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2018年5月9日公開セミナーレポート②「客単価を上げて超高収益店舗を創る方法」

では今後、実店舗はどうしていかなきゃいけないか。商業施設に関しては地域コミュニティの集まる場に変わっていきます。

全国に数千店舗展開しているドラッグストアで、養〇酒の倍ぐらいの価格のPB商品を売る大会がありましたが、上位に入った多くの人がボクのお客様。1位もボクのお客様で、本当に素晴らしいセールスの女性です(過去に商業界で特集まで組まれました)。

どうやって売ったかと言うとお店全体の力なんですよ。

高額な商品やサービスは黙っていても売れません。それだったらブランド力もある養〇酒をみんな買いますし、その状況で高い商品を売るには色々な工夫が必要です。そこではパートさんのLINEのコミュニティがあって、“こんな風にしたら売れました!”とか、写真とトークが毎日のようにアップされていて、他のメンバーはそれを参考にしながら自分たちで新しい手を考えているわけです。

客単価を上げるのに必要なのは知恵の集合体で、それをどれだけ集められるか、店長がメンバーに合った売り方を作れるかどうかが鍵になります。価値よりも価格の方が高い状態から、価格よりも価値の方が高い状態に持っていくのがセールスです。

商品を販売するプロセスで、絶対に必要なのが仕様です。仕様から価値を見出しますが、価値は比較対象となる商品によって変化します。
例えば、1万円の商品を5,000円の商品と比較した時、1万円の商品だからこそ得られる価値というのがありますが、比較対象が5万円になると価値は変わります。同じ1万円の商品でも、”5,000円の商品と比較した時の価値”と”5万円の商品と比較した時の価値”は、同じではないんです。

どういうことか、Tさんに実演していただきます。
Tさんは1,000円のボールペンを売る販売員で、お客様が100円の1色のボールペンを買いに来ました。そこで「良かったら1,000円のボールペンどうですか?」って言います。普通は「いらないです」ってなりますが、どうしたら書き味がなめらかで、かすれたりしない1,000円の4色ボールペン+シャーペンを3分以内で購入してもらえるか、というチャレンジをしてもらいます。

Tさんはボクのクライアントの中でも一番若いボクの申し子で、成田ジュニアといってもいいほどの力を持っていて、企業内では新人賞もとっている彼が滑るわけがない。今から3分間、始めてください!

(モザイクで怪しさ満点ですが、個人情報もあるので・笑 二人ともイケメンです!)

販売員「どういった用途でボールペン探されています?」
お客様「会社で使うんで。」
販売員「会社で。例えば会議とか出先とかでしょうか?」
お客様「まあ、そうですね。」
販売員「そうだったんですね、探されているのは黒のボールペンですか?」
お客様「何色かあれば、欲しいと思ってます。」
販売員
「そうですね、会議で大事なことをメモする時に、何色かあれば色を付けられますし、例えばですけど、100円のボールペンだとかすれてしまって大切なところがメモできなかったり、後で見落として上司に怒られたりして、自分の仕事の成績に影響することもあると思うんですが、そういったリスクが1,000円の商品だったら全くないわけです。
それにまとめてペンを持つ手間もなく1本に集約できる。そういうメリットが1,000円の商品にはあるんです。
100円のボールペン3色の他に黒を1本買ったら400円。もし1本失くして買い足したら500円ですよね、それでしたら長持ちする1,000円の方が、シャープペンも使えますし、1本にまとまっていて使いやすくていいと思うんですけども、いかがでしょうか?」

お客様「とりあえず書かせてもらっていいですか?」
販売員「はい。これで書いた字は滑らかで綺麗になるんですね。やっぱり人に見ていただくときにセールスマンとしては見栄えがすごくいいです。そうするとお客様の印象も変わってくると思うんですよ。それで成績が1%でも上がるのなら、そのお金をかける価値ってすごくあると思うんです。なので1,000円の方がおすすめです。」
お客様「じゃあいただきます。」

Tさん、やっぱり俺の研修受けてるだけあるわ。すごいですよね、しかも周りにおじさんたちがいる前で、よくそこまで冷静に行けたなって。素晴らしかったです。

一同拍手!!!!!!

商品の価値って比較対象によって変化します。
1,000円のボールペンと100円のボールペンで何を比較するか。まず1,000円という金額が生み出す価値は何か。一般的な話をすると100円よりも1,000円の方が失くしにくい。これが一つの価値です。もう一つ、仕事柄お客様にボールペンを渡す時がある人には「渡された時にどっちが嬉しいですか?」って聞いたら1,000円のボールペンって答えると思うんです。
高額商品が生み出すメリットは何なのか、これが価値なんですけど、これはカタログには載ってないんです。4色ボールペン+シャープペンも同じです。

販売員「どんなお仕事されてますか?」
お客様「営業です。」
販売員「メモ取られますか。」
お客様「メモ取ります。」
販売員「大事なところは赤ペンで、わからないところは青で、そんな風に気になったことをわかりやすく書くだけでも会議の効率は上がりますよね?」
って言われたら、確かにその通りってなると思うんです。

後は「筆箱をお持ちですか?邪魔じゃないですか?」っていうのが大きな価値になりますし、仕事の生産性向上にもつながります。書き味が滑らかっていうのは、例えば仕事で速記しなきゃいけない時に100円のボールペンだとかすれたりしますが、そのストレスから一切解放されるわけです。
これらの価値のトータルが1,000円を上回るとお客様は購入します。

ただ、比較対象が1万円の商品になると、この価値は崩壊します。失くしにくいのは絶対1万円の方だし、価値は比較する対象商品によってコロコロ変わっていく性質があるんです。

だから、お客様にはこの価値に気づいてもらわなきゃいけない。そのためには質問が二つ必要です。一つは現状確認、もう一つは潜在ニーズを引き出す質問。「筆箱お持ちですか?」が現状確認で、現状確認できたら潜在ニーズを引き出すために「よくよく考えたら筆箱はカバンの中でも場所取りません?」って聞くわけです。そうするとお客様は「確かに」ってなります。これが潜在ニーズが顕在化する瞬間です。

「筆箱がいらなくなる」っていうのは潜在ニーズですが、「筆箱いらないから便利ですよ」っていきなり言ってはダメなんです。顕在化する前にセールスするのは絶対にダメです。これは鉄則です。

次回③は「潜在ニーズを引き出す質問」の話をお届けします。

レポート担当:柴田(junx2)

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