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Hasselblad Phocusを使うときの画像処理環境について

みなさん、こんにちは。
このエントリでは、私がHasselbladのデジタル一眼カメラで撮影した画像を処理する際のPC環境についてを書き記しておきたいと思います。タイトルでカメラを限定していますが、メーカー問わず、どなたかのご参考になれば幸いです。

はじめに

自身については、以下の記事など参考になさってください。

Hasselblad Phocusについて

私は冒頭に記載した通り、Hasselbladのカメラを使って撮影していまして、このカメラの撮影画像をどのような環境であれば思い通りに作業できるか?を考えています。その考えてきたことをいかに記述していますが、若干まとまりが足らないかもしれません。その点はあしからずご容赦ください。
※見直して再アップするなどあるかもしれません。

Hasselblad Phocusは、Hasselblad社が発売するデジタルカメラのRAW画像を現像するためのソフトウェアです。Hasselblad以外のRAW画像やJPEG画像も処理することができ、メーカーサイトから無償ダウンロードができます。

HasselbladのRAWはPhocusだけでなく、Adobe Photoshop LightroomやLuminar Neo等でも現像処理が行なえます。しかしPhocusには専用レンズのプロファイルが含まれており、ハード側とソフト側が連携して最高の画像を作り出しており、これが大きな特徴の一つとなっています。

他にもレンズの周辺光量や、レンズ独特のコーティングムラ(特にオールドレンズ)を除去するレンズキャリブレーション機能が備わっており、これをサードパーティのソフトウェアで対応することは難しいです。

Hasselbladユーザであれば、ぜひ一度トライしていただきたいソフトウェアですが、実際に使っているユーザの声もなかなか見つからない事情もあるかもしれません。実際のユーザが見てお役に立てば何よりです。

PC本体について

昨今のデジタルカメラは高画素化が進んでいます。そのため、画像処理をする際のPCも、スペックを上げておかないと、演算が追いつかずストレスが出てきます。

例えば1つの画像になにかの処理を加える際に、プレビューが追いついてこない、などが挙げられます。調整が終わった後の画像処理時間も1枚の画像を現像するのにかかる時間が長いほど、大量の画像を現像する際に長時間の負荷がかかり、他の作業ができなくなるなどの影響が出ます。

また大量のデータが複数生成されますので、それを保存するためのストレージの性能も求められます。現像が終わった後に、ストレージへの書き込みが始まりますので、この書き込み速度と空き容量が確保されていないと、スムーズにデータを保存することが難しいのです。

Hasselblad X1DII-50CのRAWデータの場合、1ファイルが80MB程度あり、現像後の16Bit TIFFは100MBを超えます。JPEGの場合は圧縮率などにもよりますが、ある程度大きなファイルを扱うことを想定とした環境が必要です。

GPUについて

PCの性能が良ければ処理速度も早まり、効率的な現像が行えるのは間違いないと思いますが、性能が良いということをどうやって示せばよいでしょう。

私はこれまでHasselbladを扱う中で、「画像処理するユーザの多くはmacOSを使う方が殆どである」と言う認識がありました。ですので、「とりあえずMacを使えば問題ない」と言うことを話す事例もあったかもしれません。ただこれでは今ひとつ説得力にかける。そこで改めて再考したわけですが、そうすると、Phocusの新バージョンがリリースされた際のプレスリリースにヒントが見つかりました。

Phocus はすでに高品質なRAWファイル処理を提供しており、Mac/PC 上の Metal/OpenCL に基づく GPUアクセラレーションの導入で、これまで以上に高速になりました。これにより100%以上にズームしながらのエクスポートが簡単で素早くなりました。

Hasselblad Phocus 3.3 を発表 (Hasselblad Japanプレスリリースより)

上記のプレスリリースを見ますと、GPUアクセラレーションの導入という単語があります。少し前の文章にもはMetal/OpenCLというAPIの話題が出てきます。つまりはこうしたAPIを使っているGPUを使っていると、画像表示改善ができる可能性があると考えました。

