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特殊教育学研究への論文投稿にかかる期間はどのぐらいですか?

今日は大学院生からの質問にお答えします。
日本特殊教育学会といえば、我が国の特別支援教育領域における最高峰の研究誌。

筑波大学の障害科学専攻の先輩方はみんな特殊教育学研究へ論文を投稿していました。

しかし、在籍期間という制約がある大学院生にとっては、短期間で掲載される査読つき研究誌に論文を投稿したいとおみますよね。私も在学年限が迫ってくる中で査読が通過するのかどうかいつもやきもきしていました。

論文が掲載されるまでにどのぐらいの期間がかかるかは最終的には論文の質によると思います。もともと、特殊教育学研究よりさらに上のレベルの雑誌に投稿していた論文を特殊教育学研究に再投稿したら半年ぐらいで採択されたという先輩もいました。

私が聞いた範囲での最長査読期間は4年。私も結局3年ぐらいかかりました。

英語で投稿したほうが採択が速いという話もありますが、こちらも当然、論文の質によって異なると思いますので安易に英語で出せばよいという発想にならないように、まずは丁寧に目の前の論文を書き上げることが大切だと思います。

特殊教育学会は2か月に1回投稿締め切りが設けられています。それに間に合えば、翌月の編集委員会で査読者が決定され、査読がはじまります。査読がかえってくるまでに2~3か月ぐらいかかります。そこから、修正版原稿を提出するまでの締め切りが3か月程度設けられています。締め切りを待たずに短期間で修正をして再提出すれば査読スピードはあがるのかもしれません。やりとりが数か月単位になるので、1年はあっという間にすぎてしまう印象です。

障害科学研究は、毎年、6月下旬エントリーで8月末日ごろが締め切り、10月下旬から11月上旬には査読結果が戻ってきて年内に採択にならなければ取り下げというシステムになっています。こちらのほうが短期的に査読が進むのでどうしても短期間で論文掲載されたい場合にはおすすめです。ただ、査読の修正期間もかなり短いので査読がかえってくるころに別の仕事の締め切りなどがあると徹夜覚悟で修正に臨むことになります。

海外誌はこれに比べてはるかに査読のスピードは速いようです。視覚障害領域だと、Jounal of Visual Impairments and Blindnessが有名ですがこちら1ヵ月程度で査読がかえってきます。

大学院生の場合、時間との闘いもありますが査読を通じて自分自身の学びにつながることは間違いないので、レベルの高いところに挑戦してみてほしいなと個人的には思います。がんばれ!


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