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千葉県立中央博物館(千葉県千葉市・本千葉駅)

千葉市立郷土博物館は千葉市の歴史、そしてそこから20分ほど歩いた先にある千葉県立中央博物館では千葉県の歴史を網羅している。二つの博物館施設が徒歩圏内(といってもかなり歩くけれども)にあるというのは貴重。千葉の歴史がこの二つの博物館で網羅できる。
千葉県立中央博物館はさすがに県がやっているだけのことはあり、巨大な化石などもあるかなり広い博物館施設。ちょうど夏休みの小学生に向けた展示も開催しており、割と閑散としていた千葉市立郷土博物館に比べてこちらは親子連れが目立つかなり盛況な様子。

千葉県の自然と人間をテーマにした博物館であり、歴史的な資料よりは自然や生物にスポットを当てた展示が中心となっているのが千葉市立郷土博物館とは違うところ。そもそも「郷土」とは謳っていないのでそれも納得。こちらもかなり広い博物館で、1フロアながら展示室の数が膨大にあるためじっくり見学すればそれこそ半日でもいられそうな場所である。

飲み込まれて行くような展示室の入口

鯨の体内に入って行くような造りの展示室入口へと入って行くと、まずお目見えするのは房総の地学展示室。千葉県における地層が紹介されている。近年になって俄に話題になった地層であるチバニアンについてもかなりしっかりと紹介されている。そらそうよ。千葉県の地学における目玉と言っても過言ではない。ナウマンゾウの巨大な骨格標本もしっかりと展示されている。

ナウマンゾウでかい

隣の生物展示室では千葉県内の生物について哺乳類、鳥類、爬虫類、昆虫に至るまで数多くを紹介している。標本もある。小学生の自由研究の題材としても大いに活用できるようで親子連れで溢れている。千葉市立郷土博物館とは随分と違う。みんな生き物とか好きだもんね。ネズミを丸呑みするヘビとか、なかなかグロテスクな標本展示もある。牧野富太郎の植物標本もなぜかここに。マッキーここにもいたのか。

なかなかグロテスクな剥製

奥へ進むと今度は海洋展示室と生物の分類展示室がある。陸の生物からうってかわって海に棲む生き物たちの生態などを紹介している。千葉県といえば三方を海に囲まれた土地。しかも利根川と江戸川がつながっていることを考えると一種の島である。千葉国。そんなことはさておき、太平洋と東京湾では棲んでいる海洋生物もかなり異なる。こちらではクジラをはじめとした様々な海洋生物の骨格展示をおこなっている。これだけでもインパクトがすごい。さすが県がやっている施設である。展示室の奥には少しだけ水棲生物の展示もおこなっている。

マッコウクジラやツチクジラの骨格標本

ここまでが自然に関連する博物館という内容になっており、通路を進んだ向かい側が郷土博物館の色彩が強い展示内容となっている。土器に板碑に石棒もしっかりとある。素晴らしい。郷土博物館はこうでなくっちゃ(郷土博物館とは謳っていない)。縄文・弥生・古墳時代を経て律令制、中世から近世・近代・現代に至るまで千葉県の歴史を網羅している。県立だけあって千葉駅や東京近郊周辺だけでなく、館山エリアの方まで採り上げているので特に千葉県民であれば楽しめること請け合い。千葉県内に点在するいくつかのミュージアムに絡めた展示案内をしているのもあり、他のミュージアムへ行くための手引きともなっている。

郷土博物系の展示も充実 かなりの広さ

特別展として別の部屋で鯨について紹介している。地球上で最大の生物である鯨の生態から、捕鯨としての人間との関わりに至るまで網羅しており、こちらは小学生の見学率が最も多い。自由研究の題材にもってこいなのだろう。トイレは和式と洋式。意外にもウォシュレット式がなく多目的トイレのみその機能を有している。

海蝕鍾乳洞は不気味な感じで良い

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