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大人の歯列矯正備忘録~18.ブラケット装置からの晴れやかなる卒業

お久しぶりですね、私の前歯たちよ……。

2週続けて来院できる日をあらかじめ設定して、いざワイヤーを外す日がやってきた。歯医者へ行く前の歯ブラシタイムで、改めて自分最後になるワイヤーに囲まれた歯と対峙する。
ブラケットの上下を小刻みにブラッシングすることも、小さな輪ゴムを歯の上下に引っかけることも、これが最後。
なんとなく感慨深いものを感じながら支度をして、クリニックへと向かった。

いつものように椅子に座り、うがいをして、先生がきて、椅子が倒れて……

「それじゃあ、今日は外していきますね~」

という声がけの言い終わらぬうちに、バチン、バチンという音が右側から左側へ。
下の歯を終えたら上の歯にも同じようにバチン、バチン。
ワイヤーを切っているのかな?どんな作業をしているのだろう……と思うもあっという間の時間で、

「残った部分を削っていくので、お水出ますよ~」

と言われるとともに、チュイーンと歯の表面に振動が伝わってくる。
その感覚は、素肌に感触があるがごとく、素の歯への振動。
……あら?さっきのバチンで、もう装置が撤去されてたの???

前に矯正のことを調べていた中で、『治療の中でいろいろな痛みはあったけど、外すのが1番痛かった!』と書いてある体験談を見ていたこともあり、正直なところ拍子抜けしてしまった。
痛みはなく、バチンという振動の衝撃くらいだったことはとてもうれしい誤算であった。

しかし、これが大きな個人差のあるところで、後日同じタイミングでブラケットをはずした知人と報告しあったら、やはり外すときがとっても痛かったそう。もうやめて~って言いたくなるくらいだったらしく、その差に驚いたけれど、ブラケット装置のつけている期間が短いとより痛みがあるという話も聞いたとか。

結局のところ、いろんな体験談もあれば感想や主観だけのコメントなどもたくさん見聞きしたけれど、歯の状態から治療方針から、個人でまったく同じようにはなれなくて。つまりは、痛みや感じ方も十人十色、一概には言えないということがよくわかった。
これも体験してみないことには、はっきりと実感を持っては思えなかっただろうし、信頼できる歯科医師に出会えていなかったら、納得して受け止めきれなかったかもしれないし。 何より痛かったら、そんな悠長なこと思えなかったかもしれない。

そうこうして、2年とちょっとのブラケット装置とワイヤーによる矯正期間が終了した。
装置をはずして、久しぶりに舌が触れた前歯はとってもとってもトゥルトゥル!(これは知人も同意見だった!)

そんなウキウキも、わずかな時間の出来事だったということを、このときはまだ知る由がなかったのであった。


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