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御茶ノ水&水道橋ギャラリー巡り

・アテネ・フランセ(東京都千代田区・水道橋駅)
御茶ノ水や水道橋の界隈には珍しい形をした歴史ある建物が多く残されている。ニコライ堂や神田教会もしかり、旧文化学院も建築好きには注目すべきスポットの一つ。それらの名建築を結ぶような位置に聳え立つピンク色をした一際わ目立つ建物がフランス語を普及させるための施設であるアテネ・フランセである。

そのピンク色の外観は周囲からも一目でわかるくらいに特異で、一見すると何の建物なのかわからない。しかしよく見るとそのピンク色の壁には小さな穴が無数にあり、それらはアテネ・フランセを表すアルファベットの形をしている。こんな風変わりな建物を設計したのは建築家として名高い吉阪隆正で、建物は日本建築学会賞を受賞している。中にミュージアム機能があるわけではないので外観のみ拝見。ただし中にはイベントによって映画祭を開催していたりいろいろな催し物があったりもするそうなので、タイミングを見計らっていずれ中の構造も味わってみたいもの。

よく見るとピンクの壁にはアテネ・フランセのアルファベットが

・Shakespeare Gallery(東京都千代田区・御茶ノ水駅)
明治大学の裏手、旧文化学院のあった場所の手前の小道を曲がり、ちょうど山の上ホテルの裏あたりにあるのがまだ開館して間もないギャラリーのShakespeare Galleryである。階段を降りた地下階にあり、梅原龍三郎、岡田三郎助といった日本の洋画家を中心とした数多くの有名画家の作品を取り揃えた収蔵展を開催。館内はかなりコンパクトながら、オーナーと膝を付き合わせて絵を鑑賞できる環境になっている。

Shakespeare Gallery

・Super Labo Store(東京都千代田区・神保町駅)
写真家のハービー山口の作品を中心にした展示会を開催。ミュージシャンを中心にプロモーション写真、ジャケット写真などを手がけており、音楽好きであれば彼の撮影した写真を目にしている人も多いはず。今回はミュージシャンである布袋寅泰を被写体とした写真集「Glorious Days」の中からいくつかを紹介。布袋寅泰のバンドデビュー当時から同行して撮影してきたそうで、20代そこそこの若いバンド青年の頃から現在の貫禄ある姿までが紹介されている。Super Labo Storeは写真家を採り上げることの多いギャラリーらしく、国内外を問わず写真家の写真集も並べられている。

ハービー山口展

・トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京都千代田区・水道橋駅)
関東大震災の復興計画の一環として1928年に建てられた職業紹介所を元に、空襲などで半壊するなどの災難に見舞われながらも改修されてきた3階建ての建物。2001年にギャラリーとして新たに生まれ変わってから20年以上の長い間に活用されてきたTOKASことトーキョーアーツアンドスペース。今回は「引き寄せられた気配」と称した三人展を開催。見えないものの存在をとらえて様々なスケールでその実態とイメージするものの関係性を想起させる作品をテーマとして紹介している。

1階では古代遺跡の史料を題材として、見えるものと見えざるものをつなぐ、あるいは両者の境界を示すことをテーマにした鮫島ゆい、2階では体感し難い宇宙空間を紙にピンで穴をあけるという細かい手作業で惑星など星々の表面をさまざまな形にした須藤美沙、3階では静止された一瞬の映像を切り取って、そのブレを薄れて行く記憶のはかなさとして表現した海老原靖、それぞれ異なる作風の表現方法で展示している。

トーキョーアーツアンドスペース本郷

またそれ以外にも交流室があったり、各階の踊り場に飾られているステンドグラス、マーティン・シュミットによって壁にそっと空けられているドリル穴のウォール・タトゥーなど、作品だけでなく建物の内装自体を楽しむこともできるというのが特徴かもしれない。トイレはウォシュレット式。

ステンドグラスも綺麗


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