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玉置浩二 Concert Tour 2023 故郷BAND~田園~ 旭川公演感想【後編】

(約12,500字、読了まで約30分)

ご覧いただきありがとうございます。適応障害治したいマンです。
前編に続き後編です。下書きはずっと前にしていたのですが、色々と体調の乱高下もあったりで年が明けてしまいました。WOWOWの千秋楽公演を見て仕上げたくなったので今更ながら書きます。

前編はこちら


公演直前

16時から物販だったので、40分前から並びました。
体調がよくなく、20分くらい並んでいたら辛くなってきました。
しかし日付と場所が印字された会場限定のキーホルダーがどうしても欲しかったので、耐え抜きました。

途中高齢の方に、「壁に寄りかかりたいので場所変わってもらえますか」と言われ承諾したり、落とし物を拾ったり、、余裕がないのになぜ他の人のことばかり意識を向けてしまうのか、とちょっと落ち込んだりしました。

物販でお目当てのキーホルダーを無事ゲットできたときはホッとしました。その他はライブTシャツとタオル、そして安全地帯のガチャガチャ(販売スタッフがランダムで5つ選ぶ)を買いました。

そうとうキツかったので椅子にもたれかかり、1時間くらいは目を瞑っていたと思います。
少し余裕が出てきてからガチャガチャを開封しました。
すると中身にビックリ!
「安全地帯Ⅳ」「安全地帯Ⅵ 月に濡れたふたり」「安全地帯Ⅵ LIVE 月に濡れたふたり」「安全地帯Ⅷ 太陽」「安全地帯40th BEST」が出ました。
64種類あるのですごくうれしかったです。前編に書きましたが、「安全地帯Ⅶ 夢の都」と「安全地帯 Ⅷ 太陽」の曲をやってほしかったので、なんだかちょっと予言のように思えました。欲を言えば「安全地帯Ⅶ 夢の都」も出てほしかったですが、それは欲張りというものですね。ランダムですが、丁寧に選んでくださった販売スタッフの方、本当にありがとうございます。

ちなみに、「安全地帯Ⅵ 月に濡れたふたり」と「安全地帯Ⅵ LIVE 月に濡れたふたり」には私が安全地帯で一番好きな曲である「I Love Youからはじめよう」が収録されているので、その意味でオリジナルアルバムと、そのライブ版が当たったのも幸運でした。この曲は昔からアンコールの定番なので、もしかしてアンコールでやってくれるかもしれない。。なんて思ったりしてました。
でも玉置さんはアンコールをやらない印象で、「メロディー」を歌ったらそれがラスト、という流儀みたいなのを感じていたので、淡い期待でした。

旭川の物販会場で手に入れたジャケットキーホルダー等。まさかこの後予感の通りになるなんて。。

いよいよ開場直前、というところで人の流れがすごいことになってきて、また体調が相当辛くなりました。しかしここまできたから絶対大丈夫、コンサートから元気をもらえるから!と言い聞かせて、ちょっと落ち着いたタイミングで入場しました。
座席は前から4列目だったので、ステージが目の前です。「え、こんなに近くていいんですか?」と思いました。この辺から期待が不安を上回るようになってくれました。

セトリ

「CAFE JAPAN」
「Honeybee」
「ルーキー」
「愛を鳴らせ」
「置き手紙」
「次男坊」
「黄昏はまだ遠く」
~休憩(約20分)~
ベースソロ
「△の月」
「君だけを」
「サーチライト」
「正義の味方」
「JUNK LAND」
「田園」
「メロディー」
以下、アンコール
「あなたがどこかで」
「I Love Youからはじめよう」
「夏の終わりのハーモニー」

プレイリストは、サブスクの収録曲の関係で「君だけを」が抜けています。

1曲ずつのレポート、感想など

※ここではややこしいので収録シングル・アルバム名に『』を付けています。

「CAFE JAPAN」(1996年『CAFE JAPAN』)
ステージに玉置さんが登場した瞬間「うわ、近っ!!!」と思いました。ちょっと気を失うかと思いました。もともと体調がどうかしてたので笑えません。今の彼は特にそうですが、なんかこう、オーラが人間離れしています。
「ヘイへーイ、グッタイム♪あさーひかわーで~♪」
あぁ、これが聴きたかったんです。本当に彼の故郷に、旭川にいるんだなぁとなって、お客さん総立ちで皆さん楽しそうな雰囲気の中さっそく泣いてしまいました。諦めないで来てよかったと思いました。
それと同時に前編記事で書いた、事前の予想が的中した感じが嬉しかったです。1996年の「CAFE JAPAN TOUR」でも、トップバッターは「CAFE JAPAN」でした。今回のツアーはきっとこのテンションがメインになるんだろうなぁと思いながら手拍子をして楽しみました。

