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港区郷土歴史博物館(東京都港区・白金台駅)

港区女子は当然ながら通い詰めているであろう港区郷土歴史博物館。港区の歴史が詰まっているので知らないわけがない。

こちらは旧公衆衛生院としてかつては使用されていた建物で、中を改修して再利用されている。当時の建物の意匠が保存されており、こちらは無料で見学することができる。設計者は安田講堂をはじめとして東京大学に関連する施設を多く手がけたことで知られている内田祥三。めちゃくちゃゴシック調で格好いいのである。鶴翼のように広げられた形の建物がまた良い。入り口は中央になる。

博物館の他に保育施設や図書館など「ゆかしの社」としてさまざまな用途で利用されている。博物館に関しては有料になっており、しっかり常設展示と企画展示室とが設けられている。入口でQRコードつきのチケットを受け取り、それらの展示室はこのチケットで入退場するという仕組みになっており、旧い建築の中に最新設備の導入という、港区の財力を感じさせる一幕である。

入口(2階)で受付を済ませると目の前に中央ホールが飛び込んでくる。これだけでもかなり圧巻。改修によってやや新調されている様子は見受けられるものの、当時の意匠を残している努力を感じさせる。

推奨される見学ルートの通りに行くと6階から降りて行く。2階から徐々に上がって行く博物館の見学ルートとは逆になるので、どちらを選ぶかは個人次第か。とりあえず見学ルートに従って、6階までエレベータで上がって、そこから徐々に階段で降りるという選択にする。

6階と5階はかつて寮だったそうで、その跡が残っている。ただし両翼は別の施設として使用されているためこの2フロアでは中央ロビーのみの見学となる。

さて、4階へ降りれば旧講義室がある。20〜30人ほどが講義を受ければいっぱいになるような小さな部屋だが、こちらは現在は休憩室として使用されている。現代作家とのコラボレーション展示もある。

4階で最も注目すべきは旧講堂で、こちらは340人を収容する、キャンバスらしき構造の部屋になっている。いわゆる大学の講義でイメージするような大きな講堂。意匠もそれとなく手間がかかっている。見事に他の見学者はおらず独占状態である。講義でもしてやろうか?って気分になる。

こちらの階には常設展示室2がある。幕末の開国以降に港区で起きた事件や、慶應義塾をはじめとした教育機関の変遷、都電の発展と衰退、といった近現代にスポットを当てた展示となっている。

さらに階段を降りて3階へ。こちらにも休憩室がある。旧院長室・次長室があり、ちょっとした休憩スペースもある。かつて使用されていた館内の標識なども残っている。

この階にある常設展示室1ではさらに時代を遡って遺跡やら貝塚やら、郷土博物館にお馴染みの展示がある。最近できた高輪ゲートウェイ駅の建設におよんで新たな遺跡が発掘されたらしい。江戸時代周辺の大名屋敷・幕府に所縁のある場所などが紹介されている。3階の常設展示室はかなり広く資料も多い。歴史あんまり無いものだと思っていましたごめんなさい。この階には旧図書室もある。現在は図書館として使用されている。

2階へ降りてくる。こちらは入口階で、企画展が開催されている。未来に伝えよう、と称して港区の文化財(特に増上寺や台場に関連したもの)や、港区の工芸品などが展示されている。なお、常設展も企画展も撮影はできない。対翼にはミュージアムショップとガイダンスルーム(港区の歴史〜建築物についての説明)や、実際に触れて学べるコミュニケーションルームがある。

さらに階段を降りて1階には採光に配慮したプリズム板の展示がある。当時は電気も充分ではなく、光を取り入れるための建築に配慮したという遺構が残されている。旧食堂にはカフェーがあり、こちらの一角には港区ゆかりの学校に関する資料展示室がある。

トイレはウォシュレット式。かつてのトイレの遺構も残されている。ちなみにこの建物自体は80年以上の歴史を持つものながら、内部は近年になってから一般公開されたものだそうで、一見の価値ある建物である。


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