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写真心理学で、創造性と心理的安全性が高まる!? 〜実証実験レポート

team Fantasy-sta.との出会いから

ところで、ところで、

写真心理学の話を進める前に。

JR東日本グループ社員の有志メンバーによる、「team Fantasy-sta.」なるチームがあるのですが、ご存知でしょうか?

彼らは日々取り組んでいる業務とは別に、

自身が本当に気になっていたり、課題に感じている企画を、まずは自腹で!楽しみながら小さく実施して、事業に持ち帰れそうだったら、会社に提案して実現する・・・

(事業にならなくとも、純粋な楽しみであったり、ヒントが生まれたり、モチベーションが生まれたり、創造的であることが大事・・・♡)

そんな「有志のプロジェクト提案集団」という理解だ。


私が、まちづくりの仕事にどっぷりだった時に

※まちづくりの仕事とは、地域に入り込んでいって、その土地の面白い人を足で探してまわり、ワークショップを通してチームビルディングや、企画を形づくり、試行しながら形にする、、、、みたいな、中間支援の仕事です。

team Fantasy-sta.のファウンダーの村上悠さんに出会い、
「同じような課題感を持っている人たちだなぁ」と仲良くしていただき、


余談だけど、私の人生初秋田は、同チームの小島由佳子さんが企画した「イキダネ!」というツアーへの参加だったりする。


彼らと交流を持たせていただく中で、
「一流の仕事をしている大企業パーソンでありながら、なんて話が通じる人たちだろう」
 ↓
「大企業の視点を持ちながらも、それぞれ独自のモノサシを持っている人たちだなー」

と感じており、今回新しくリリースするサービス「miit」の企画段階に、村上氏にヒアリングの協力を仰ぐのだった。

実証実験に至るまで

私たちが企画するサービスは、

個人の創造性と、チームの関係性を醸成する
オンライン写真セッション「miit」

である。(詳細は、後述)

ユーザーは、企業で新規事業に取り組むチームを想定している。

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ところで、このサービス内容に至るまでには紆余曲折があり、ヒアリングやメンタリングで私たちのサービス意図が伝わらないケースも当然あった。

「写真と新規事業創造が結びつかない」
「面白そうだけど、会社ではなくて、個人で使ってみたい」などなど。

余談になるが、企画当初、miitが新規事業のビジネスパーソン向けのソリューションではない頃もあった。

(マッチングアプリとかも、アイデアとして上がっていた)

ヒアリングと、課題抽出を繰り返し、
ソリューションの仮説をつくっては、検証し、壊し・・・・

どんなに周りのスタートアップが羨ましくても、
「ユーザーの課題と最適なソリューションの形を特定するまでソリューションの開発には手を出さないぞ」と、決めていた。

「写真というツールは、人々の創造性や感性、生き方に貢献できる!」という気持ちと、
「再現性のある、確かなものがつくりたい!」という気持ちが、強かった。


「起業の科学」著者の田所雅之さんに、度々メンタリングをしていただく機会をいただいていたのだが、何度目かのメンタリングの時に、

「うむ。・・・・仮説と論理的考察は、できている。」

と、初めてGoサインっぽいものをいただき、ナムフォトチームは沸いた!


次に「これを証明するために、ムービーを撮った方がいい。」
と、新たなサジェストをいただくのであった。

文字面で「人々の創造性や関係性が良くなる」的なことが書かれていても、
扱っているものが内面的な変化で測りづらいから、

「本当に、1週間やそこらで、人の創造性って開発されるの?」
「チームの関係性が良くなるってどういうこと?」

と、信じきれないのが人の常。

ならば、実際にそれを体現してもらって、本人に語ってもらって、その様子をムービーで見せるのがよかろう、というのだった。

「それで伝えられるんだったら、撮らない手はない!」

カスタマージャーニーをかなり細かな部分まで作り込み、
LINEとGoogleとZOOMを駆使して、それを実現する段取りを組み上げた。

(エンジニアの人に、いざ開発の相談をすると、よくここまで組み合わせで作り上げたね・・・と言っていただく)

「何を実証するための、どんな実験なのか?」
目的を明確にし、さらに定量的にも効果を測れる指標を整えた。


そして、前出の、ヒアリング段階からサービス内容に興味を持ってくれていた村上氏に、実証実験の依頼を申し込むのであった。


実証実験の内容

村上さんを通じて、team Fantasy-sta.の面々にプレゼンさせていただく機会をもらい、
10分ほどのプレゼン&質疑応答の後、なんと、そのMTGに参加していた「全員」が、私たちのサービスの実証実験に参加してくれることになった!

さらに、現team Fantasy-sta.リーダーの横内秀理さんが、丁寧に新入社員メンバーや他メンバーに声をかけてくださり、全16名(5名、5名、6名の3チームに分かれて実証実験を実施)が参加してくれた。

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コロナの中、止むを得ず、全チーム完全オンライン環境下での実施となった。


(当初は、オンラインとオフラインで、ABテストをする予定だった)


参加者は、チームに長く在籍する人
チームに入ったばかりの人
新入社員で、先輩方の中で自分の意見をチームで表明したことがない人など様々だった。


セッションを2ターム繰り返してもらい、
その中で、私たちは、なるべく注意深く観察者としての立ち位置をキープしながら、(個人に介入しないようにしながら)

・Beforeインタビュー
・途中のインタビュー
・Afterインタビュー
・チーム対話の様子の観察と録画
・Before診断及びAfter診断

をさせてもらった。


そして、できた 紹介ムービー

そして、そして、紡ぎ出されたセッション成果が・・・・こちらの映像!なのです。

これを見ると、「miit」がどんなものであるか、サービス内容もよくわかると思うので、まずは見てほしいな!