「Honeybee」(1996年『CAFE JAPAN』)
え、待ってください。これ本当に「CAFE JAPAN TOUR」を再現するんですか?って感じでした。これも予想していた通り。玉置さんはこの曲お気に入りな感じがします。
ステージ上手に安全地帯のVがバスドラに印字されたドラムセットがあり、空席。そういうことですよね、玉置さん!と思いました。
玉置さんが席につきドラムを叩き始めます。すぐ近くで、キックもスネアを叩くところも全部見える、そして歌っている、ドラムも歌もめちゃくちゃ上手い!ヤバい!!!!となりました。
しつこいですが、「CAFE JAPAN TOUR」でも玉置さんはドラムを叩きながら歌っています。そのときは「エネルギー」を歌っていましたが、時を超えてそれを見ているようでした。彼は自分がなんでドラムを叩けているのかよくわからない、みたいな発言をしてましたが、本当にマルチプレイヤーの天才だと改めて実感しました。
ギターソロもステージ中央へやってきてギュイイイイーンと、カッコよく決めます。シンフォニックや故郷楽団では想像できなかった方向性の、エネルギッシュな玉置さんを見られました。
もうこのあたりから、トランキライザー(精神安定剤)を飲んでいないのに飲んで体調が良くなった、みたいな興奮状態に陥っていました。でも薬を頓服しているわけではないので、曲が終わるとドッと疲れが出ます。

「ルーキー」(1998年『GRAND LOVE』)
これは本当に聴きたい曲としてあまり期待できないけどやってほしいなぁという曲のひとつでしたので、感激しました。

なんだって頑張って やっていたあの頃 想うと何でだろ 胸が熱くなる

うまくいかなくたって なんとかなるさって 君のためならいつだって
笑っていよう 笑っていよう

歌詞の一部ですが、自分が倒れる前の頃を思い出して、すごく泣きながら家で何回も聴いていたことが蘇ってくると同時に、元気をもらえました。
こういう歌詞って、言ってしまえばありがちな応援ソングなんですけど、玉置さんが歌うと心に直接沁みてくるんですよね。歌がうまいだけでは説明できない何かを彼は持っていると思います。
私は玉置さんを本格的に聴き始めてまだ2年半くらいの歴の浅いファンですので、間違っているかもしれませんが、この曲をライブで披露したのってもしかして2005年の「今日というこの日を生きていこう ツアー」以来だったりします?(誰に聞いているんだろう)
つまり生歌で聴く機会はそうそうない曲を聴けたのでは、という感動もありました。

「愛を鳴らせ」(2013年『安全地帯ⅩⅣ~The Saltmoderate Show~』)
これも嬉しかったです。この曲が収録されているアルバムは、安全地帯のオリジナルアルバムでは最後だったかなぁと思いますが、メンバー全員が作曲した曲があり、愛に溢れています。そこからこの曲。あぁ、素晴らしい。
この曲と方向性が似ている曲に同じアルバム収録の「よかった」があります。あちらを呆れるほど聴いてきたのですが、「愛を鳴らせ」も本当にいい曲です。
「哀しみよ、愛を鳴らせ~♪」という歌詞に歌声。沁みます。悲しいことがあるからこそ、家族だとかの愛情をより一層強く感じられたのは、この闘病の間ずっとそうでした(もちろん今も)。ですから、説得力がとてもあります。それと同時に、今までやってきた治療や努力は間違っていなかったんだ、となんだかそう言ってもらえたような気がして、安心できました。
玉置さんの笑顔と手を大きく広げて歌う姿に感動をもらいました。まぁ全部感動してるんですけどね。涙が足りません。
最後に鳴り響く鐘がスクリーンに映し出され、鐘が鳴り続ける演出もよかったです。

