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生活の娯楽化について(例:生命保険の見直しを楽しむ)

ここ数日間、夢中になって「生命保険の見直し」について調べている。もちろん、一番の目的は生活コストの削減なのだが、この作業が楽しくて仕方ない。

かつてはかなりの面倒くさがりだった私は、自分がどんな保険に入っているのかなど、まったく気にもしていなかった。成人した頃、(かなり遠めの)伯母が保険のセールスをやっていた関係で、勧められるままに加入し、内容の変更などもありながら、数十年も契約を継続してきた。

多くの若者がそうであるように、私も生命保険などというものに興味はなかった。自分が病気になる・死亡するというイメージなど持てるはずもなく、保険はブラックボックスと化して、アンタッチャブルな存在となっていた。

そして50歳を過ぎた近年のこと。契約更新が近づいているとのお知らせがあり、あらためてその内容について調べてみると、これがなかなか役立たずで唖然としたのだ。

私が加入していたのは、いわゆる「掛け捨てタイプ」の定期保険で、掛け金(月々数千円~数万円)のうち、貯蓄にまわる分は月500円のみ。これだけ長期間継続しても、わずか30万円ほどしか戻ってこない。

もちろんその分だけ支払いも安かったのだが、おかげさまで病気一つしない健康体のため、ほぼ無駄金を支払い続けてきたことになった。

もちろん、こういう保険のすべてが悪手というのではない。死亡時に大きな保証があるタイプは、小さなお子さんがいるご家庭には最適だ。若い人が万が一に備える役割もある。使う機会こそなかったものの、私もその安心の傘で守られていたことは間違いない。

とはいえ、ある程度の年齢となり、その契約内容を見直すべきだということは、以前からわかっていた。しかし、面倒くささが勝ってしまってずっと先延ばしにしっぱなしだったのだ。


しかし、今の私はそうではない。
生命保険の見直しを積極的に楽しめるようになったのだ。

こうした「生活上の見直すべきポイント」が見つかったら、まずはネットで検索し、すぐに関連する書籍を図書館で探す。ざっと知識を入れてからさてどうしようと考え始める。この工程がとてつもなく楽しいことに気づいたのだ。

●楽しさの中身
1.知らなかったことを学ぶ楽しさ
2.実際にコストカットできる喜び

生活の中のあれこれに興味を持ってみると、そこには気づかなかったノウハウや改善の余地などがいくつも見つかる。目からウロコだ。ある意味では「生活の娯楽化」といえるだろう。

生命保険の話題を続けると、その基礎知識がほぼ皆無だったため、「定期保険」「養老保険」などの違いすら認識していなかった。しかし、その仕組みを少し調べるだけで、今まで見てこなかったいろんなことに気づくのだ。

当然のことだが、年代によって必要とされる保証の内容・金額は変わってくるものだ。細かい内容は省くが、いま現在、私が加入している保険(定期保険)は、次の更新でまた支払い金額が大幅に増加する上、保証内容が過剰だった。

子どもが小さいご家庭であれば、ご主人の死亡時に数千万円の保証は必要かもしれないが、中高年の夫婦ふたり暮らしであればそこまでの保証はいらない。このため「ほぼ無用の長物だろう」という判断となった。

・それだけの金額を支払うのであれば、積立でもしておくべき。
・掛け捨ての医療保険などはもっと安い共済などで十分かも。

もちろん、将来がどう転ぶかはわからない。来年に大病する可能性だってない訳では無い。しかし、そのために過大なコストを負担し続けるのは、愉しいものではない。そうした無駄をカットできるのだから、わずかな時間を割いて調べてみるだけの価値がある。


かつて、私がこうしたことに積極的になれなかったのは、「知ろうとしなかった」からだ。

知識のない状態で、生命保険会社の担当者からあれこれ言われるのは怖いものだ。想像するだけでげんなりする。しかし、ほんの少しだけでも予備知識を入れておくと、その恐怖感がだいぶやわらぐ。少なくともチェックすべきポイントや、何を質問すべきなどがわかるようになれば前向きに取り組めるのだ。

生活の中のあれこれを自分でコントロールできるようになるのは、とても楽しいことだ。

数年前、トイレで水がちょろちょろと漏れていたのを自分で修理した(※ゴムパッキンを替えただけ)ことがあったが、ちゃんと調べさえすれば情報はたくさん転がっているし、決して難しいものではないことに気づく。

私は、いわゆるミニマリストさんのように、身の回りの物を減らしていこうとは思っていないが、こうやって「できるかぎり自分でやる」と考えることで、生活がシンプルになっていくと感じている。

「簡単なことは自分でやる、手に負えないことはちゃんと調べてからひとに任せる。」

こうルールを決めると、トラブルを含む身の回りの多くのことを娯楽化することができるのだ。

「面倒くさいことが幸せなんだよ」
by 所ジョージさん(BSフジ『世田谷ベース』より)

まさに名言であると、あらためて思う。

【※余談※】
「生命保険なんて不要だ」という過激に見える意見も多い昨今ですが、実際に年代によっては不要かもしれません。若くて健康な独身者が高い掛け捨て保険に入るくらいなら、積立にもなる保険に入るか、積立貯金するか、投資にでもに回したほうがいいかもしれませんし。中高年はもちろん、若い世代も一度見直してみるといいですよ。

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