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女性学散策日記【3.根のないフェミニズム出版記念ブックトークへ参加した】

「根のないフェミニズム」とは韓国のif booksという出版社から発売された本。韓国でオンラインの掲示板からスタートしたメガリアという匿名のフェミニスト集団の軌跡をドキュメンタリーとして記録した内容だそう。

10/1(金)はこの本の出版記念イベントが日本のアジュマブックスという書店によって開催された。私は韓国のフェミニズムについては、「82年生まれ、キム・ジヨン」という作品が話題になったことくらいしか知らなかったが、先日、西荻窪の本屋さん「旅の本屋のまど」でたまたま手に取って購入した「韓国フェミニズムと私たち」という本を読んで興味を膨らませていたところだった。

現在の韓国フェミニズムのうねりには特に2000年代からのいくつかのきっかけや主要な動きがあるようで、中でもメガリアの果たした役割はとても大きいらしい。韓国最大のアダルト投稿サイト「ソラネット」(現在は閉鎖された)をやっつけるため、ミラーリングという、投稿された女性への差別、誹謗中傷ワードをそのまま男性に対しての言葉に変換させて自分たちのサイトに投稿していくという手法で女性の苦しみを訴えた。

メガリアは、韓国国内で発生した様々なフェミニズム運動のハブの役割を果たしていたようだ。

メガリアをネットで検索すると、投稿サイトには目を覆いたくなるような男性への誹謗中傷もあったという情報もある。誹謗中傷に対して誹謗中傷で返すことに疑問を投げかけられることもあるのではないかと、トークでもそれに近い質問を通して触れられていた。

でも私は、そこでどんなおぞましい言葉が投げられていたとしても、彼女たちの戦いにはまず敬意を払いたいと思った。

よく、何かに対して苦しみ、悔しくて、勇気を出して声を上げた人、感情を剥き出しに怒りを表明した人に対して「伝え方が悪い」「大袈裟」「うるさい」と言った言葉が投げかけられることがある。私は常々、この現象には大きな問題があると思っている。

声を上げる人にはその理由があることをまず知らなくてはいけない、話はそれから。声が大きいことだけで無視をしていい理由には、本当はならないということはどこかでわかっていないといけないと思う。

メガリアのミラーリングというやり方は、「おい、私たちの話を聞け!」とたしかに世の中にハッキリと示した。

登壇された一人、「根のないフェミニズム」の著者の一人は「自分の怒りを信じ、最終的に自分で考え、自分で決める」ことを大切にフェミニストとしての行動を起こしていると言われていた。

登壇されていた別の方、漫画家の大島史子さんは自身の漫画で「男をおそれるな」という意味のことを言われていた。私はこう思うけど、こう思わない人はこう思うだろうからそこへ通じるように、、という考え方が自然と身についた私には、なかなか効いた言葉だった。

最近、興味を持ちはじめた韓国フェミニズムの第一人者の方々がリアルタイムに話されているのを早速オンラインで聞くことができてわくわくした。

Twitterでみて、すごく気になって観たNetflixオリジナル「ハリウッドを斬る!」も女性学視点があったのでまた感想を書きたい。

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