つくば市の先行型投資

以前あるセミナーで23区の職員の方と話す機会がありました。お話ししていると業務の効率化に悩んでおり、生産性をどのようにしてあげていくべきお話しされていました。

その際に生産性が高い自治体ってちなみにどこなんですか?と聞いたところ即答で

「つくば市」

と言われていました。なぜつくば市か生産性が高いのか伺ったところどうやらRPAを導入しており、めちゃくちゃ成果が出ているとのことでした。その話をもっと伺いたかったのですが、そんなに話す時間もなかったため、その場で一旦話は終わりました。


結果帰ってから気になって調べたのですが、ちゃんと報告書が上がっていました。

<つくば市のRPA>

時間がかなり削減されています。さらに驚くのは、導入から改善のスピードがかなり早いことです。2017年末に導入検討をはじめ、2018年4月には導入後の結果が出ています。

おそらく時間がかかるのは、RPA化する業務の洗い出しと、ロボットの作成くらいだと思います。あとは実行して効果をみるだけだったのかもしれません。

実際に数字で出ている通り、

市民税課:424 時間 44 分 ➡ 88 時間 18 分(削減率 79.2%、43.4 日削減換算)

市民窓口課:85 時間 ➡ 14 時間 10 分(削減率 83.3%、9.1 日削減換算)

3ヶ月の効果測定だけでここまでの時間が削減されています。さらにロボットなのでミスもなく、ボタンを押すだけで勝手に起動し始め、処理が終わっている状態です。とても素晴らしい成果だと思います。

最初全庁に対してアンケートを実施し、ルーチン化している部署がどこか特定し、その中からRPA化できるものを探したようでした。

正規職員2名と非正規職員1名の業務が、正職員1名と非正規職員1名で済むように、動いているようです。それができると残り1名の正規職員は別の業務に注力できるようになります。とても素晴らしい成果ではないでしょうか。

自治体はルーチン業務が多いですが、ルーチンでも量が圧倒的に多いためRPAとの親和性が高いように感じます。

データ整理→資料作成→印刷まで全て一貫して勝手にやってくれるのはともて素晴らしいことだと感じます。弊社でも、セミナー申込者を確認し、データ整理して、申込書の資料などを勝手に作成し、印刷までRPAがやってくれています。

そこまで考えずにできる作業はRPAに向いています。ちょっとした工夫がいる業務でもRPA化できるため自治体はどんどん入れていくといいように感じます。税収が少なく人が採用できない自治体などは早期に入れるべきです。最低賃金よりも安く動いてくれます。パートさんを採用しようするよりも、長期的な解決先になるはずです。

昔色々な自治体に出張で訪問していた時も、TODOが多く悩まれている方がたくさんいらっしゃったのを覚えています。

RPAはデータを覚えさせることと、実行することの2つができます。

このような自治体がどんどん増えるといいなと思います。大変なルーチン作業は無くなるべきだし、もっと市・町・区をよくするための施策を考える方向に力を入れて欲しいなと感じます。

東京・大阪・愛知・福岡・沖縄など以外は今後人口の伸びは見込めない。逆に色々チャンスが生まれそうです。

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