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同行援護制度、深まるなぞ

弱視難聴の私にとって、外出するときのサポートは必要不可欠。
今思うと、日本は本当にインフラが整っているから、国内であればわりと一人でどこでもいけてしまう。
イギリスもロンドン市内であれば、一人で動けるかもしれないけど、海外にいると難聴の影響を強く受けるのでなかなか難しいところもある。

さて、日本には視覚障害者の移動を支援するための仕組みとして、同行援護というものがある。
いわゆる、ガイドヘルパーさんを利用するための制度である。
同行援護制度が整ったことで、一人歩きできる視覚障害者が減ったことを嘆く声も聞こえるけど、個人的には一人で歩けるかどうかより、社会参加できるかどうかのほうが重要だと思う。

アメリカは、歩行訓練の仕組みが充実しているから、たとえ、盲ろうであったとしても一人歩きできるように徹底的に訓練する。だから、逆に、ガイドヘルパーがいない。

そういう意味においては、日本は歩行訓練で一人歩きという選択肢に加えて、同行援護も使えるのだから、より多様な実態にこたえることができる柔軟な仕組みともいえる。

実際は、なぞも多い同行援護制度。

小さな政府を目指した日本は、厚生労働省は方針を決めるものの、細かい部分での決定権は地方自治体にゆだねている。地方自治体が判断できるからこそ、小回りがきくという利点と、自治体間格差が生じるというデメリットがある。

例えば、同行援護を使って、通学・通勤が許可されている自治体もあれば、そうではない自治体もある。
こどもの保育園の送迎が認められている自治体もあれば、そうではない自治体もある。

さらに、自治体の先には事業所がある。
事業所によっても、ルールが異なるので、この事業所では引き受けてくれるけど、こっちの事業所では引き受けてもらえないなんてことも生じてくる。

こどもが小さいとき、私はこの制度にめちゃくちゃふりまわされて、連日のように厚生労働省に電話をしていた。
国はOKといっていることを確認して、自治体へ。
自治体がOKといっていることを事業所へ。
そうやって、来る日も来る日も環境整備のために電話をし続ける。

何のための?誰のための?制度なの?!

国は基本的に判断を自治体にゆだねている。
自治体はできるだけ前例のないことはやりたくない。
自治体のその雰囲気を察して、事業所も消極的に。

結局、市議会議員を巻き込んでのやり取りの末に、支援を受けることができたのだけど。

障害のある人が誰もがそんなことをしなければならないのか?
いやいや、無理。

ということで、地方でお困りの視覚障害の方をレスキューするために、これから動く予定。

今回は同行援護での問題だけど、これって他人事じゃないと思う。
小さな政府ゆえのデメリットは着実に多くの人々の生活の中にも潜んでいる。
大きな政府がいいとも限らないわけで、答えはでないわけだけど、
今日も1つずつ、私にできることをやろうと思う。

いつも記事を読んでくださりありがとうございます。
弱視難聴の私のこの小さな活動をサポートしてもいいよ!という方がいらっしゃいましたら、お気持ちを寄せてくださると嬉しいです。

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