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女性学探索日記 【2.エトセトラWe❤︎田嶋陽子特集】

フェミニズム、という言葉への受け止め方が大きく変わったきっかけとなったと思われる本は、この「エトセトラWe❤︎田嶋陽子特集」という雑誌。

それまでも、戦争中に起きた女性への性暴力や女性が自分の思うように生きることが今より困難だった歴史などには関心があって本を読んだり講演を聞いたり、映画やドラマを観たりもしてきたが、フェミニズムという言葉には結びついておらず、当てはめる言葉のない私個人の考え方として中に浮いていた。

この雑誌を知ったのは多分Twitterかもしれないが、もしかしたら田嶋陽子さんを調べていて見つけたのかも。

田嶋陽子さんといえば、TV「そこまで言って委員会」や「TVタックル」に登場していた日本で一番有名なフェミニスト。私が子供の頃はいつも家族でTVタックルを観ていたので、強く印象に残っている。

その頃の彼女に対するイメージは、1「はじめに」で書いたように自分たちの権利を主張するばかりでやかましい存在、というもの。ただ、大学生の時にTSUTAYAで借りた「そこまで言って委員会」で田嶋陽子さんと三宅久之さんの討論を観ていて泣けてしまったことがあり(どんな議論だったか忘れた)、その頃からなんとなく田嶋陽子さんのファンになった。

いま改めて振り返った時に、テレビ画面の中で女ひとりおじさんたちに笑われながら、彼女は一体なにを言おうとしていたのか知りたいと思うようになっていた。そこで出会ったのがこの特集だった。

私にとってはまだあまり馴染みのなかった、様々な現代のフェミニストの方が田嶋陽子さんの本を読んだ感想を書いたり、対談したり、田嶋陽子さんを囲んでお喋りしたりしている。全体的にとても素敵な雰囲気の雑誌。

本書の中で印象的なのは、田嶋陽子さんの人生。

貧しかった戦後の記憶や、幼少期を過ごした家庭での疑問が原動力となっていること、自由な大恋愛を重ねてきたことなど、フェミニズムが田嶋陽子さんの個人的な人生そのものと深く結びついているのだとはじめて知った。

この本からは具体的な知識や、ちょっと目を丸くするような、生き方で自分の考えを実行する女性たちの力強い思いも学んだ。その中でもいちばんの感想は、フェミニズムは新鮮で、新しくて、楽しげになることができるのだなというもの。

共感だけでなく、見方を変えられたり、驚かされたり考えさせたりするフェミニズムの言葉は、居心地のよいものだけではなく常に問いかけられるものがある気がする。そんな刺激に興味を持てた特集だった。

10/1(金)はアジュマブックス主催「根のないフェミニズム」出版記念イベントをオンライン視聴予定。

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