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ローリング・ストーンズ日本公演でキース激おこ『モンキー・マン事件』

2002年、ザ・ローリング・ストーンズは40周年を迎え、キャリアとしては初のオールタイム・ベスト盤「FORTY LICKS」をリリース。同時にワールド・ツアーも発表され、翌年、初めてとなる武道館を含む日本公演も行われました。

FORTY LICKS
こちらはBOX仕様の限定盤

2003年3月21日。「LICKS JAPAN TOUR」の最終公演である大阪ドームで事件は起きました。

ツアーのパンフレット

日本初演となる名曲「Wild Horses」の余韻を味わいながらゆっくりとギター・チェンジするキース。一方ミックはキーボードのチャック・リーベルに次の曲にいくよう合図を送ります。「Monkey Man」がスタートしたもののキースはまだギターをセッティング出来てない。慌てて弾いたところ思いっきり音を外してしまいました。とんだ赤っ恥をかいたキースはチャックの所に行き「最初からやり直せ」というポーズ。そして「お前なんか首だ!」というポーズが大スクリーンに映し出されてしまう(恐)。ロンの顔も引きつってる。こんな時もステディにリズムを刻むチャーリー。演奏は止まらない。半ば強引に歌に入るミック。すると怒りの矛先はミックに向けられ、キースは肩口からミックにタックル!しかも2回も!あの「One Hit」のMVのように。

こんな風に肩口からタックル!

観客にもただならぬ空気が伝わり、「なんやキース、怒っとるで」という関西弁も聞こえてきました(汗)。僕はこの日キース側5列目にいて、一連のやり取りを近くから見てたけど、マジ怖かった。そんなキースのご乱心にも全く動ぜず歌い続けるミック。キースはこれ以上怒りを何処に向けていいか分からない、といった感じでステージの端で他のメンバーに背を向け黙々とリフを刻む。どうにか曲は終わりました。

しかしこの後が凄かった!次曲「Midnight Rambler」で、キースはその荒れ狂った感情をギター・プレイに込めた。元々この曲はキース主導で曲がドラマチックに展開していくのだが、間奏部分でキースはステージ中央に来て物凄いテンションでリフを刻み続ける。そのパートはいつもより長かったと思います。まるで「このバンドを仕切っているのは俺だからな!覚えとかんかい!」とでも言わんばかりに・・・。

その後も「Sympathy For The Devil」の途中でステージから消えたり現れたり不穏な動きを見せたり、自分のパートで「Slipping Away」を歌う前に「家にいるみたいだな」(Just like home)と言ってみたり(家の中の痴話喧嘩を見せた、という意味?)(苦笑)。まぁ、「アットホームな良い雰囲気だ」と言いたかったのでしょうけど…。

ある意味とてもレアでスペシャルなライヴだったのでした。当時、ファンの間では「モンキー・マン事件」としてネットで話題になったりしました。いやぁ、あの時のキースは凄かった。曲をちゃんと最初からやりたかったんでしょうね。

仲良さそうな4人…

ストーンズ初来日(1990)について書いたnoteはこちら。

my note #71

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