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知覧の桜の木の下で神様と同じ夢を見る。

かつて、「日本男子は桜、女子は大和撫子」と呼ばれた時代があった。桜はあの頃、戦争に駆り出された若者の象徴だった。(花の命は短く、一斉に咲き一斉に散り、後に残らない、それが美しいとされた。) 桜が満開のこの時期に、私は知覧を訪れた。 知覧には昔陸軍特攻基地があった。特攻とは爆弾を積んだ飛行機もろとも敵の空母に突っ込んで体当たりする特別攻撃のことで、太平洋戦争末期に陸軍や海軍の作戦として行われたものだ。これはアメリカに押されていた日本が少ない戦力で敵を阻止するための最後の抵抗

    • 【映画感想文】 本当に哀れなのは誰か?自由で過激で爽快で意味わからん映画 『哀れなるものたち』

      衝撃的な作品を観てしまった。。 美術、カメラワーク、衣装、音楽、、とにかく映像が独特で、まるで美術館にいるような不思議な映画なんだけど、内容も意味わからんくて最高だったからちょっとまとめてみる。 (※個人的な解釈です。) あらすじ(ネタバレがっつり)自ら命を絶った美しき女性ベラ。天才外科医ゴッドは実験として彼女のお腹に宿る胎児の脳を移植し、彼女を蘇生させてしまう。 こうして、 見た目は成人女性、頭脳は赤ちゃん、その名もベラ・バクスター爆誕! これまでの人格、経験、記

      • アニメから見る世界と私の縮図

        アニメからは現在の世界の縮図と自分の立ち位置を客観的に学ぶことができる。 ここに、私がアニメから感じていることをちょっとまとめてみようと思う。 ※以下、とんでもなくネタバレのオンパレードです。 絶対的悪を倒す系世界に絶対的な悪が存在し、それによって誰かが苦しんでいて、それを主人公(ヒーロー)が助け出す。悪に染まった世界を良い方向へ導くために敵を倒す。 子供向けアニメやアメコミ、Disney映画などもこっちの類かな。私が大好きなアニメで代表的なのはONE PIECEだ。

        • 自立、時々、女

          「1杯奢らせて!」 女3人で飲んでいた19時半、大宮。 隣の席のおじさんたちに絡まれた。 「大丈夫です」 と私。 「いいんですか!ありがとうございまーーす!」 と満面の笑顔の友達たち。 普段はパートナーとのお出かけも基本割り勘で、奢られることが嫌いな私。とにかく他人に頼らず、自立していたい。若い女だからという理由で舐められたくもないし、甘やかされたくもないのが正直な気持ちだ。が、「奢りたい」と若い女を狙って寄ってくるおじさんたちと、そんな若い女ホイホイにまんまと引っか

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        記事

          パヤオの才能とAIの限界

          つい最近ChatGPTとか言って、人間と同じような文章力をAIが返すようになったと思えば、今ではGenerativeAIによって文章以外にも音楽、画像、動画、翻訳、、様々なものを一瞬でAIが創り出すような時代になった。 私たちは「クリエイティビティ」に対する向き合い方を1から考え直さないといけなくなり、各産業レベルでも大きな変革が起こるだろう。 ただ、私は最近ジブリにどっぷり浸り、美術館に行ったり映画鑑賞をしたりインタビュー記事を読み漁ったりする中で、パヤオの想像力に圧倒

          パヤオの才能とAIの限界

          死にたくないけど人生は辞めたい。

          いや、悩みがあるわけではない。 人生でいじめられたことはないし、 障害もなく健康体だし、 家族は仲が良かったし、 お洒落な一軒家に住んでいたし、 私立大学の学費出してもらえたし、 英語も話せるし、 スポーツも人並みにこなせるし、 整形したいと悩んだことはないし、 メンタルが折れるほどの挫折を経験したことがないし、 好きな仕事をしているし、 生活が困窮しているわけではないし、 フルリモートワークだし、 残業もないし、 パートナーもいて同棲しているし、 、、、 恵まれた人生。

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          【映画考察】春樹の小説を読んでいるかのような映画 『ドライブ・マイ・カー』

          村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録されている、 ドライブ・マイ・カー シェエラザード 木野 の3つの短編小説が原作となった「ドライブ・マイ・カー」。 せっかく小説も読んだから、その上で私が映画から個人的に感じたことをまとめてみようと思う。※ネタバレがっつり注意。 テーマ映画を観る上で、私が個人的に注目した大きなテーマは3つ。 1. 演技か、本当の自分か、 主人公の家福に隠れて、彼の妻(オト)は他の複数の男性と関係を持っている。 注目したいのは、家

          【映画考察】春樹の小説を読んでいるかのような映画 『ドライブ・マイ・カー』

          本当の意味で持続可能に生きたい

          私の母は売り物に対して「作れる」が口癖だ。実際、裁縫やDIYが得意なのである程度のものなら軽々しく作ってしまう。(父は電球すら変えられないポンコツだが。。) 母(に限らず祖母もだが)は小さい頃から私にお洋服やカバン、雑巾、ナフキン、巾着、髪飾りなどいろんなものを手作りしてくれていて、最近もパソコンケースやブックカバーなんかを作ってくれた。(いらなくなったデニムやハギレなどのアップサイクルだったりするから更に驚き。) 実家の大量にある本を収納する棚もテーブルクロスも灰皿もク