置き手紙(1984年 シングル『マスカレード』のB面)
アマチュア時代からの曲をやってくれるんじゃないか、という予想に応えてくれました。嬉しい!!予想というより期待というのが近かったので余計に嬉しかったです。
ただこの選曲は予想外でした。「一度だけ」「まちかど」あたりを想像していたので。
トップバッターからエネルギッシュな曲が続いていたので、ここで皆さん座り始め、しっとりと聴き入る雰囲気にガラッと変わりました。
私も席につきましたが、その瞬間疲れがドッと出て、しんどくなりました。くそ、こんなときに!頼むから体もってくれ!と思いながら聴いたのは残念なところです。
それでも今の声で歌う玉置さんの「置き手紙」は、過去を懐かしむような優しさがあり、とても味がありました。1984年の渋谷公会堂ライブ「WE'RE ALIVE」でこの曲を何回も映像で見聴きしましたが、あの頃もとても素晴らしいです。アマチュア時代からの曲を聴けて感動したという意味では、40周年の安全地帯ライブでの「萌黄色のスナップ」と通ずるものがありました。

次男坊(2013年 シングル『純情』のカップリング)
これは予想外でした。「純情」はお母様への感謝や愛を感じられるものすごく泣ける曲ですが、カップリングのこちらはお父様への愛情も感じられ、また次男坊とつけているあたり、お兄さんのことも想っている、そんな家族愛に溢れた超泣ける曲です。
タケノコ、レンコン、シイタケ、と歌詞に出てくるのですが、このツアーのライブTシャツにはその3つが描かれています。なぜそこで気づかなかった!!玉置さんが鍋好きなのはこういう想い出があるからなのでしょう。

愛にしくじり 金にしくじり さあそこからが人生さ
静かに かあちゃん 笑ってた

情けに負けて 勝負に負けて さあそこからが人生さ
小声で とうちゃん つぶやいた

全ての歌詞が反則級に泣けるのですが、やはりサビの歌詞は目の前で生で聴くともう無理です。耐えられません。このあたりから号泣になりました。よくそんなに涙が出てくるもんだなぁと思いました。
最後に「夕焼け ほんとに 悲しいなぁ・・・」と玉置さんが歌ったとき、前日に旭川をレンタカーでドライブしていたときに見た、山の稜線をオレンジに美しくも儚く染め上げる夕焼けを思い出して、また涙が溢れました。