ここで、APIについても補足をしておきます。

API はアプリケーション・プログラミング・インタフェースの略であり、アプリケーション・ソフトウェアを構築および統合するための一連の定義とプロトコルです。

API とは | application programming interface - Red Hat

で、MetalもWikipediaでしっかりとまとまっていまして・・・

Metal(メタル)はAppleのオペレーティングシステム上でサポートされる、オーバーヘッドの小さいローレベル(low level)なコンピュータグラフィックスAPIである。

Metal (API) - Wikipedia

これまでのことを考えると、Macユーザの場合はApple M1以上のMacを使うことで、PhocusのGPUアクセラレーションを活用できることになり、選択肢としては概ね良好であると考えられます。

ではWindowsについてはどうなのでしょう?ここは少しややこしいので、別の機会にまとめたいと思います。

モニターについて

モニターは画像の色味を確認する点で非常に重要なものです。最近はモニターの大画面化も進み、安価に大型モニターを購入できるようになりましたが、ここではsRGB/AdobeRGBに対応した製品を用意しておくと良いかもしれません。モニターの色合いはどの製品でも同じものではありません。正しい色が見られるモニターを選別する必要があります。

もう一つ付け加えますと、上記のsRGB/AdobeRGBに対応する以外に、モニターのキャリブレーションに対応した製品を選ぶと、より信頼性が高まります。モニターは常に同じ色味を表示するわけではないのです。そこで、正しい色を表示させるための「キャリブレーション」を行うことで品質を担保します。

上記のキャリブレーションを行うためには、キャリブレーション用のツールが必要になります。ソフトウェア自体はメーカーが提供していますが、その測定デバイスは別ということですね。一部の製品には測定器(キャリブレータ)が内蔵されている製品もあります。

測定器が内蔵された製品を使うと、セットアップやキャリブレーションの作業が自動化されるので、とても楽です。一方で外部測定器を使うと、複数のモニターをセットアップするなど利用の幅が広がります。最近はモニターを複数枚揃える方もいらっしゃるかもしれませんので、こうした使い方もできるということで。

コントローラーについて

ちょっと変わった言い方かもしれませんが、ここ数年で登場したデバイスの中にLOUPEDECKという製品があります。映像配信時に使うスイッチャーのような見た目で、RAW現像時のパラメータ調整をアナログ感覚で行えるデバイスになります。

これまで画像処理というと、マウスやペンタブレットなどでPhotoshopのパラメータを動かす、キーボードで値を打ち込むと言った動作をしていましたが、これをツマミを回すといった直感的な動きで調整できるのです。主要な現像ソフトウェアへの対応はできているようですが、輸入代理店の情報によると、Phocusは非対応のようです。。。

プリンタについて

自身も最近は殆どプリントしなくなってしまいましたが、やはり良いなと思う画像は手元でプリントしたいと思います。私はいままでPX-5600というプリンタを使っていましたが、インクの目詰まりなどのトラブルでここ最近手放してしまいました。。。その後、新しい製品を見ていますが、ハイエンド系のプリンタは大きく2つのパターンに分かれます。

一つは鮮やかな色合いを目指したインク構成の製品。もう一つは階調を重視した色合いを目指したインク構成の製品です。私が使っていたPX-5600は階調重視の製品であると思います。今後も同じような性能を持つプリンタを用意したいと思います。そのためには場所や資金の確保が必要ですね・・・。

最近のエプソン製品では、エコタンクというインク量を抑えて、かつ高画質という製品も出ています。搭載されたインクの種類は少ないものの、グレー階調を重視していて、モノクロ写真などに十分な性能を活かせるのではと感じています。スキャナもついているので、文書のコピーと言った写真以外の用途にも応用が効くのが良いですね。

ご参考までに、こちらは普段の業務スペースについて。

私の環境ですが、昨年とほぼ変わっていません。今回記載したモニターやプリンタは早々買い替えができず、長く使っていくものばかりだと思います。長く使う分、環境をしっかり構築し、写真の質を上げるための作業にフォーカスしていきたいですね。

大学を卒業後、約15年間写真スタジオ、写真機材販売、北欧カメラメーカーの日本法人立ち上げなど行う。その後ITベンチャーにてマーケティング業務に従事しながら大学院に通いMBAを取得。現在もスタートアップ企業にて奔走中。