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中途採用者の気持ちについて

昨日中途採用者の定着化に関して話をする機会がありました。どのようにすれば、早期に会社に馴染み、活躍できるところまで支援できるのか。

そのような話をしていました。とても難しい問題です。どの企業でも同様の悩みがあるのではないでしょうか。規模が大きくなるタイミングなど特に意識するべき内容だと思います。

リクルートの調べでは、2019年度は4割超の企業が過去3年よりも中途採⽤⼈数が増員する見込みと出していました。労働生産年齢人口が減っていく現状を理解し、早期に人材を確保する企業は増えています。また事業のスケールにあたり、人を必要とする企業が増えているのも事実です。

中途採用者は即戦力と言われますが、肌感覚では8割以上は即戦力化するまで時間がかかるように感じます。それは組織やチーム側の支援のあり方も変わる必要がありますし、中途採用者も努力する必要がある事柄になります。

中途社員のオンボーディング化に関して、以前書いたものがあるので気になる方はのぞいて見てください。

<中途社員の生の声>

中途社員自身入社当初どのように考えているのでしょうか。リクルートの調べて出ていたものがあるので紹介します。

前職の経験と異なるため、まずは仕事のやり方に関して悩む方が多いそうです。業界用語のも悩むのは納得です。自社独自ルールや慣習に馴染めなくなると個人的にはかなり辛いように感じます。カルチャーフィットしないのは拷問でしかないです。大げさですが、よくわからない海外に行って働くのと同じように感じます。

採用工程の中で知り得なかった情報もたくさんあります。職場チームの雰囲気やキャリアパス、ミッションなどです。ここってやっぱり抜けがちですよね。どのような期待を持って採用されたのかを伝えることはかなり重要に感じます。個人的にはキャリアパスは自分で描くものっていうスタンスではありますが、大手企業だと何歳でどのようなキャリアが描けるのか知りたくなるのかもしれません。抽象的ではありますが、キャリアは知れると安心するのかもしれません。


今回は別途中途採用者の悩みの声をヒアリングしたので共有したいと思います。私自身転職経験・出向経験があるので、気持ちがよくわかりました。とても小さなことではあるのですが、どんなことでも中途採用者にとっては不安になることがあります。

<3名から聞いた事例>

入社当日に「あぁ、この会社・職場で頑張れそうだ」と思ったこと
・初日に全体朝礼でご挨拶ができた。
・初日に全社員向けにメールを配信することができ、次お会いした時にメール内容の話題でお話しできた。
・入社当日、数名の方にお声掛けいただいたこと。
・当日に限りませんが、社内の雰囲気や、いい人が多いのを見て、続けてやっていけそうだと感じました。
・初日に宴会があったのは非常に良かったです。
・社長が事業所に来て下さり、1時間程度勉強会をしてくださったのは非常にうれしかったです。
・上席の方が1時間、時間を取って下さり、人となりを聞いて話してくださったことが非常に良かったです。

入社当日に「これは聞いていいのかな」などと躊躇したこと、かつ知らないと不安だと思ったこと
・プリンタの使い方(プリンタが多かったのでわからなかった)
・喫煙場所や、お昼の食べるところ
・帰るタイミング →指示いただいた業務は終わってるが、周りの方が黙々と業務されていると帰って良いものか、戸惑う
・実残業時間:実際私の部署・チームはどのくらい残業するのか聞いてよいのか躊躇していました。
・基本的なPCスキル:PCを今まで1度も触ったことがなく、前の会社でも業界に特化した作業が多かったため、PC作業が慣れない。(Excel、PowerPointなど)

入社してから慣れるまでにかかったおおよその期間と、慣れるに役立ったもの
・入社してから各拠点ごとに歓迎会をしていただけたこと。
・wikiのような自分で調べることができるものがあったのは助かった。(wikiの見方を丁寧に教えてもらえたのが助かった)
・商品が多いので、基本的な商品を覚えるまでとても不安感がありました。
・入社後すぐに色々仕事を頂けたので、逆に嬉しかった。
・わからないことがあったときに、誰に聞いたらよいかがわかってくると安心してきました。
・人となりがわかったり、個別でちょっと話す時間を持てた人が増えてくると慣れてきたように思います。訪問同行の合間で話したり、チーム以外の人との交流することができたりしたことが役立ちました。
・マニュアル作成など得意分野に集中できる環境が助かりました。

プリンターやPCの使い方、帰るタイミングなど暗黙知に近い内容の共有がないのはかなり悲しいように感じます。ここってむしろwikiに細かく載せるべきものだし、マニュアル化しておくべきものだと知りました。

普段の業務で慣れていて、自分の当たり前な業務が中途社員からすると非日常であり、「?」な点であることをまずは理解しないといけないようです。


ちなみに上記3者の意見の中で共通していることがあったので書きます。

「プリンター」「PC」などの業務を細かく教える必要あり

入社当日は懇親会やメンバー紹介などを意図的に行う(歓迎されていることを伝える)

帰社時間・ランチ時間・館内の案内など最初のうちは示してあげる

残業目安や、チームの方向性を細かく伝える(最初はランチ一緒にいく)

少し多めの1オン1

wiki見てから聞いてというのであれば、まずはwikiの見方を細かく教えるべき

仕事をすぐに渡してあげる

得意分野を見つけて任せてみる


1ヶ月でオンボーディングできるようにすることが重要だと感じます。すぐに立ち上がってもらえる仕組みと丁寧な教えが重要です。「そんなの忙しくて無理だよ」というとむしろ育成が後ろ倒しになるため、最終的にうまく行かないケースがあります。早期に立ち上がってもらうために最初が肝心です。

このようにして中途社員の気持ちをうまく汲み取って動かないと全体の動きが鈍くなります。

導入研修だけしといたらいいだろと思っている人がいれば、終わっています。そのような組織はすぐに廃れるべきです。

人を消費するのではなく、ともに進化する志がないと採用でも強くなりません。

これは中途だけではなく、異動したての方にも当てはまります。みんなさみしいし、不安なことに気づくことから始めるとうまくいくのかもしれません。歓迎されていることをしっかりと伝えてください。

以上になります。ちょっと尖った意見を書いてしまったのですが、とても共感できる話を聞いたので書きました。

当たり前ほど、人によって異なるものはない。

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