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手放すことは何よりも恐いはずなのに、僕はそれを手放した |モノノメ

朝、目が覚めると、布団の外は冷たくて起きるのも億劫になってきました。
カメラマンとして最近は活発に活動している僕ですが、実は本職は珈琲屋。それも、店舗と移動販売のどちらもやっている。(忙しすぎな)

本と珈琲のお店 雨間

2022年6月にオープンしたカフェ。
僕のカメラマンとしての仕事の合間に週3日ほど営業している。

やまぐちなおと

何年も前から趣味として触っていたカメラ。
移住をきっかけにフォトコンなどに応募、いくつか賞をいただく。
イベントやポートレート、最近では演劇などを主に撮影


お店を始める前に自分自身がどこまで通用するのかを試したくて移動販売を始めました。
そしてお店を開店して、全然お金なんて生み出せてないのに新しいことに手をだす始末で、それでもそれなりに楽しい人生を遅れてるんじゃないかと思ってます。
 
お店を始めて半年、そろそろというか始めた頃から移動販売のやめ時ってやつを僕は決めていて、それが今だっただけ。

軌道に乗っていたのになんで辞めちゃうの?

移住してから一年で移動販売を始めて、たった1年半で僕は辞めました。
嫌だからとか、辛いからとかではなくてただ単にその時が来ただけ。

軽バンタイプの車を改造して作っただけの簡易的なキッチンカー。
イベントに出ればその名は知れ渡り、顔も出てるから当然のごとくばれてしめう始末、バレたくないわけじゃないけどそんない顔が知れ渡っていたことに結構驚きなんだよね。

気がついたら土日はイベント出店でスケジュールが埋まって、最初は営業かけて必死に掴んでいた出店も、ありがたいことに断らなければいけないほどにお誘いいただけるまでになった。

側から見れば順調。
けど僕は辞めることは最初から決めていた。

簡易的に作ったのも、ドリンクだけなのも、杯数は限定なのも
全部僕が楽しむためのもの。
全ては僕自身がぼくの人生を楽しむためのもの。

自分の車を改造しただけであって、何年やるつもりなのかもわからないままで、それならばと次の車検までには何かを決めよう!って考えて出発した。
お店になるのか、移動販売としてレベルを上げていくのか、いずれにせよその時までをタイムリミットとして活動が始まったのだ。


その終わりがやってきただけ、お店に代わっていただけ。
僕にとって辞める理由はそれだけなんだ。

手放すことで代わりにやってくるのは
余白と消えない炎

移動販売をやめるって言った途端に忙しくなるカメラマンとしての仕事。
カフェ 雨間 amama にも目がしっかりと向いて今年の終わりとこれからのことも見ることができた。

やめることはとても恐ろしい。
継続しないことを公言することもとても怖い。
でも、こうやって始めたことはしっかりと終わらせるべきだし、ダラダラと惰性で続けるよりも僕はきっぱりとやめて次の糧にしたいと思ってる。

こうして終わらせていくことで炎は小さくなって、その奥で燻っていた小さな火が見える。 
そこに目がいくと、その火はきっと昔から燻っていて目の前の炎が消えるのを待っていたかのように小さな種火に息を吹きかけると瞬く間に大きな業火に姿を変える。


やり切った後に完全燃焼になりませんか?と質問もされるけど、そんなことないよ。全然そんなことない。消えない炎は僕の周りでいくつも燻って息がかかるのを待ち侘びている。
けど、思いっきり水をかけて消した炎の後ろは蒸発した水の煙で見えなくて、においも変で、見るのも嫌になってしまう。
目を閉じて、その奥にあるはずの小さな種火を見つけることができなくなっちゃう。

終わることを恐れちゃう
精一杯自分が生み出したものが否定されちゃう

そんなことあってはいけない

この日僕は移動販売を確かにやめたけど、モノノメの名前は無くならない。
いつかこの一年と半年っていう時間がまた大きな炎に変わって、周りを照らすはずだって信じている。


美味しいご飯に使わせていただきます