黄昏はまだ遠く(1991年『安全地帯Ⅷ 太陽』)
この曲は特別中の特別なので長くなります。イントロのピアノ(正確にはキーボード?)が聴こえてきた瞬間、脳が「!!!????」となりました。え、噓ですよね?信じられない!!ありえない、この曲をやるなんて!!
前編の記事で淡い期待を。。と綴りましたが、ものすごく思い入れの強いアルバムの、それも特に思い入れの強い曲です。そしてかなりマイナーな曲です。私はこの曲を生で、目の前で聴くために今年(2023)の寝たきり生活を耐え抜いてきたんだ、と確信しました。物販でたまたま出たガチャガチャの「安全地帯Ⅷ 太陽」は、本当に予言だったわけです。
この曲は私が知る限りなので間違っていたらちょっと恥ずかしいのですが、一度もフルコーラスを生で披露したことはないんじゃないでしょうか。1992年の「アンプラグド・ライヴ!」では、メドレーの中でワンコーラス歌っていました。この頃の安全地帯の映像作品がこのDVDを除き、そもそも発売されていないので、当時現地でツアー参加された方ならもしかしたら、「メドレーじゃなくてフルでも歌ったよ」とご存知かもしれません。
いずれにせよ、ありえないだろうなぁ、と期待していた曲をやってくれたわけです。すごくマイナーな曲を予想に反してやってくれて感動した!というのはコンサートあるあるかもしれませんし、他のアーティストでそういった経験はあります。ただ感動の次元が違いました。
感動しすぎて記憶がありません。イントロのピアノしか覚えていないくらいです。ここだけ記憶が抜けています。ほかの方のツアーレポートを拝見すると、ラストの前で玉置さんがドラムを叩いていたらしいのですが、そうでしたっけ?という感じです。とにかくあり得ないくらい号泣していました。曲が終わった後、警備スタッフ?の方がこちらをガン見していたのだけ覚えています。泣き崩れていたんだと思います。
私は勝手ながら、この曲を以下のように解釈しています。
おばあ様の民謡の影響を受け、ガロを得意としていた少年時代の玉置さんが、武沢さんからビートルズを勧められてロックを聴くようになり、ドゥービー・ブラザーズに惚れ込んでアメリカを追いかけていたアマチュア時代。そこからキティレコードと井上陽水さんとのご縁があって上京し、凄まじいプレッシャーの中で過ごした時代を経て、自分たちが本来勝負したかった方向性の音楽からは離れて、「ワインレッドの心」路線の曲でバンバン売れた安全地帯。次第に玉置さんは、過密なスケジュールとバンドというよりプロジェクトに発展した安全地帯に疲弊してしまいました。ドキュメント「I Love Youからはじめよう」では、「音楽をやめたい」「北海道に帰って農業がしたい」「刺激が欲しい」だとか、そんなことをぼやきながら楽屋のソファに寝っ転がったりしている映像もありました。おそらくこのあたりでかなり精神的に参っていたのではないでしょうか。そんな彼が一度安全地帯を休止して次に作り上げたのは、北海道でもう一度、5人で音楽をやり直そう、というコンセプトを感じさせる「安全地帯Ⅶ 夢の都」です。「安全地帯Ⅷ 太陽」もその翌年にリリースされています。
そんな背景の中で、「黄昏はまだ遠く」は、今まで憧れていたもの(本来やりたかった音楽)がわからなくなり、遠のいていき、人生とは苦痛や悲しみが真理だと突き付けられても、それでも愛(友人や恋人、家族、仲間、音楽)は捨てられない。一体どうすればいいんだろうか。まだ自分はここで終わりじゃない、まだ日は沈んでいないはずだ、と、そんな切なさを表した曲だと私は勝手に思っています。
そういった解釈をしていたので、自分と変な重ね方をしていました。今まで信じて続けてきた治療やこの長い闘病生活が、本当は無駄で、やってもやっても成果がでない、相変わらず苦しい、一生この病気や障害と付き合っていくことが真理だと、発作等で寝込むたびに思い知らされたときに、いや、それでも諦めたくはない、諦めるのにはまだ早い、まだ日は沈んじゃいない、と、そんなことを思ってこの曲を聴いてずっと泣いていました。
病気をする前の私がこの文章を見たら、「うわぁすっごいクサいこと書いてて気持ち悪い・・」と自分を否定したことでしょう。でもそういうことがだんだんと、綺麗ごとでもなんでもなくて、自分ごととして感じるようになったわけです。
それを目の前で、今の声で、玉置さんが歌っている。若かったころの歌声は、どこか苦しさを含んでいて、それでいて美しい響きでしたが、この公演で聴いた玉置さんの声は、いい意味で苦しい頃を懐かしんでいるような、そんなニュアンスが含まれていたように感じます。この公演での「黄昏はまだ遠く」には、2022年の「星路」に近いメッセージ性を感じたのです。
そこで私はいつもの勝手な解釈をしました。まだ闘病生活は残念ながら続くし、そう簡単にはいかないが、諦める時期ではないんだよ、苦しみが去っていく時は必ずやってくる、そう自分に教えてくれているように感じました。
この曲を聴けたからこそ、旭川に行く前からは明らかに違う状態になった今の自分がいると確信しています。多少の体調のブレ幅は「きついけど絶対になんとかなるだろう」と笑い飛ばせるようになりました。

休憩(約20分)
ここで一部が終わってステージが静かになりました。
「黄昏はまだ遠く」で泣き崩れていた私はまだその余韻に浸っていたのですが、ちょうど隣に座っていた方が「さっきの曲、すっごく良かったんですけど、知らない曲で。。曲名ご存じですか?」と尋ねてきました。その方もソロで参加されていたようです。
私は頭がおかしくなっていたので、「黄昏はまだ遠く」という曲ですよ、と伝えたあとにガチャガチャで引いた「安全地帯Ⅷ 太陽」のジャケットを見せて、このアルバムに入ってます、と聞かれてもいないことまで答えてしまいました。
その方は地元の方だったようで、すごく親切に話をしてくださいました。北海道での暮らしや玉置さんについて、そして私もつい自分の病気について話してしまいましたが、コンサートの後で「いい時間を過ごせました。今日はありがとうございました。」と言ってもらえて有難かったです。

