知覧の桜の木の下で神様と同じ夢を見る。
かつて、「日本男子は桜、女子は大和撫子」と呼ばれた時代があった。桜はあの頃、戦争に駆り出された若者の象徴だった。(花の命は短く、一斉に咲き一斉に散り、後に残らない、それが美しいとされた。)
桜が満開のこの時期に、私は知覧を訪れた。
知覧には昔陸軍特攻基地があった。特攻とは爆弾を積んだ飛行機もろとも敵の空母に突っ込んで体当たりする特別攻撃のことで、太平洋戦争末期に陸軍や海軍の作戦として行われたものだ。これはアメリカに押されていた日本が少ない戦力で敵を阻止するための最後の抵抗