          本当の意味で持続可能に生きたい

          差別主義者がいない世界なのに

          この社会で「私は差別主義者だ」なんて言う人はいない。 いるのは、「あなたは差別主義者だ」と言う人だけだ。 意見を言うことすら差別になる 最近、女優の橋本愛がトランスジェンダー女性が公共施設を利用することに関してストーリーに一意見を書いたところ炎上し、結局謝罪した。 これに関して擁護の意見は多かったが、それでも「間違ってる」「差別だ」「ヘイトに加担してる」といったコメントもたくさん見られた。 また、スポーツ界ではトランス女性が「女性」として大会に出場し、身体は男性である

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          「置かれた場所で咲け」という呪い

          植木鉢に植えられた花があるとして、 土も痩せて、空気も悪くて、水も栄養も少ない場所で、咲かずに枯れた時、その花自体を責める人はどのくらいいるだろうか。 大抵の人は「環境が悪いから咲かなかったんだ」と言うだろう。 じゃあ、人間は? 「努力はきっと報われる」という甘い教育 現実と向き合うことも時には大事だ。 もし今取り組んでいることに向上心がないのなら、とっとと諦めて新しい道を進むべきだろう。「戦略的撤退!!」ってやつ。 例えば、一度入った部活を途中で辞めて他の部活に

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          「ルールなので。」しか言えないの?

          遊園地から追い出されたこの前の日曜に埼玉の遊園地に行ったの、 プールもあるから水着も持ってって、すごく楽しみにしてたんだけど。 更衣室から出てまだ10歩も歩いたかな?って距離で 「すみません、タトゥー見えたんですけど」 って男性のスタッフから声をかけられて。 (私の足に10センチくらいのタトゥーがある) うわあ、忘れてた隠すの、、、って思いながら 「ごめんなさい、絆創膏とかで隠してきます」 ってテンションだったの最初。 そしたら、 「いや、もう見ちゃったんで、出てって頂

          「ルールなので。」しか言えないの?

          一人ひとりの人生を尊重するリモートワークという選択肢

          リモートワークという選択肢は、 通勤する手間が省かれて楽、という単純な理由だけではなく、 「全ての人の人生を尊重するために」促進するべきだと思う。 会社に属する社員はみんな、一人ひとり違った人生がある。 そしてそれが、「仕事があるから」という理由で自分の人生を諦めるような社会であってはならない。多くの人にとって仕事は人生を豊かにするための手段の一つであり、人生を捧げるべきものであってはならない。 私の人生を少し紹介しよう。 私は昨年2021年4月に新卒でエンジニア入社

          一人ひとりの人生を尊重するリモートワークという選択肢

          【映画考察】なぜ人は悪に染まるのか?美しく繊細な悪のカリスマ『JOKER』

          ・白人差別 ・障害者 ・経済格差 ・母子家庭 映画『JOKER』は、様々な社会問題が詰め込まれた現実的で暗い社会の話。 私は、そんなJOKERを今の日本人にぜひ観てほしい。 1. 社会の最下層 アメリカは長い間社会の構造的差別を行い、事実上の「白人優位社会」を作ってきた。 黒人、ラティーノなどの人種差別 LGBTQ+差別 女性差別 しかし、 アーサーを取り巻く「人種」に注目してこの映画を見てみると、ある規則性に気がつく。 まず、 黒人たちはアーサー(白人男性

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          同性婚を認めるとは、

          同性婚を認めるとは、 「結婚の目的は 永遠の愛 だ」と言い切ることである。 結婚の目的に対する意見は大きく2つに分かれる。 「永遠の愛」か、「生殖」か。 「好きだから、結婚したい」のか、 「この人との子供が欲しいから、結婚したい」のか。 結婚の目的を「永遠の愛」 と考える人は、同性婚を法律で認めることにも賛成する。 ・愛に生物学的な性別は関係ない。 ・異性間だけ認めることは差別であり、法の下の平等に反してる。 「同性婚を認める」 既存の婚姻法で認められる対象を異

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          日本の「性」のタブー

          性的な関係は夫婦間のみ公式に認められている。 学生の妊娠は「早すぎ」だと、 付き合っていないなら「セフレ」だと、 付き合ってるなら「避妊しろ」と、 結婚前の妊娠は「デキ婚」だと、 結婚後の他の人との性関係は「不倫」だと。 日本では、 夫婦間以外の性的関係はマイナスな要素として扱われがち、 性的な関係は夫婦間のみ公式に認められているから。 そして結婚後は一変して「子供を作りなさい」と。 逆に性行為なしの夫婦間は「マリッジブルー」だと。 もっと言うと、 こうした関係は「

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          愛する母へ、産んでくれてありがとう

          母は私に、 「若い頃は私もなおみたいだった」 とよく言います。 きっと私と同じ22歳の、社会に出たばかりの頃には大きな夢があったのだろう。若い頃からアクティブで、天才肌で、センスがあって、冒険心が強くて、芯が真っ直ぐで、根性があって、よく笑って、優しくて、美しくて、強くて、、きっと私よりもすごい才能があったんだろう。 家庭の事情でやりたいことを「やりたい」とすらも言えなかったのかもしれないし、社会の幸せレール(結婚)に乗っただけかもしれないし、結婚して兄や私を産んで母親に

          愛する母へ、産んでくれてありがとう