めぐり逢うひとの あたたかさ ぼくは忘れない
ありがとうとだけ 心から 言いたくて

という「黄昏はまだ遠く」の歌詞を思い出して、後からまた泣きました。

ベースソロ
千ヶ崎さんのベースソロがとても印象的だったので独立して書きます。
段々と夜になっていく演出の後、ベースの音だけが会場に響くようになりました。ベースと言えば縁の下の力持ちですが、ギターソロのように主役になっていてとてもカッコよかったです。
ゴーストノート等を駆使した指使いがすごくて、当たり前なんですけど、プロってやっぱりすごい、まして玉置さんがメンバーとしてツアーに迎え入れているのだから余計に、そう感じました。彼は「玉置浩二ショー」の「田園」のときにもベースを弾いていたような・・すごく印象に残りました。
元気になったら、お遊び程度でルート弾きしかできませんが、インテリアと化しているベースを弾きたいなと思いました。

△の月(2001年『♠スペード』)
夜の演出に合わせた曲が来るだろうなぁと思って、もしかして「月に濡れたふたり」が来るかな?と思っていたら、三角形のオブジェクトが出てきて、△の月だー!!となりました。
この選曲は予想外です。でも生で聴けてすごく新鮮でした。
この曲が収録されているアルバム「♠スペード」は、玉置さんが軽井沢に拠点を移していた頃のアルバムです。派手さはありませんが、ダンボールやお菓子の空き箱などの音が入っていたり、どこか森の中にいるような、温かみのあるサウンドが印象的です。
確か玉置さんが本格的に一人で作詞をしていたはずなので、彼自身に向けた歌詞の曲が多くて、本人の生の言葉という感じがすごくします。だからなのかもしれませんが、「何のために生きているんだろう~♪」と歌われていたところだけ妙に印象に残りました。私もそう思っているからかもしれません。

君だけを(2001年『♠スペード』)
前曲に続き「スペード」繋がりです。これも予想外でした。しっとりとした温かみのある優しい曲です。今の玉置さんの深みのある優しい声が、更に優しい穏やかな雰囲気を醸し出していました。まるで優しさに包み込まれているような気持ちになりました。
スクリーンに映し出されたブナの木々?がとてもいい味を出していました。そこまで聴きこんでいた曲ではありませんでしたが、大好きな曲になりました。
そして元気になったら軽井沢にも行こう、と思ったのでした。軽井沢時代の曲はやっぱり、森の中に身を置いていた感じが全体的にサウンドに反映されているなぁと思います。

サーチライト(2014年『GOLD』)
この曲は定番だったので、予想の範疇でしたが、やっぱりいい曲です。35周年ツアーで初めて生歌を聴きました。やっぱり生は違いますね。ただでさえ上手すぎるのになんかこう、心に直接語りかけてきます。玉置さんは私のサーチライトです。

正義の味方(1994年『LOVE SONG BLUE』)
この曲も本当に聴きたい曲で思い入れの強い曲なので号泣しました。笑いながら泣いてました。玉置さんについて「田園」しか知らなかった頃、初めて手にした彼のアルバム「田園 KOJI TAMAKI BEST」に収録されていたのを聴きこんでいました。最初に聴いた時から元気をもらえる良い曲だなぁと思っていたので、聴けば聴くほど好きになって体に良いエナジードリンクみたいな存在になってます。
曲が始まる前の演出では、黒い雲がスクリーンを流れる不穏な様子が映し出され、雷鳴が聞こえてきそうな感じでした。ここで「プルシアンブルーの肖像」は絶対にないだろうと思っていたので、「遠雷」が来るかも!!??と思っていたところに、玉置さんが右手につけている手袋を上に向けて掲げて左手を添える動作をされました。そのあと会場が明るくなってイントロで「正義の味方」だ!!!!!となりました。この時の玉置さんはカッコよすぎてまさに正義の味方でした。どうして自然にそういう振る舞いができるんでしょう。すごいですね。
会場の雰囲気がしんみりムードから一気に明るくなって総立ちになりました。後ろは見てないので座ってる方もいるかもしれませんが、まぁそういう明るい雰囲気になりました。
私もエナジードリンクを注入してもらったのでいきなり元気が出てきて、マスクの下で「頑張って~♪(サビのコーラス)」を笑い泣きしながら口ずさんでました。
「ルーキー」と同じくらい元気ソングで勇気をくれる「正義の味方」も聴けるなんて、とんでもないセトリです。そういえば「ルーキー」も前述のベストアルバムに収録されていてめちゃくちゃに好きな曲です。
救いの手を差し伸べていただきありがとうございます。

