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2021.2.26 シュ、、なんとかの雨傘

シェルブールの雨傘。
何度思い返しても、覚えられていない。

今日は曇り。雨でも降りそうだと思いこちらを観たけど、降らなかった。

誰もが知っている音楽が流れるミュージカル映画。初めて観たけど意外なお話。ハッピーエンドだと信じていたので、途中の地味だけれども間違いなく悲劇的な展開には唖然とした。

トム・クルーズ主演の「7月4日に生まれて」や、こちらは知っている人が少ないだろうけれど南京事件を扱った小説「城壁」に登場する、内地の女性と文通する兵士のエピソードなどが思い出された。

戦地へ行った者と、そうでない者とのギャップ。その苦しみを背負わされたのは兵士自信であり、娼婦であり、その妻だったのだと心が痛い。映画では美しく軽やかに描かれてはいるが、実際にはもっと醜い人間の歴史だ。

それが明るい壁紙と歌声でビビッドに可愛く描き切られていて、観続けられる作品になっている。

だれ一人として悪者がいないのも面白い。

私は幼馴染のマドレーヌが好き。彼女が居なければ、物語は悲劇だった。戦争というイベントに翻弄されて人生を他人に委ねたヒロイン(多分当時たくさんいた女性の一人なのだろう)とは違い、彼女は本当に一途に人を愛し、義理を重んじ、そして相手が一番辛い時に本当に当人にとって必要な寄り添い方をした。

親子愛も丁寧に描かれている。愛の映画であることは間違いなし。想像以上に文学的で、おもしろかった。

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