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職業選択において障壁を作り出すのは自分自身の心

当時、弱視になったばかりの私は自分で自分の限界を決めていた。
教師になりたいと言う夢はあったけど、自分みたいな障害者が教師になれるわけがない。仮に教師になれたとしても、生徒の表情や文字が見えにくい状況で良い事業をすることができない。そう思い込んでいた私、自分自身が辛い思いをする未来しか思い描けなくて逃げていたようにも思う。
そんな心の内を同じ学校の友達にはなかなか話すことができなかった。私はある日突然障害者となりあっち側の世界に行ってしまった。ある意味、私は自分から壁を作って周囲の人を遠ざけていたのだと思う。
そんな時壁を取り払って心の底から悩みを話すことができたのは同じ弱視の高校生。それぞれが保育士になりたい、教師になりたい、通訳者になりたいなどなど思い思いの夢を語り、でも、私たちみたいな障害者がなれるのかな?なったとしても社会の役に立つことができるのかな?答えのない堂々巡り。だけど、こうやって心の内を晒して話すことができる場は貴重だった。
結局、視覚障害があっても教師をやっている先輩たちがたくさんいることを知り、障害があるからといって夢をあきらめたくない、障害ごときであきらめられる夢ではない、そう気づいた私は教育を学ぶことのできる大学進学を選んだのであった。解除あの時の私を思い返してみても、思った以上に自分の障害に対して恥ずかしさや限界、自分自身が自分の障害を差別的に見ていたと思う。このようなネガティブな感情を払拭できたのは様々な職業についている視覚障害やそれ以外の障害のある先輩たちの存在が大きかったように思う。簡単に言えば、出会いが私を変えてくれた。
あの時たくさん悩んで苦しんでそれで出した答えだからその後頑張れたのだと思う。悩み苦しむ事は辛いけれど、そのプロセスがきっと将来に向けて必要なもの。今まさに進路に悩んでいる、苦しんでいる人たちにはその先にきっと明るい未来がある、だからたくさん悩んでね!と伝えたい。

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