JUNK LAND(1997年『JUNK LAND』)
コンサートの定番曲です。「CAFE JAPAN」と同じくらいに好きな曲です。救いのアルバムについて綴った記事でも触れていますが、病気やら何やらで東京で暮らしていくのは無理だ、と感じた玉置さんの心境を思うと、病気でボロボロになった私もなんだかわかるなぁ。。。と勝手に共感してしまいます。
いつもよりパワフルでした。サビで客席に向かって手を何度も突き出すところや、「旗を、掲げーッ!!!!」と2番でシャウトするのもすごくカッコいいです。スクリーンの「T」の旗がすごく好きです。

ガラクタたちと 限りなく青い大空
そう ジャンクランドで

ジャンクランドは東京のことですが、旭川でみる空と東京でみる空は全然違います。でも繋がっているので、空を見ると旭川が浮かんできます。現地で空を見れてよかったなぁと思います。
極めつけは最後の玉置さんのアドリブと観客とのコール&レスポンスがいつもと違って遊び心満載でした。玉置さんがお客さんを煽ってそれに会場が応える。でも誰も玉置さんのようには歌えないので途中でついていけなくなる。それを玉置さんが「ちょっとやりすぎちゃったかな」みたいな無邪気な笑顔を浮かべながら最後に、「ジャンクランドでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」と特大の一発を打ち上げて拍手喝采で終わりました。
玉置さんの魅力のひとつに、いい意味で子供らしさを大切にしているところがあると思います。たぶん本人は無意識なんでしょうけど。東京で聴いてた「JUNK LAND」を旭川で聴けて本当によかったです。

田園(1996年『CAFE JAPAN』)
玉置さんと言えばこの曲であり、私の中で玉置さんとの繋がり(一方的)はこの曲からはじまりこの曲に終わります。これは私が彼を崇拝している理由を書いた記事に記したとおりです。
いつもの「田園」と違ってバンドサウンドが強化されたようなパワフルさがありました。これは完全復活した後の安全地帯が、ソロ曲を安全地帯として採録した「田園」に近い感覚でした。これはソロだけど、安全地帯が演奏しているような感じでした。
スクリーンにはMV等で見かけるひまわりではなく、馬が駆ける姿と、スニーカーで走る人の足元、そして断崖絶壁の峠道、また駆ける姿、、と映し出されていて、演出でもいつもの「田園」とは違うことがはっきりわかりました。
「黄昏はまだ遠く」でほとんど涙を出してしまったものの、それでもやっぱり泣きましたが、思ったほど泣きませんでした。でも最高でした。2021年の新婚旅行でクルマの中、旭川でなんとなくこの曲を聴いて、そこから玉置さんを知って、闘病生活を送ってきて、特別な想いを持ってまた旭川で生の「田園」を聴く。こんな幸せなことはありません。ありがとうございます。
「愛はここにある、故郷にある~♪」
本当にその通りだなぁと思いました。

メロディー(1996年『CAFE JAPAN』)
「田園」ときたら「メロディー」で締める。なんだか終わりの挨拶のようなものだと思います。安全地帯のことと旭川での思い出を歌った、名曲中の名曲です。ドラムの田中さんが「泣いちゃうんだよなぁ」と言っていたように、泣いちゃいます。現地で歌う姿はとてもやさしい表情と、悲しそうな表情が入り混じっていました。最後にマイクオフのアカペラになるところは本当に鳥肌ものです。きっと旭川の空に響き渡っていたと思います。心に残りました。この曲も旭川で聴くと特別な想いを感じることができます。

アンコール
ちょっと待ってください。「メロディー」が終わったのにアンコールがあるんですか!!??
玉置さんがステージのサポートメンバーを見送った後で誰もいなくなったステージの楽器にお辞儀をします。まるで安全地帯がいるかのように。そして田中さんのバスドラをよいしょっと持ち上げてステージの中央にドンと置きます。何度かキックで音を響かせます。そうか、玉置さんは追悼とか、そういう悲しい意味じゃなくて、田中さんと一緒にこのステージを作っていたんだなぁと感じました。スティックでVサインを作ったときは胸が熱くなりました。ここからはバスドラでリズムをとりながらのアカペラでワンコーラスがはじまります。

あなたがどこかで(2022年 シングル『あなたがどこかで』)
旭川市制100年という節目に安全地帯が旭川に贈った曲です。
それを現地で聴く。涙が、もう出ないはずなのに出てきました。

