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【古】探偵が、いや「もの補助18次」が早すぎる

(注)
この記事は、2024年2月10日に作成しましたが、既に情報が古くなっています(公募期間も終了しています。)
最新でないことをご理解の上、制度概要などの情報収集としてご活用ください。

(以下原稿作成時原文)
法人さん向けの情報になります。
 
いや、こないだ「ものづくり補助金」の17次募集のレビューを上げたと思ったら、もう18次募集が出てましたわ。
 
事業の実施期間が2024年12月10日までと決まっているようなので、期間をゆったりとれるように事務局さんも急いだんでしょうね。
 
それにしても、募集のスパンが短すぎ、しかも1時期に集中しすぎですよね。
事業の原資が「補助金」か「基金」かで、事業終期が影響を受け、今回は12月10日に揃えられてしまったようです。
 
わかりますよ。私は。元役人なんで、その辺の事情は。
でも、中小企業の皆さんには、そんな事情、関係ないですよね。
 
せっかくいい制度なのに、、、
募集時期が離れていたら、もっと使い前がいいのに、、、
とか、思ってしまいます。
 
制度設計した人も、そう思ってると思います。
やむにやまれぬ事情があるんでしょう。
 
もう、それはしょうがない。
 
我々は、出された制度を読みこなし、中小企業さんに知らせ、使っていただくだけです。
 
正式な情報は、サイトから入手してください。


(1)今回募集の概要

①募集している枠

3枠募集が出ています。
 
「省力化枠」は、17次の募集もありましたが、人手不足を設備等で解消しようとするような設備投資に補助するものです。
 
「製品、サービス高付加価値化枠」は、革新的な製品やサービスを作るために必要な設備投資を補助するものです。
DX・GX型は、補助率が2/3になるので、とっても有利です。
 
「グローバル枠」は、外貨を獲得できるような外国人向けのビジネスに係る設備投資を補助するものです。
すみませんが、私のお客さんにはあんまりいないので、本欄では割愛します。

②公募締め切り

2024年3月27日が締め切りです。

③事業実施期間

補助金交付決定(7月上旬頃)から、2024年12月10日までです。
その期間に、発注、納品、検査、据付、支払、報告書作成などを全て行う必要があります。

近未来の刑事さん(AIにて作成)

(2)「もの補助」の対象企業

まず、この補助金は、中小企業さんの、主に「設備投資」を支援する制度です。
製造業でなくても、サービス業でも、活用できます。
「設備投資をする」企業さんで、以下の要件を満たす場合に、おすすめです。

①給与の支給総額を増やす

増員したり、賃上げしたりして、会社の総人件費を増やしていくような企業さんは、エントリーの要件を満たします。
具体的には、年平均成長率で1.5%以上増加させる必要があります。
(3年計画だと基準年比4.6%増、5年計画だと7.8%増)

②最低賃金が高い

事業所内の最低賃金が、地域の最低賃金よりも30円以上高いことが必要です。
地域の最低賃金は毎年上がると思いますので、その分事業所内の最低賃金の上げていく必要があります。

③成長している

企業の成長を「付加価値」という指標で評価します。
 
付加価値=(営業利益+人件費+減価償却費)
 
会社の儲けの増加分は、会社の利益(営業利益)になるか、人に配分されるか(人件費)、設備投資されるか(減価償却費)のいずれかに使われます。
それらの合計が「付加価値」で、それが増えている企業は、成長している、という評価になります。
 
ものづくり補助金では、付加価値を年平均成長率で3%以上増加させる必要があります。
(3年計画だと基準年比9.3%増、5年計画だと15.9%増)

将棋とチェスは親戚です(AIにて作成)

(3)省力化枠

第17次公募とほぼ同じです。
思ったより公募開始が早かったので、「17次は間に合わない」と思った方はこちらでもいいかもしれません。

①補助金額・補助率

補助上限は、概ね1,500万円と思っていただいていいと思います。
それを超えると、補助率が1/3になります。
 
補助率は、中小企業さんは1/2、小規模事業者さん(商業・サービス業は従業員5人以下。その他業種は20人以下)は2/3です。

公募要領1.0より抜粋

②追加要件

17次の追加要件と同じですね。
・労働生産性が2倍になる
・計画期間内に投資を回収できる
・外部SIer(エスアイヤー。設備業者さん)と連携
・金融機関の確認書が必要

公募要領1.0より抜粋

(4)製品・サービス高付加価値化枠

第17次にはなかった募集です。
省力化枠が、「人手不足の解消」を主眼に置いた「令和6年度の主役」なのに対して、高付加価値化枠は、「新しいものを作るための設備投資」という旧来から設備投資補助の伝統を踏襲した枠となっています。

①補助金額・補助率

DX、GX型が目を引きますね。
私は、GXの方はわかりませんが、DXは得意分野です。
補助上限2,500万円、補助率2/3です。
相当条件がいいですね。

公募要領1.0より抜粋

②追加要件

新たに作っている製品、サービスを、全社売上の10%以上の水準まで成長させる、というのは、「事業再構築補助金」を彷彿させる要件ですね。
その他の要件は下記のとおりです。
・金融機関の確認書が必要
・DX型は、DXに資する製品、サービス開発であること
 (GXは割愛します。)

公募要領1.0より抜粋

(5)全体所感

素晴らしい制度だと思います。
終期が12月10日に統一されてしまったのを除けば、最高です。
 
令和6年度の目玉「人手不足をDXで解消」には2つのメニューがあり、オーダーメイドが必要な案件は「ものづくり補助金」、既製品は「省人化補助金」で賄うという整理がされました。
省人化補助金は、通年募集可能。
大変使いやすい制度です。
他方、ものづくり補助金は、募集時期、実施時期が限定されてしまいました。
もったいない。
そこに不便を感じる中小企業さんもおられるかも知れません。
 
ですが、与えられた条件の中で、最大限、使えるものを使いましょう。
私にお手伝いできることがあれば、「仕事依頼」からご要望ください。

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