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嗚呼、破天荒フェニックス

海外で日本の書籍をKindleで購入した場合、6冊でロックがかかる。これは日本に帰国して何かを購入して初めて解除される呪縛で、海外駐在員は必然的に厳選せざるを得ない。そんな状況で私が選んだ1冊がこれだ。
きっかけはホリエモンチャネルで見た著者の執筆方法。ネットにアップしたエピソードで反響の良かったもののみを厳選し、ストーリーは同ジャンルの本を100冊読み込んで、"カタ"を真似るというもの。
自分でも出来そうだな、でもきっと小学生の作文程度のクオリティだろうとサンプル読んだら、サクサク読める。ついつい購入して全部読んでみた感想は…純粋に面白かった。
普通の小説ならこれで終わりなのだが、この会社は実在してて、実店舗があるというのがミソ。読者は「君の名は」の聖地巡礼感覚で店舗に行く、そして、メガネを買う、家にモノがあると更にファンになる。SNSでアップし始めるという動線がしっかり張られているのだ。
これは効果絶大なプロモーションツールだ。さらに印税まで入ってくる…
この仕組みを考えた社長は、破天荒フェニックスという皮を被った"かなりやり手の商売人"であろう。そういった手法を学ぶだけでも、ビジネスマンには読む価値がある。
さて、感想だが、まず、結果オーライなだけで、この社長の真似は絶対にしてはいけない。自己資金を全額担保に入れるなど、失敗したら再起不能に陥りかねない。自分だけでなく、家族も不幸になる。そこまでできるほどの情熱があったからこそ成功したという側面もあるだろうが、中途半端な真似は絶対にダメ!!
あとは、感想でもないけど、なぜギリギリのところで、この会社が耐えしのいだのか、その理由が何かを考えてしまう。
全くの私見だが、社長と奥野さんの相性が良かったんだろうね。社長はアイデアマンだけど、繊細な感じするから、一人だったらダメになってたんじゃないかな。そこで、自分のアイデアを実行する前に奥野さんに吐露する。そこで、奥野さんの顔色と反応を見て、これは本当にダメか、脈アリか判断してたんだろうね。奥野さんって生真面目そうで思ったことがすぐに顔に出そうなタイプっぽいし。ベンチャー企業の創業者は大体仲間と意識のズレが生じて孤独になるって聞くし、この状況で同じ方向に一緒に進む仲間がいるというのは、とても心強かっただろう。
それと、やっぱり社長のキャラクターなんだろうな。司馬遼太郎の項羽と劉邦じゃないけど、その道のプロ(再生ファンドやコンサル)がお手上げの再建を、どこの馬の骨とも分からない社長が実現してしまう。これはもうスキルというよりも、人品や人徳によるものだろう。本質的なところが正しくて、飄々としているけど何処か憎めないキャラクターにどんどん人が集まってきて、後押ししてくれたんだろうね。
ということで長々と好き勝手書きましたが、日本に帰国したら、OWNDAYSのメガネ作ります。
エイ、エイ、オンデ〜ズ!(自分もしっかりにわかファンになっとるやないかい、笑)


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