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ニコライ堂(東京都千代田区・御茶ノ水駅)〜ギャラリー蔵(同上)〜アーツ千代田3331(東京都千代田区・末広町駅)

・ニコライ堂

神保町へ向かい、お腹もすいてきたので腹ごなしとばかりに古本屋界隈を歩きながら店探し。神保町といえばカレーということで探しためぼしい店は行列で、しばらくうろうろしていたらエチオピアというこれまた有名店が幸運にも行列なく入れた。ジャガイモが単体で付いてくる、という面白い出し方をする。ちなみに神保町界隈で最も行列だった店がラーメン二郎だったというのもまた栄枯盛衰なのか。

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螺旋階段や展望エレベータなどで歴史の古い日本古書センターや、まもなく閉店となる三省堂本店を拝みつつ(トイレはウォシュレット式)、次の目的地としてニコライ堂へ向かう。

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正式名称は東京復活大聖堂で、実地設計はジョサイア・コンドル。おなじみの岩崎家とズブズブのコンドルである。やはりこちらもコロナウイルスの影響で中までは入れないので外観のみ。ちょうど曇り空の陰鬱な色を貫くような青銅の色合いが見事なコントラストを生んでいる。ここまでの巨大な建築物を建造することができるという人間の情熱、あるいは信仰心といったものに圧倒される。


・ギャラリー蔵

ニコライ堂からすぐに新御茶ノ水駅がある。すぐそばの聖橋を越えれば湯島聖堂があるのだけれど、今回は隣にある御茶ノ水ソラシティへ。この敷地内に昔の蔵をそのままギャラリーへと改装したギャラリー蔵がある。

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くどうやらこの周辺も岩崎家の息がかかっている場所らしく史跡がある。ギャラリーの中は冷暖房がなく蒸し暑い。トイレもない。3階建てになっており、かなり傾斜のきつい階段を上り下りするので恐る恐る昇降する。最上階まで行くと二人分の休憩スペースがある。あいにく今回は展示会がなかったため、無人の空間を見るだけという結果に終わったが、無くなりかけている史跡をこういう形で残すという試みはこれからも続けて欲しいものです。


・アーツ千代田3331

昌平坂から秋葉原方面へと向かう。15分ほど歩みを進めるとアーツ千代田3331にたどり着く。閉校した練成中学校の校舎を改修して一部屋ずつをギャラリーへ変えている。3331という奇妙な名称は、一本締めの手拍子のことらしい。入り口の前には広場があり、親子がシャボン玉で遊んでいたり草に寝っ転がったりできる。

校舎へと入ると右手にはカフェ、左手ではコミュニティスペースとしてイベントが開催されていた。正面をそのまま入ればインフォメーションコーナーがあり、そのまま右奥へと進むとギャラリースペースとなる。企画展がある際にはインフォメーションコーナーのすぐ横から入れるらしいが今回は期間外のため常設展示のみ。

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校舎ならでは水道、校舎ならでは階段、姿見、下駄箱はそのまま郵便受けや展示チラシ入れ、全く同じである。体育館まである。大人になってから校舎へ入るという機会はめっきりなくなってしまったが、こういうスペースで学生気分を思い出すのも貴重な体験だと感じた。学生の頃は学校が社会の全てで、そこで始まりそこで完結する物語の中で右往左往していた。けれど就職を経てその枠へと出て、今度は枠の外側から学校を振り返ることで、その頃は見つけられなかった生き方のヒントを見つけられる気がする。トイレは和式と洋式。学校ですから。

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地下1階、地上3階あり、3階はハフポストなどの企業オフィスとしても使われている模様。キュレーターの一人である現代美術家の日比野克彦が「他者と自分の間」というメッセージを寄せている。複数あるギャラリーはそれぞれ現代美術の展示が多い。正直なところ玉石混交という印象があるけれど、古今和歌集を題材にしたコンセプトの展示や、今後の食文化がどうなるのかを京都大学と共同で展示したブースがあり興味深いものもあった。
中にいる人たちも楽しそうに文化芸術を自分たちで作ろうとしている様子が見て取れる。永遠に続く文化祭のようでもあり、そういうものに行ってみたくなった。

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