この資料がどこまで参考になるかはわかりませんが、2021年のデータとしてこんなものを見つけました。 …ということで、この秋休みは日本で言うところの「ゴールデンウィーク」のようなものです。オランダでは祝日が少なく、初等教育の場合、ほとんどがまとまった休み(9日以上)として設定されていること

低学年は休校、高学年は授業の「研修デー」

こんにちは!昨日は私の勤務日でしたが、授業は1つもありませんでした。というのも、昨日は「自習日(以下"studiedag")」だったからです。 学校裁量で最大7日まで好きに設定できるオランダの初等教育では、学校が最大7日までランダムに「学校研修日」を設定することができます。この日は児童生徒は学校が休みになり、教職員が研修を受けたり、集まって大事な会議を「児童生徒がいない状態で」行える日です。教職員にとってはとても大切な日で、慌ただしく過ぎる日々の中で「私たちは今どんな問題に

いじめを"傍観者"で終わらせないためのアクティビティ

こんにちは! 昨日、ショッキングなニュースが流れてきました。個人的にはあまりニュースを自分から閲覧することは控えています。が、今回は自分が現地校で行った内容ともオーバーラップしていたので、立ち止まって読むに至りました。 不登校29万人、いじめ68万件、ともに最多 文科省調査の全容判明朝日新聞の無料記事の部分によると、 と報道されています。いじめの数がすごい。しかも、重大事態(重大の定義が気になるところですが)は923件…これはものすごい数です。 「いじめ防止週間」でちょ

興奮している状態の子どもの話は聞かない

こんにちは!少しずつ秋らしい季節がやってきました。朝起きて、ベランダに出ると白い息が出る日もあります…あぁ、暗黒の季節がやってくる。苦笑 そんなマインドではこの国でハッピーに生きていけない!とわかっていながらも、長く薄暗い冬を楽しみにすることはまだできません。 先生として、新学期が始まって約2週間が経ちました今年度は4歳、5歳、6歳(小1)のクラスで英語の授業をすることになってから約2週間が経ちました。昨年度の後半は全学年を教えていたこともあって、子どもたちとは顔馴染みで