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本意ではなかったこと。

眠い。
にも関わらず昨日書けなかったもう一件のわけわからん父の来客の話を書こうとしている件。


あれは6、7年くらい前のたしか土曜日のお昼過ぎだったと思う。
本を読んでいたらいつの間にか眠ってしまっていて、鳴り続けるスマホのバイブ音で目が覚めた。
母からだった。
「ちょっと何回も電話してんのに!あんたに会いたいって人が来てるから今からすぐこっち来て!」と。
は?誰?と聞いたら「私も知らん人。話聞きたいんやって。記者さん!」と。
とにかく早く!一刻も早く!!と言うので、とりあえずその辺の服を適当に着て、ドスッピンのまま実家へと向かった。

実家に着いたらカメラを持った40代くらいの男の人と父が談笑していた。
私を見つけた父は「おぉ、やっと来た。この人がお前の話を聞きたいんだと。話してあげなさい」と。
その瞬間、猛烈に嫌な予感がした。
聞くと、その人はとある零細な情報誌の記者で、毎月だか毎週だかに連載している人物紹介のコーナーに取り上げる人がいなくて困っていたらしく。
別件で取材した先でそのことを話したら、あろうことかたまたまその人が父の知人で、そういやあの人の娘さんが何やら珍しい資格の勉強してるって聞きましたよとか言ったらしく。
…で、来ました、と。
ちなみに父の携帯にその記者から連絡が入ったのがその数時間前のことで、父はいつものノリで、近くにいるんならとりあえず来たらいいよなどと言ったらしい。

…本当に意味がわからないとはこのこと。

とりあえずこの記者は壮大な勘違いをしている。
その誤解を解かねばならぬと、私は、私の持ってる資格は決して珍しくも何ともないこと、誇れるようなキャリアは何もない平凡を絵に描いたような人間であることなどを私には珍しく前のめり且つ早口に伝えた。
必死に。
記者さんは、ええ、はい、ああ、としばし聞いたのち、「それで大丈夫です」と言った。

発行部数もそんなに無いですし、本当にちょっとした誌面なので。十分です。取材させてください。…と。
え、でも写真も撮るんですよね?私何も知らずに来たからお化粧もなんにもしてないんですと言ったら、いいですいいです、顔もそんなに大きくは出ないんで、と。
その話を横で聞いていた母が、前にこの子が置いていった専門学校の卒業証書がここにありますけどと余計な気をきかしてきて、その流れで卒業証書を抱えた状態で写真を撮ることになった。
ドスッピンで、寝起きの顔で。
念押しで確認した。
これって本当に大きく出ないですよね?と。
大丈夫です、大丈夫ですと。

その言葉を信じた私が馬鹿だった。
後日送られてきた封筒の中には冊子が数冊と、メモが一枚入っていて。
"先日はご協力ありがとうございました。(中略)なお、今回の記事は本誌のWeb版にも掲載させていただいております。"

!?!?!?!!!?

Web版掲載ってこの時代においてそれ最重要事項やんー!!
…終わった。

私の、世に知られずひっそり生きるという目標が絶たれた瞬間。
…笑。

ちなみに今もこの記事は残ってて、私の名前でググったら即座に出てくる。
もうそれが嫌で嫌で…。
だって遠い昔の知り合いとかがもしかしたら見るかもしれないし。
あと、あんまり親しくないような人にも私の色々を知られてしまうし。
私ね、学歴とか職歴とか正直どうでもいいと思っていて。
なのになんかそれをなんだかすごいことのように書かれてあるのが本意でないというか。
そういうコーナーだからそう書かざるをえないのはわかるのだけど。
すごいだろう!みたいな感じの文面がめっちゃ嫌。笑
あとこんなもので私の何がわかるんだと思う気持ちもあり…。
(そして今より丸い顔した変な笑顔の写真がデカデカと出てくるのもツラい。ツラすぎる。)

それもこれも父のかるーいノリの「来たらいいよ」のせい。
もう終わったことだしどうしようもないけど…これについてはいまだにちょっと恨んでるかも。笑

あー。
しょーもないこと長々書いてたら夜更かししてしまった。

やっと金曜日。

頑張る。


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