意味付ける力というもの

最近この「意味付ける力というもの」のすごさを身にしみて感じることがあります。チームメンバーに会社の方針を伝える時や、採用の際に応募者を口説く時にも私はよく使っています。

特にこれが上手い人はストーリーテリングを併用して、活用することが多いと思います。意味付ける力があるかないかで、結果や相手に対して与える影響力や反応が変わるのを何度も見てきました。

私自身がこの意味づける力を身につけ始めたのはおそらく高校時代の部活動です。当時陸上の長距離選手だったのですが、高校3年生の時に大阪府の一番重要な大会の3ヶ月前にオーバーワークで疲労骨折になりました。

近畿大会の出場がかかっていたこともあり、朝、夕、晩と1日40キロは走っていたと思います。それが何よりも原因で疲労骨折で右足が痛くて走れなくなりました。

当時は「なんでこのタイミングなのか?」「努力していただけなのに、なぜ自分だけこんな怪我に遭遇しなければいけないのか」と、物事がうまく行かないことでかなり苦しみました。

何としてもすぐに治さなければいけないと思って、整骨院に行き、アイシングし、筋トレしまくって少し痛みが止んだら走れるじゃないかと思って少し走ったりもしていました。「絶対に走るな!」と整骨院の先生から言われていたのに、周りが練習して自分だけとり残されることに怯え、練習してしまっていたんだと思います。さらに足が痛くなりました。

完全にアウトですよね。正直大会を諦めて、陸上人生を終えようかと思いました。今から回復しても大会ギリギリで完治。それでベストパフォーマンスが出せるはずないし、本当におしまいだと思っていました。

ただそんな中途半端な自分を見て、見かねた母から「今の怪我があるのは休息の時というサイン。神様があなただったらこの壁を乗り越えて、試合に勝てるようになると思ったからこそ、この怪我が与えられたのよ。しっかりと怪我を受け入れて、壁を乗り越えなさい。」と言われました。当時の母は、おそらく僕の暴走を止めるためになんとなく放った言葉だったと思います。ただ僕にはその言葉が衝撃的でした。超えられると思ったからこそ、「できた壁」。それなら絶対に乗り越えて、新しいステージに立とう。そう考えるようになりました。

それからは怪我が完治するまでは、「絶対安静」「早寝早起き」「足に負担がかからない体感トレーニング」「フォーム確認」できること全てしました。おかげで試合の1ヶ月前には完治し、最後の試合では近畿大会にはいけないまでも、これまで出したことがないベストタイムを出して終えれました。


長々と書きましたが、この体験が僕が体得した意味付け力です。高校生以来どんな時も「超えられる壁だからこそ、出会えたもの」というスタンスで逆境を克服できるようになりました。

世の中では、この意味付け力を「ABC理論」ともいうみたいです。

ABC理論:アルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に提唱した「論理療法」の中心概念。出来事(A)、信念(B)、結果(C)からなる認知に焦点をあてた考え方。

A:Activating event(出来事)
B:Belief(信念、固定観念)
C:Consequence(結果)

※ウィキペディア参照

私が体験したものをABC理論で表すと以下になります。

上のとらえ方が「最初の私」、下のとらえ方が「意味付けた私」です。

重要なのは間違いなくBの「とらえ方」です。B次第で結果が良くも悪くもなることが明らかです。

例えば会社で

「上司に叱られ嫌な気持ちになる(A)」

「あの上司は嫌いだ。一緒に働きたくない(B)」

「会社をやめよう(C)」

となるのか、

「上司に叱られ嫌な気持ちになる(A)」

「まだまだ成長の余地がある。上司の考えも一理あるし、受け入れて頑張ろう(B)」

「さらに活躍して、見返してやる(C)」

で結果が異なります。上記の内容は一事例のため、本当に上司が最悪のパターンがあるため一概に全てそうあるべきとは言えないが、意味付けする力があるかないかで、物事が変えられるのあれば、身につけておくべきスキルだと思います。

この意味づける力があると、それを言語化して他者に意味付けして伝えることもできるようになります。メンバーを叱る時も、「君に期待しているからこそ、叱っている」ということを踏まえて意味付けして叱ると相手の反応も変わります。

「意味付けする力」生きていく中でとても大事な考え方だと思います。

もし壁にぶつかった際は、ぜひ1度やって見てください。

ただこれは一回で身につくものではありません。「行動→継続→習慣」になってこそ効果が発揮されるものです。最初は強制的に考え、慣れ、体得できるようになるまで続けてください。人生がとても楽しくなります。

以上が私が考える意味付け力の重要性でした。


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