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DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市・佐倉駅)

2回目となるDIC川村記念美術館。都内からだと東京駅から高速バスを使うか、佐倉駅あるいは京成佐倉駅からでている送迎バスを使う必要があり、ここだけで1日を費やす必要がある。千葉県の広さを感じさせる一面である。しかしながら1日を費やすのにふさわしいほどの敷地面積を誇り、美術館の他にも散策に適した緑地が広がっている。

サイロのような形をした美術館そのものもかなりの広さで、2階建ての建物の内部に多くの展示室を持っている。入口するのロビーは2階天井まで吹き抜けになっており鮮やかな装飾の窓が教会のような荘厳さを持っている。常設展示室は1階、企画展示室が2階となっており、まずは常設展示室から。主に西洋画を中心とした展示をおこなっており、ルノワール、シャガール、レンブラントといった代表的な画家の作品が顔をそろえる。モネもね。やがてジョルジュ・ブラック、ピカソといったキュビズムの画家からイヴ・クライン、ジョゼフ・コーネルなどの現代美術へと向かい、マン・レイ、瀧口修造といったシュルレアリスムへと辿り着く。

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1階の最後はマーク・ロスコの作品のみが飾られた部屋。赤い光に血の色をした絵は死を想起させるのに充分。もともとはフォーシーズンズ・レストランの壁面として発注されたものらしいが、食事をする店に血の色をチョイスするってなかなかの根性である。なお、作品自体はレストランを見たロスコが「作品にふさわしい店ではない」などの理由(他にも作品が理解されていない現状を目の当たりにしたなど)によって購入金を返却した上で納入を拒否したという。なかなかのアーティストである。40枚ほど制作された壁画は分かれて収蔵され、それを見られるのは世界でもロンドンとワシントンDCにヒューストン、そしてDIC川村記念美術館の四カ所のみである。

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階段を上って2階には採光の取れた「木漏れ日の部屋」と呼ばれる展示室。なお美術館は憲政記念館などを手がけた海老原一郎による建築で、こちらの部屋は自然の中で季節や時間の移ろいを最も感じることのできる部屋となっている。常設展の最後は第二次世界大戦後のアメリカ美術の部屋。アンディ・ウォーホールをはじめとした現代アートを紹介している。

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2階で展開されている企画展示室では「芸術家たちの南仏」と題して、地中海や山に囲まれた豊かな自然の中で光にあふれた土地である南仏に注目し、そこで活動していた作家の作品と関連資料を紹介している。入口では映画の父と呼ばれるリュミエール兄弟による『ラ・シオタ駅への列車の到着』の映像が上映されている。

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企画展ではフランスを中心にしていた画家に焦点を当て、キスリングやセザンヌといった画家をまずはメインに置きつつ、戦争の影響によってドイツとフランスの間に挟まれ半ば亡命するような形で南仏へ来た画家たちも紹介している。爽やかなイメージのある南仏にもこういった違う面もあることを知る。

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絵画の他にもマン・レイなどは映像作品『骰子城の秘密』など変わった作品も手がけている。また、後半の展示にはピカソによる大量の陶器がある。ピカソが工房で職人の作ったツボを変形させながら彩色している映像もある。そのほかにはマティス、シャガールにもスポットを当てて紹介している。トイレはウォシュレット式。

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