修二会の色
奈良 東大寺 二月堂
もうすぐ「修二会」という法会が始まります。
2024年1月16日の今日は、修二会カウントダウン44日前です!
といっても、もうすでに修二会は始まっていると言ってもいいかもしれません。
去年の暮れに、修二会に参籠する(参加する)お坊さんのメンバー発表がありました。
また、修二会に使うお道具類も今着々と準備されていることでしょう。
修二会は、実際にお堂におこもりになるお坊様のほかに、沢山の方が関わっています。
どのお役目も大変なことでしょうけど、それぞれが「絶やしてはいけない」という熱意と覚悟をもって挑まれていることと思います。
たとえば、修二会の時に仏様にお供えするお花があります。
これは、生花でなく造花です。
この造花作りは「花ごしらえ」と言われています。
紙で作った造花をお供えするのは不思議な気もしますが、修二会の法要は14日間あって、その間外には出られないので、常に美しい花で飾るには造花がいいのかな?などと想像したりします。
この造花を作るにあたって、和紙を染めていらっしゃるおうちがあります。
それが京都の「染司 よしおか」さん。
古代から伝わる「自然の色」でもって染色を生業とされています。
今は工業製品による、化学染料が標準ですが、日本の色は日本の自然とともにありました。
昔ながらの色をそろえるには、昔ながらの植物が必要です。
でも、需要がなければ育てないのが常ですので、今はもうすでに絶滅してしまった植物も沢山あります。
それでもなお、栽培を手掛けられているところと丁寧に、昔ながらの仕事をしているのがよしおかさんです。
修二会にて仏様にお供えされるお花は「椿」
べに花でもって染められた椿の赤は「艶紅」と呼ばれ、古来から女性の唇や頬を彩ってきた赤でもあります。
中央の黄色はクチナシの黄色で染められています。
修二会の色は日本の色。
すべて人の手だけでまかなわれていた奈良時代から残る、貴重な色です。
ところで、修二会期間中は外に出られない…と書きましたが。
そうなのです。修二会期間中(厳密にはその前から)僧侶の方は合宿生活。
外に出られません。
なぜなのか?
それは修二会が「清浄さ」をもっとも大切にする法会だからです。
それもとても厳格に。
なぜ清浄さが必要なのか。
なぜそんなに厳格にしないといけないのか。
そのあたり、東京でお話します。
修二会のことをじっくりお話するお話会を東京 浜町で開きます!
【日時】2024年1月21日(日)
13時開場 13時30スタート 15時30頃終了予定
【場所】東京 浜町駅そば
【参加費】4000円
【お申し込みはこちら】
【東京トークイベント】天下最強の法会・修二会!その奇跡と軌跡を語る! | ただうち香織の奈良ガイド (uruwashinara.com)
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