忘れないで もう一度言うよ
あなたは一人じゃない
忘れないで 何度でも言うよ
あなたは一人じゃない

玉置さんが歌うとなんでこんなに泣いてしまうんでしょう。他のどんなに上手な方がカバーしても、同じ曲、同じ歌詞でも涙は出ません。理屈じゃないんですよね。
ちなみにこのツアー全体のアンコールの中で「あなたがどこかで」を披露したのは旭川だけだったと思います。旭川スペシャルに感謝です。

I Love Youからはじめよう(1988『月に濡れたふたり』)
え!!!!???アンコール一曲だけじゃないんですか!!
しかも私が安全地帯で一番好きな曲です。開演前に引いたガチャガチャからこの曲もやってくれるんですか。。

悲しいときでも くじけそうなときでも
あきらめないから
I Love You 
I Love You 
I Love You More
なくさないで夢を 忘れないで愛を
心をひらいて
I Love You
I Love You 
I Love You 
I Love You More

発作が起きそうなときに、苦しくて何もできなくて起き上がれずに何か月もベッドに縛り付け状態だったときに、泣きながら毎日右腕を挙げて聴いていた歌なので、現地で腕を挙げて泣きました。不思議なことに、身体の重さや疲れがスッと消えていました。

夏の終わりのハーモニー(1986年『安全地帯Ⅴ』)
恩師である井上陽水さんとの奇跡のコラボ曲であり、会場全員で歌う定番曲です。カラオケで歌っているときの音量で歌ってしまいました。でも私の声はいい意味で玉置さんの声にかき消されるのでよかった。ちょうど9月下旬だったので、季節的にもぴったりでした。
本当に頑張ってきてよかったなぁと思ったのでした。

全体を振り返って

生きててよかったと思いました。これに尽きます。
事前の予想通りの部分もかなりありつつ、いい意味で予想を裏切ってもくれました。人生思い通りにいかないのは悪いイメージしかありませんでしたが、いい意味で思い通りにいかないこともあるのだな、と教えてもらった気がします。

おまけの書き散らし

今回のツアーグッズはオレンジが目立っていました。田園というと青空に田んぼというイメージがあったので意外でした。でも実際にコンサートに行って納得。夕暮れを感じさせるセトリ中盤の流れは、夕焼けに照らされた水田を思わせます。空港への帰路、レンタカーを走らせながら田園風景を見て感じました。
そしてパワフルでエネルギッシュな玉置さんとバンドサウンドが、明るいオレンジに合っています。もともと夕焼け空が好きでしたが、もっと好きになれました。

ところどころ男性の「浩二ー!!」という声が聞こえてきて、声出しができるようになってライブ感があっていいなぁと思いました。もしかして地元だから余計に?それは気のせいかもしれませんね。私は呼び捨てするのは恐れ多いので、玉置さんありがとうございます。と何度も心の中で呟いておりました。

ゴーグルがⅩⅢの時期を想起させます。セトリもⅩⅢとかなりかぶっています。玉置浩二のソロツアーだけれど、安全地帯として玉置浩二の曲をカバーしたⅩⅢのような、安全地帯としての想いも込められたコンサートだったんじゃないか。やはりそれだけ田中さんの存在は大きかったんだなぁ。
「愛を鳴らせ」、からは「安全地帯ⅩⅣ」のソルトモデラートショーを感じることもできました。
ビジュアル的には衣装は近年の落ち着いた、だけどカッコいいおじさまという感じに、GOLDツアーのときのゴーグルを額ではなく首に下げて、パワフルで遊び心に満ちた感じもしていて、とにかく歴代の玉置さんの中でも一番好きかもしれません。

おわりに

とんでもなく長くなりましたが、ここから病気が大きく回復に向かった実感がありますので、自分が何度も読み返す為に書きました。
もし最後まで読んでくださった方がいらっしゃったのなら、お付き合い下さり、本当にありがとうございます。

医師からも、「あなたが出会ったその音楽によって癒されているその感覚が、病気を治しているんですよ、旭川から帰ってきたときに急に驚くほどしばらく動けるようになったのは、病気が治っている証拠です。その感覚を何度も何度も思い出して過ごしてください。」と言われています。

「ASAHIKAWA」の文字を見る度に心と身体が暖かくなります。

玉置さん、そしてツアーに携わった全ての方々、旭川で初対面の私に優しくしてくださった方々、本当にありがとうございました。


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