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女性学散策日記【5.choose大学フェミニズム講義全4回を聴取】

Apple podcastで「フェミニズム」で検索するとなかなか多くの番組がヒットする。その中で、通勤途中になんとなく聴き始めた「choose大学」の全4回で開講されたフェミニズムに関する講義が勉強になったのでこちらの女性学散策日記にも少し感想を残しておきたい。

講義のタイトルは以下。
政治とは何か?
 3月 フェミニズムと政治 菊地夏野(社会学者)
第1講「フェミニズムと政治」
第2講「ネオリベラリズムとフェミニズム」」
第3講「セクシャアリティの政治」
第4講「99%のためのフェミニズム」

改めてタイトルを見返してみるとどんな話であったか思い出せない回もあるので聴きなおしたい。。

作業しながら歩きながらと何かをしながら社会学者の先生の講義を受けることができるという贅沢。フェミニズムとは何かというところからフェミニスト自身に対しての批判など幅広く基礎知識に触れることができて大変ありがたかった。放送大学を観るのが好きだが、そんな感じ......?

内容全てを覚えられているわけではないのだが、歴史的な背景を一から聞くことができたのはおもしろかった。学生時代にジェンダー学の授業は取っていたけど後ろの席の方の学生がうるさくてあまり集中できなかったなぁ。。

特に重要だと思え、私にとって新しい視点でかつ現代フェミニズムにとっても重要な論点になっているのだろうと思われることがあった。
第2講、第4講で主に語られていたと思われる、ネオリベラリズム(新自由主義)とフェミニズムの関係についてだ。

男女間の賃金格差が小さくなっていると言われている昨今だがどうやらこの数字には非正規雇用のデータが含まれていないらしい。

思い返せば就職活動の時。「一般職」「総合職」という分かれ道があった。その時は、まだ見ぬ企業社会の常識に対して疑問なんて滅相もないと、ただ自分の将来を決める能力の欠如と覚悟の無さに呆れ悩むばかりであったが、冷静になって考えてみると入社の時点で出世コースとそうでないコースを選ばせるって、やっぱりなかなかの酷なのではないだろうか。(一般職を選ぶ就活生の多くが女性であることは言うまでもない)

この講義の中では「男女共同参画社会基本法」への批判が紹介されていた。これは名前は確かにダサい気はするけど、あくまで男女平等に向けて作られたものだと真剣にその意義を考えたことはなかった。この「男女共同参画」には男女差別を禁じるものが無いことなど、言われてみれば本気でジェンダー平等実現しようと思った人がつける名前じゃないよな「男女共同参画社会」って、、「性差別禁止法案」じゃだめだったのかなな、、などと思ったりした。

「99%のためのフェミニズム宣言」という本が紹介され、そこに書かれている内容が批判も併せて紹介されていた。99%とはウォール街占拠のスローガンから来ている。つまり、フェミニストが戦うべき本当の相手は資本主義ですよねという考え方だ。

現在、女が男女平等の座を得るためにはこれまでも資本主義で揉まれ苦しんできた男たちと同じように仕事をして、そこに加えて家事も出産も育児も負担しなくてはならない(その私的な負担を白人社会においてはさらに薄給の有色人種女性に任せていることが指摘されている)。そして、家庭を選んだ女性はこの自由な選択が可能な時代にそれを”自ら”選んだのだから、女性としての役割はを演じるのは当然で、外で稼いでいない人間に男と同じような自由はない。そんな暗黙の常識がはびこる帳尻合わせの女性活躍が、まるでゴールのように語られているのがジェンダー平等の現状で、それを明らかにしない限りは、この世で一体誰がいちばん虐げられているのか、という不毛な議論は止まないとこの講義を理解した。

今は「魔女」についても改めていろいろ調べていて、女性とは何か、魔女とは誰のことを指すのか、、、と頭を悩ませてしまうが、そもそも私はみんなで幸せになりたいということを忘れてはいけない。何者かに復讐したいという気持ちに翻弄されてはいけないと、そんなことも意識している。

でもそれは悲しくて苦しくてやっとの思いで叫んでいる人の気持ちを踏みにじるものであってもいけないし、社会で起こる様々な事例に対して、なかなか、答えは明らかではなさそう。

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