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歩幅を見失わないように

pacific crest trailのスタートまで遂に1ヶ月を切った。
最初にこのトレイルを歩くと心に決めたのが2年前。
長かったような、短かったような。
色んなことが起こったし、かけがえのない出会いも数多く経験した。

自分で選んだ生き方なのに、目まぐるしく変わりゆく環境に心が置いてけぼりにされそうになったこともあったが、今の仕事も数日のうちに終わる今になって徐々に旅が始まる実感が湧いて来つつある。

自分の人生を日々送る中で、ようやく自分の歩幅が分かってきた。

pacific crest trailと言えば、アメリカという大きな国の雄大な自然の中を身一つで歩いて縦断する、一聴しただけでは壮大すぎて現実感を感じないクレイジーな旅。

もちろんアメリカの雄大な自然に抱かれて歩くことは僕の夢の一つでもあったし、考えただけで心が躍る。

でも、壮大な旅に心を馳せるのもいいけど、僕が2年前に求めたのはもっと秘めやかで、内省的で、個人的な体験としての旅。

偉業や達成、喝采のような類のものはいらない。
そのために無理をすれば自分らしくなくなるから。

自分の歩幅で、自分の信じた道を、毎日淡々と歩き続ける。
小さな小さな感動を一つも見逃さないように。

ラテン語の表現で、
mementō vīvere(メメント・ウィウェーレ)
と言う表現があるらしい。

意味は、
"生きることを忘れるな"

目先のことを上手くこなすことばっかり上手くなって、誰かの人生をなぞるように人生を消費していた2年前の自分にはこの言葉が稲妻のように体内を駆け巡った。

今この瞬間を、生きた経験として受け取ることを忘れないこと。

人は遅かれ早かれいつか死ぬ。
だから長生きするために生きるんじゃなくて、ちゃんと死んでいくために生きていく。

pacific crest trailという壮大な旅を歩いてこようと思います。

自分だけの歩幅で。

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