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五島美術館(東京都世田谷区・上野毛駅 禅宗の嵐)

個人的にすっかりお馴染みとなった感のある五島美術館。毎回おとずれるルートが異なり、今回は二子玉川駅の方面から歩いて訪問。ただし庭園側の出入り口からは入館できないため(出口のみ)、高台を回って正面玄関から訪問。

今回は禅宗の嵐、という名で禅の書についての企画展を開催している。名高い僧の墨蹟や禅画、写経などが一堂に介した展示で、第一展示室では書が中心の展示。至る所に重要文化財が揃っているのもあってか賑わっている。正直なところ書は全くわからないのだけれど、キャプションが充実しており一つ一つの作品を眺めながらその背景を知って行くと面白い。本体よりもキャプションを読み込む時間の方が長くなってしまっているのが不勉強なところ。反省。

庭先。まさかこのあと痛い目に遭うとは

期間限定ながら国宝『紫式部日記絵巻』が公開されているのもあり、それもあってか混雑とは言わないまでもかなりの見学者が入っていて、一部では密集しそうになるエリアもありスタッフの方から分散を促されている光景も見受けられる。有名なところでは建長寺を開山した蘭渓道隆や、円覚寺を開山した無学祖元、南北朝時代の代表的な禅僧である夢窓疎石、それに一休宗純あたりの書が残されている。受験勉強で見かけた名前っていうくらいで何をやった人なのかはよくわかっていない

裏切らないのはおまえたちだけだよ

第二展示室では茶器を中心にした展示になっている。第一展示室が鎌倉から室町時代にかけての書が中心だったのに対してこちらは安土桃山時代の茶器。五島美術館の代名詞とも言える重要文化財の古伊賀水指『破袋』は何度目かのお目見えながら、見るたびに発見があって飽きさせない。さすがは古田織部をして屈指のものだと言わしめただけのことはある。へなっとしていて好み。長次郎赤楽茶碗『夕暮』や黒織部沓形茶碗『わらや』など五島美術館の茶器展示でよく見られる作品も今回おもわぬ形で見ることができて感謝。

隠れるようにひっそりたたずむ灯籠

少しだけ時間に余裕があったので、今回は予定していなかった庭園も散歩する。もはや勝手知ったる五島美術館、地図なしでもだいたいどんな道かわかっている。余裕だべ、と調子に乗って早足どころかスキップ気分で歩いていたら下りの石段で盛大にすっ転ぶ。バチが当たったと言わざるを得ないほど凹んで庭園の散策を取りやめ。ちなみに本館の他に別館もあるそうで、スタッフの方に聞いてみたところ、こちらは講義で使用される建物で普段は入れない模様。いつか機会があれば内装を見てみたいもの。トイレは館内も園内もウォシュレット式。

入口そばの大手門 講堂はこっちから入れるのかな?

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