実証実験の成果

結論から言うと、実証実験での成果は、私たちもびっくりしてしまうような、目を見張る成果があった。

定量調査では、
個人の創造性は17%アップ
チームの関係性は13%アップという結果が出た。

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そして、それ以上に素晴らしかったのが、「人が変化していく」という過程にあるように思う。

個々人に気づきが起こる段階は様々。

「自分の創造性(自分らしさ)」に向き合い、チームメンバーがお互いに影響を与え合って、影響を受けあって、人によっては、その過程で起こるネガティブな感情にも向き合いながら、
少しずつ個人の内面が変化し、そして「チーム対話」というフェーズを経て、それが融合していく様を、観察することができた

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個人が、創造性に気づくとき

漫然と日常を過ごしているか、
業務(会社の事業という一つのモノサシ)に邁進している時には見えてこなかった気づきを得ると、

自分のことだけを見つめていた時には見えなかったものが、浮かび上がってくる。

「創造」や「表現」は、「他人との比較」や「評価」と密接なのである。

ただし、私たちは「良し・悪し」という評価ではなく、「どういう類の創造性か」という自己理解・他者理解を得て、より深めるためのソリューションであることを目指し

「写真心理学診断」という装置を用いることで、それに成功したように思う。

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そうは言っても、人間だもの。

時にメンバーの視点が羨ましく思えたり、
自分の視点を誇らしく感じたり、
自分の感受性が、思いの外 ふだんの生活環境から影響を受けていることに驚いたり、
自分の中で徹底的に「いい」と思った瞬間を掘り下げまくったり、
ふだんは論理的思考の強い人が、「雨」というファクターが、スピリチュアル的な感性のスイッチになっていることに気づいたり、
Instagramの投稿では気づかなかった視点を手に入れたり、
・・・っていうか、忙しすぎて、心が震える瞬間がなかった・・・と落ち込んだり、

目の前で起こる、ひとつ、ひとつの気づきが、めちゃめちゃリアルで、真実で、ドラマ以上のドラマで、観察者として見つめていたときに、キラキラと輝いてみえた・・・。

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(ほんと、こういうところに200%くらい心震えるから、ナムフォトやってるんだな)


そして、また、チーム対話での時間を通して
「ここは、自分の本当の姿をさらけ出して、受け入れられる場所なんだ・・・」と安堵する新入社員くんの姿があったり、

仲間からの的確なツッコミで「自分が心ときめくポイント」に深く気づける人がいたり、

そこまでいかなくても、仲間から

「こういうの、らしいよね。」
「こういうの、意外だね。」
「この写真、素敵だね。」

などと、自分のことを語ってもらえる様子は、みんな一様に嬉しそうなのも印象的だった。

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当然、気づきと対話を共有すれば、お互いの相互理解は深まり、心理的安全性も、熱量も、高まるのであった。


チームの関係性が高まるとき

team Fantasy-sta.は、Before診断の時点で「チームの関係性:3.7点(5点満点中)」と、かなり関係性のいいチームであったが、

項目をよくよく分析すると、「チームの関係性」を語る上で、ポイントになりそうな点も浮き彫りになった。

例えば、相互尊敬の数値である。
・相互尊敬(I→You)4.3点
・相互尊敬(You→I)3.6点

自分からチームメンバーを尊敬する気持ちに比べ、
「チームメンバーは、自分のことを尊敬してくれている」と思える数値は低い。

これは、team Fantasy-sta.だけの特徴ではなく、ひょっとしたら日本企業ではよく見られることではないだろうか。

miitセッションを経ると、数値の差は縮まった。
・相互尊敬(I→You)4.5点
・相互尊敬(You→I)4.1点


また、team Fantasy-sta.には、もともと「お互いが意見を自由に言い合うカルチャー」があったが、
新入社員や、メンバーになりたての人にとってみたらどうだろう?

「miitセッションで、初めて自分の意見や考えを発言した。」

「メンバーになりたてで、このセッションに参加できたのはラッキーだった。それぞれのパーソナリティが分かったし、自分のことも知ってもらえたと思う。」

新メンバーにとって、心理的安全性は "自己開示" のフェーズを経ないと高まらないことが見てとれた。

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(つまり、いくらチームのムードが良くても、自ら発言したり、意見を表明するという機会がないと、心理的安全性を得ることができない)

team Fantasy-sta.の心理的安全性は、3.5点から4.1点に変化した。

(逆に言うと、機会さえあれば、心理的安全性は容易に上がる。Googleの調査によると、生産性の高いチームの最重要項目が心理的安全性だ)


定量的な結果だけではありませんよ。


「オンライン飲み会やってるより、よっぽど面白かった」

と、飲み好きの村上さんが語ってくれたのも印象的であったし、

「また、やりたい」

と、私たちに伝えてくれるメンバーさんは多く、この「また」の意味を、私たちは大切に育てていこうと思うのでありました。

仮説で形のなかった「miit」にコミットしてくれたteam Fantasy-sta.のみなさん、まずは、本当にありがとうございました!

これからの話

さてさて、この映像。13分ちょっとと、長めではあるのですが、見てくれた人はみんな一様に

「いい映像ですね!」

と言ってくださるんですよ。

制作は、神谷年寿さんにお願いしました。

いつも、そして今回も、細かなオーダーにばっちり応えてくれて、ありがとう!!

そして、現在開発中のLINEアプリは今月中に完成予定。

並行して、「miit」のサービスの受注を承っております!

興味を持っていただいた方は、直接私やナムフォトメンバーにお伝えいただくか、HPよりお気軽にお問い合わせください。

「写真心理学って、一体なに?」みたいなことも、丁寧にご説明させていただけたらと思います〜!よろしく


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