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動画の倍速視聴は当たり前?「体験」よりも「情報」が重視される時代


少し古いですが、クロス・マーケティングさんより、若年層の動画視聴態度に関する面白い調査データが発表されていました。

20代の約半数以上が倍速視聴の経験があり、ドラマや映画でも倍速視聴をするとのこと。こういった視聴習慣が出てきた要因としては、有料無料問わず動画配信サービスが乱立してきたこと、各キャリアが大容量プランを低価格で提供しはじめことなどが考えられます。

動画を体験するのではなく、Google検索で必要な情報だけを抜き取るように視聴しないと、高速で流れていく流行にはついていけない時代になりました。

最近Twitterでは、こんな記事も話題になっていました。

※以下、文中より抜粋

画面に写っている美しい自然や人の営みそのものを「ただ堪能する」のも、映像作品の醍醐味だ。ディズニーランドでは、乗り物に乗っていなくても、パーク内にただいるだけで楽しい。あるいは絵画鑑賞のように、撮影された対象物の美しい配置・構図・色合いをじっくり眺め、それらがどんなテーマの比喩になっているかに思考をめぐらせる。しかし、10秒飛ばしや倍速視聴では、それらを汲み取りきれない。アトラクションからアトラクションの移動時に目隠しをされては、夢の国を堪能したとは言えない。自転車で美術館内を回るのは、芸術鑑賞ではない。


「ただ堪能する」ということは、時間に余裕がなければできないこと。コンテンツの流行り廃りが10年前と比較すると圧倒的に早くなった現代では、何でもかんでも「ただ堪能する」わけにはいかないです。

今更「梨泰院クラス」を大真面目に最初から最後まで観ていたら、まさに今話題になっている流行には追いつけないですよね。ユーザーは常にコンテンツの取捨選択を迫られているのです。

一昔前であれば、テレビで月9を観ていればとりあえず友人の会話についていけたものの、今はプラットフォームだけでもYouTubeやNetflix、Huluなどいくつも存在し、それぞれが保有するコンテンツ数は無数にあります。

そこで、今各プラットフォームがしのぎを削っているのが、「レコメンド機能」です。

とにかく時間がないユーザーのために、時間の無駄をいかに減らすか、そして無駄を減らしていかに視聴満足度を上げるか。それらがそのプラットフォームに定着するしないと判断基準になり、何よりもこの定着率こそがプラットフォーマーの収益に直結する数値として非常に重要だからです。

実際にYouTubeでは7割以上のユーザーがレコメンド機能で動画を視聴しているという調査もあります。


「倍速視聴の習慣化」と「レコメンド機能の充実」によって、カテゴリがはっきりとしていればいるほど流行しやすくなっているように感じます。


「この動画は〇〇というジャンルで、〇〇という情報(or感情)が得られますよ!」と分かりやすいもののほうが、動画の取捨選択にかける時間が短いユーザーにとってもフレンドリーであるし、レコメンドエンジンにとっても機械学習させやすくおすすめしやすい動画になるからだと思います。

こういったを考えると、映画のような長尺で集中して見せることを前提とした映画コンテンツにとってはますますマーケティングが難しい時代になってきたように感じます。





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コチラものぞいてみてください。


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