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育休で得たのは子どもとの時間だけでなく”自分の変化”だった

本記事はフォトグラファー/ライター忠地七緒の夫が5ヶ月育休を取った体験談を”夫目線”でお届けしています。執筆に至った経緯はこちらから。

こんにちは。育休から復職して、早いもので2週間が経とうとしています。

前回の記事の最後に書いた通り、今回のテーマは「育休取得を通じて変わったこと」を書こうと思います。

妻から「育休中に色々変わったよね」とよく言われます。確かに育休取得をきっかけに変わった/変わりつつあることが多いので、振り返ってみることにします。

【変化1】子育てにおける当事者意識

1年近く自分のお腹の中で子どもを育て、肉体的にも精神的にも大変な思いをして子どもを産んでくれた妻と異なり、男の自分は肉体や精神の変化が伴わないので、どうしても妻と比べて当事者意識が低かったことは否めません。

例えば、出産や子育てに必要な情報を調べたりするのは妻が先行していたので、妻からはケンカの度に「どうせ他人事でしょ!」ということを言われがちでした。

しかし育休に入ってからは、基本的にずっと子供と接している状態が続きます。可愛い。そして、自分がお世話をしないと、生きていくことが難しい。そんな子供と接している内に、圧倒的な当事者意識が醸成されるのは必然だったと思います。

そんな当事者意識が持てたからこそ、育児に関する知識やスキルが妻とほぼ同じくらいにまでレベルアップすることが出来たのだと思います。

【変化2】妻とのコミュニケーション

私(夫)は家庭の中では少し怒りっぽい性格であるという認識を、妻も、そして自分自身でも持っていました。特に妻が妊娠してからは顕著になり、「妻の心身が不調で言動が刺々しくなる → ”攻撃された”と認識して怒る」という、良くないコミュニケーションが続いていました。

解決手段の一つとして「アンガーマネジメント」の本を読み、”怒りのコントロール”を試みましたが、なかなか効果が出ませんでした。途方に暮れていたところで、以前の記事に書いた、子供が生まれて2ヶ月目に妻と大げんかした話にたどり着きます。

その大げんかをキッカケに「本当に変わらないといけないが、もう、一人で変わるのは難しい」と考え、その日の内に心理カウンセリングを予約しました。

最初は現状を相談し「アンガーマネジメント」の手法を聞こうとしたのですが、そこでカウンセラーの方に「必要なのはアンガーマネジメントではなくアサーションではないか」というアドバイスをもらいます。

アサーションとは、ざっくり言うと「自分も相手も大事にして、主張はしっかり行うものの、相手は傷つけない」という自己表現・自己主張のことです。

つまり、「何か不満があってもそれを溜め込んで、何かの折に”怒り”と言う形で発散させてしまう」のが根本原因である。根本を解決しない限り、結果である「怒り」をコントロールするアンガーマネジメントは、私にとっては対処療法でしかないというのが、アドバイスの骨子です。

非常に納得できる助言だったので、本を何冊か読み、アサーションについて学び、実践することを心がける様になりました。妻とのコミュニケーションにおいても、不満が溜まったりした時はちゃんとそれを伝えるように変わってきています。

最近も夫婦の仲が不穏な空気になることはまだありますが、ケンカを引きずったり、激しい言い合いになることは以前より減った気がしています。

【変化3】自分自身の仕事観・キャリア観

育休を契機として変わったことで外せないのが、自分自身の仕事観・キャリア観です。

入社して配属された部署では、「あまり仕事が出来ない人」という評価でした。そんな現状を打破する為に自ら異動し「最速で昇進して見返してやる!」みたいな、ダークサイドなモチベーションで仕事をしている側面が確かにあったと思います(笑)

そのため、仕事一辺倒とまでは言いませんが、仕事を優先して家に帰るのが遅いことも普通にありましたし、順調にキャリアを重ねる為には仕方がないこととも思っていました。

しかし、育休を取るということは、取った期間だけキャリアがストップすることでもあります。二人の子どもだから二人で育てる。その為にはキャリアを一時中断してでも、育休を取るのが二人にとってはベスト。その決断をした時点で、「キャリアのために家庭より仕事を優先する」という価値観は薄まった気がします。

また、育休で仕事から完全に離れたことで、キャリアを振り返り、これからの働き方について考える時間が持てました。仕事において大事にしている価値観。自分が得意なこと。今後やりたいこと。忙しく働いているとなかなか考えられないので、一度立ち止まって考える時間を得られた意味でも、育休取得は自分のキャリアにプラスになったと思います。

ただ、仕事に復帰してから、自分のキャリアにとって大きな転換点を迎えそうなことが起きています。今後も仕事観・キャリア観は変化し続けていくと思うので、また何かの機会に発信できれば良いなぁ、と思います。

【おまけ】積極的にお洒落を楽しむようになった

もともと自分は、革靴だったりコートだったり、そういったファッションアイテムが好きな人間です。

しかし、育児をしていると、子どもが吐き戻したミルクで服が汚れるリスクが常にあります(1回ジャケットがそれで大変なことになりました)。また、抱っこ紐を装着すると、靴紐は結べません。自分が好きな格好をすることが難しいシーンが増えます。

でも、汚れてもいい格好、楽な格好ばかりしていると「育児で疲れた父親」に周りから見られてしまう。その内、実態もそうなりかねない!それは嫌だ!!

そんなことを考えるようになってから、子供を妻に任せて出かける時は、吐き戻しリスクが無いのでお気に入りのコートを着て出かけたり、抱っこ紐ではなくベビーカーを使う時はしっかり革靴を履いてみたり。気がつくと、以前より積極的にお洒落を楽しむ、という意識に変わっていったのも、変化の一つだと思いました。

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実は、今回の記事を書くのはとても苦労しています。書こうとしても何度も筆が止まり、1行も書けずにPCを閉じるということを繰り返す内、気がつけば1ヶ月が経ってしまいました(何度、妻から催促されたことか…)。

自分が変化した点を他の人が読むのは果たして面白いのか?という疑問が、筆を進ませない原因の一つで、その疑問は今でもありますが、自分にとっては大きな変化ということもあり、備忘録も兼ねて書き残しました。


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